出前館キャンペーンページより(現在は削除済み)

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料理宅配サービス「出前館」の"太っ腹"企画が、告知していた終了日を待たずに突如、中止となった。

キャンペーンをめぐっては、「サブ垢(編注:サブアカウント)を作りまくれば期間中何度も使える」などとする書き込みが拡散し、不正利用者が一定数いたとみられる。運営会社は取材に「今後はLINEIDとの連携などで対応強化をし、サービスの改善に努めてまいります」と答えた。

システム上の不備を突く

出前館は2020年10月7日〜15日の期間、新規会員を対象に、注文額から2000円引きとなるキャンペーンを行った。2001円以上の注文で使え、利用者からは「出前館でピザ1枚100円!」「500円以内でうなぎと寿司食べられた!」と好評だった。

しかし、11日夕にアクセス障害で受付が一部停止され、それから1時間後には突然の早期終了となった。その理由を、当初は告知していなかった「上限枚数」に達したためだと説明する。

終了後にはキャンペーンページに「同一人物による利用などの不正利用を発見した場合には、お届け先住所に不正利用分の金額を回収に参ります」と赤字で追記され、不正利用を示唆している。

実際、SNS上では「サブ垢を作りまくれば期間中何度も使える模様 ※対策される可能性あり、ご利用はお早めに」と不正利用を勧めるような書き込みが10日に投稿され、広く拡散していた。この投稿者は、架空の電話番号でも会員登録できてしまうなどシステム上の不備を指摘している。

出前館をめぐっては、昨年11月に行った「1万円キャッシュバック」企画でも同様の不正が発生し、想定以上の注文を理由に早期終了していた。

不正利用には「調査の結果をもって対応を検討」

出前館の運営会社の広報は12日、J-CASTニュースの取材に、不正利用者の数は全体の1%未満だと明かした。

「不正を行った一部のユーザー様の行為でクーポンをご利用できたであろう、新規のユーザー様が利用できなかったことは遺憾です」と配布計画に支障が出たとし、不正利用者やその手口を広めた人物には「調査の結果をもって対応を検討いたします。具体的なケースにつきましては、回答出来かねますが、しかるべき対応をさせていただきます」

再発防止については、「LINEIDとの連携などで対応強化をし、サービスの改善に努めてまいります」とした。同社によれば、LINEは1つのスマートフォンに対して1アカウントのみログインできる仕様となっている。