『伊藤家の晩酌』〜第十七夜3本目/デザートワインのような濃醇さ「一ノ蔵 Madena(マデナ)」〜

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弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第十七夜は、福岡発の酒と食のセレクトショップ〈住吉酒販〉から特別ゲストを迎え、奥深い熟成酒の世界をご紹介。3本目は世界三大酒精強化ワイン「マデイラワイン」にヒントを得て生まれたというスペシャルな熟成酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

第十七夜3本目は、鳴子温泉の熱を利用して加温熟成した「一ノ蔵 Madena(マデナ)」。

宮城県大崎市の「一ノ蔵」のスペシャルな一本。鳴子温泉の温泉熱を活用して加温熟成させた、今までにない熟成酒。「一ノ蔵 Madena(マデナ)」720ml 5500円(税込・ひいな購入時価格)/株式会社一ノ蔵

父・徹也(以下、テツヤ)「これはまた高級感がすごいね。熟成酒って、普通のお酒がじゃない特別感がパッケージにもあらわれてるよね」娘・ひいな(以下、ひいな)「このお酒はね、世界三大酒精強化ワインのひとつ『マデイラワイン』の造り方を応用してお酒を造る宮城県の『一ノ蔵』のお酒になります。マデイラワインって飲んだことある?」テツヤ「ないよ」ひいな「私も。でもお父さん、ポートワイン好きじゃない? 三大酒精強化ワインはシェリー酒、ポートワイン、マデイラワインなの」テツヤ「へぇ、そうなんだ」住吉酒販 飲食事業部 部長・早乙女 彬(以下、早乙女)「このお酒は、温泉の熱を利用して加熱熟成したものなんですよ」ひいな「あの有名な鳴子温泉!」テツヤ「さっき飲んだのは氷温熟成で、今度は温泉か。やべえな日本酒! 熟成にもいろいろあるんだね」ひいな「ね。まずは飲んでみようか」

いい感じに熟成してます!化粧箱入りでギフトにも!

テツヤ「すごい色! ブランデーみたいな。本当に日本酒ですか?」早乙女「2016年のものになります」テツヤ「熟成してますねぇ。これは、やっぱりお高いんですか?」早乙女「一本5000円になります」ひいな「この間、お父さんにプレゼントしたポートワインのほうが高かったよ(笑)」テツヤ「あ、そう(笑)? 結婚25周年記念にね。想像してるのと同じ味かな?」ひいな「どうだろう? お楽しみに」

ワイングラスでいただきます。余韻を味わう父・テツヤ。

一同「乾杯〜!」テツヤ「わ、これはもうワインだな。甘い。デザートワインみたい。夕日を見ながらチルしてる感じ」ひいな「何それ(笑)」テツヤ「これは、単体でおいしいねぇ」早乙女「食後にデザートとかと合わせてぜひ飲んでもらいたいですね」

ひいな「『Madena(マデナ)』っていう名前には、3つの言葉の意味がかかってるらしくて。『丁寧な』を方言で『までな』っていうらしくて。あと『待って』も「までな」。待つ=熟成という意味だね。あとはマデイラワインをかけて名付けられたんだって」テツヤ「うまいこと合ったね」

「一ノ蔵 Madena(マデナ)」に合わせるのは、濃厚な「チーズのクリームブリュレ」!

クレームブリュレの上には柿とカカオニブをのせて。バーナーで炙ってこんがりと。

早乙女「キャラメルな味わいがこの熟成酒には合うかと思いまして、チーズのクリームブリュレにしてみました。ドライの柿を柿酢につけて戻したものとカカオニブをのせて。どちらも〈住吉酒販〉で買っていただけます」

