マンション住人のスキルや時間「アプリでシェア」は機能するか
●大阪ガス実験集合住宅「NEXT21」:近未来の都市型住宅のあり方を模索し、新商品の企画開発に生かすために1993年に建設した。68年に建設した「東豊中実験住宅」や85年に建てた「アイデアル住宅NEXT」の役割を引き継いだ。その時々の実証テーマに適した大阪ガス社員とその家族が3-5年、実際に暮らす。これまでにNEXT21での実証を経て「自動洗浄風呂」(ノーリツと共同)や「フラットコンロ」などが商品化された。また、多様な知見を得ることを目的に他業種にも実証フィールドとして提供している。直近ではNTT西日本が顔認証システムによる入退管理などを実証した。今後はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をテーマにした実証などを予定している。
「植栽の水やりをお願い」
「夏休みに家を数日空けるので玄関先の植栽の水やりをお願いできませんか」「珈琲豆を買ったらわが家にあるグラインダーで挽きますよ」―。NEXT21に暮らす住人たちの間ではこんなやりとりが交わされている。スマートフォンアプリ「グッドタイミング」を活用し、住人がスキルやモノの要望や提案を登録するとアプリ上にその内容が掲載される。それを別の住人が閲覧し、応募して条件が合うと成立する流れだ。モノやスキル、時間のシェアリングは有料で最低500円で取引する。
阪急阪神不動産の住宅事業企画部に所属する茺岡祭課長補佐は「実証実験ではシェアのやり取りが複数出てきています。高齢者単身世帯の増加など(今後の社会環境の変化)を踏まえればマンションの住人同士が困りごとを家族のように手伝い合える環境は大事。(それと親和性が高い)シェアの仕組みは欠かせないものになると思っています」と力を込める。