テツヤ「カカオニブも売ってるんですか? すごいな、そんなの売ってる酒屋ほかにある?」ひいな「それが〈住吉酒販〉です!」早乙女「食のアンテナショップとして、生産者の声を伝えたいと思っていますので、お酒に合う合わないに限らずいいものを取りそろえています」ひいな「〈住吉酒販〉で売っているものに、体に悪いものがない」テツヤ「ってことは、飲み過ぎだけ注意ってことだな(笑)」ひいな「うん、そこだけだね(笑)」テツヤ「あぁ、カカオニブの苦味がいいアクセントになってますね。うまいなぁ」ひいな「おいしすぎます!」テツヤ「柿酢で戻した柿もうんまい! この熟成酒に合わないわけがない!」早乙女「熟成つながりで、うちで扱っている商品にカンボジアの熟成したハチミツがあるんですけど」

カンボジアのジャングルで採れたという「クメールハニー アンサンブル」

テツヤ「カンボジアのハチミツなんですか?」早乙女「日本人の方がカンボジアに移り住んで、現地の人と一緒に密林に入っていってハチミツを採っているんです。養蜂と違って花の旬の時期のハチミツをそのまま採って加熱処理せずに熟成させたものなんです」テツヤ「それはすごく貴重なものですね」早乙女「あともうひとつは、オリジナルで作っている塩ドーナツがあるんですが、塩味を効かせてあるのでハチミツをかけたり、オリーブオイルをかけたりしておつまみとして。この塩ドーナツは、うちの社長がシャンパーニュ地方に行った時に食べたシューサレをヒントにしたものなんです」

塩ドーナツはワインにも、日本酒にも合います。ハチミツをつけたり、オリーブオイルをつけても!

テツヤ「この塩ドーナツ、熟成酒にバッチリですね。こんなハチミツ見たことないし、食べたこともない。一体どんなお花なんだろう?」ひいな「ね。ジャングルに咲く花だから、きっと見たことない花なんだろうな」テツヤ「このハチミツとマデナだけでもいいかも」ひいな「塩と日本酒みたいな、危険な組み合わせ(笑)」

熟成酒の味わいもさまざま。鮮度が“命”といわれる日本酒の新たな広がり。

早乙女「このマデナは、日本酒にはない手法で造っているお酒なので、熟成という言葉ひとつでくくれないところがありますね」ひいな「本当にそうですよね」テツヤ「飲み比べた熟成酒3本だけでもぜんぜん違う味わいだったもんね」早乙女「今回の熟成酒のいいところは、半年くらいまではおいしく飲むことができるんですよ。開けてからもどんどん味が変わって楽しめるので」テツヤ「熟成とひとくちに言ってもいろいろだったね。氷温と常温と温熱と」早乙女「杜氏がいろんな試みをしているおもしろい蔵があるので」

テツヤ「日本酒の世界の広がり、おもしろいですね。まだまだ知らないお酒がいっぱい」早乙女「冷蔵技術のない時代は温度管理が大変でした。今は温度管理ができるようになったので、その技術を使って、新たなおいしさを引き出すための温度管理に変わってきたんですよね。マデイラワインも、もともとは赤道を通る時に温度が上がっておいしくなったことがヒントになっているそうなので」テツヤ「なるほど。大航海時代の賜物なんですね」早乙女「こうした熟成酒とはまた違った加熱処理していない生のお酒を住吉酒販で熟成させていたりもしています」テツヤ「え? 〈住吉酒販〉さんで?」早乙女「はい。それは販売していなくて、角打ち限定で飲んでいただけます」テツヤ「それは行かないと!」ひいな「今回は早乙女さんのおいしいおつまみも最高でした。毎回、遊びに来ていただけたらうれしいです(笑)」テツヤ「ひいなの助っ人として、ぜひ!」早乙女「またぜひ! ゆっくりと秋の夜長に熟成酒を味わってみていただきたいですね」テツヤ&ひいな「早乙女さん、ありがとうございました!」

次回:10月18日(日)更新予定

【ひいなのつぶやき】熟成酒の幅の広さと、合わせるものによってさらなる変化を生むということがよく分かった十七夜でした!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

【お店情報】〈住吉酒販 東京ミッドタウン日比谷店 〉住所:東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷B1F電話:03-6205-4172営業時間:11:00〜21:00休日:施設に準じるホームページ:https://sumiyoshi-sake.jp/