広島の珍勝利呼んだ石井Cが解説 「球審が宣告してなかった。それが全て」
<h2>サヨナラインフィールドフライで“タナボタ勝利”、渦中にいた石井Cがブログで解説</h2>
4日の広島ー巨人の試合は、思わぬ幕切れとなった。
同点の9回1死満塁。広島・小窪がホームベース付近に大きな飛球を打ち上げた。捕球しにきた巨人の三塁・村田と一塁・フランシスコの両者がお見合いのような形で取り損ね、打球がグラウンドにポトリ。球審がインフィールドフライを宣告せず、フェアの判定をしたため、フランシスコはボールを拾ってホームベースを踏んだ。
直後に三塁走者の野間が本塁を駆け抜けたが、球審が本塁フォースアウトのジャッジ。これで2アウトになったかと思いきや、インフィールドフライが別の審判によって宣告されていたため、その時点で打者走者の小窪がアウト。タッチプレーが必要だった。
猛ダッシュで球審にアウトでないことをアピールしに行ったのは、広島の三塁コーチャーを務める石井琢朗コーチ。続けて緒方監督もベンチから飛び出した。アピールが実り、野間の生還が認められ、広島が3−2でサヨナラ勝利。9回126球を投げ切って2失点で完投した大瀬良に、ようやく今季初勝利がついた。
この珍サヨナラ劇の渦中にいた同コーチが、自身のブログでプレーを解説している。「今季初のサヨナラ勝ちは世にも珍しい幕切れとなりましたが、どんな勝ち方にせよ、勝ちは勝ち。何よりも大瀬良クンに勝ちをつけられたこと。それが一番ですね、今日は。なんとか大瀬良に勝たせたい! そんなチーム全員の思いが、最後は野球の神様の心を動かしてくれたのでしょう」と書きだした上で、最後のプレーについて言及した。
<h2>「野球をやっている人なら誰でも知ってる当たり前のルール」だが、なぜ混乱が生まれた?</h2>
「インフィールドフライが審判によって宣告され、打者(小窪)は、それを宣告された時点で野手が捕球しようがしまいがアウト。もし、進塁を試みた場合や離塁している場合 野手側はすべてタッチプレーになる」
まずはこのようにルールを分かりやすく説明。続けて「野球をやっている人なら誰でも知ってる当たり前のルール」とし、なぜこのようなことが起きてしまったのかを解説している。
「一番近くにいて、インフィールドフライを宣告しなくてはいけない球審がその宣告をしていなかったということ。それが全てだと思います」
野球規則上、球審が宣告しなくとも、塁審が宣告していれば、インフィールドフライは認められる。このプレーでも、三塁塁審はインフィールドフライを宣告していたため、成立していた。
しかし、ボールめがけて走った守備側の村田やフランシスコは球審しか見えていない状況。塁審が宣告したことは知る由もない。見えていた球審がフェアと判断したため、そのままプレーを続行し、本塁でフランシスコはアウトにしようとしたのだ。
村田やフランシスコだけでなく、球審のジャッジで判断したのが三塁走者の広島・野間だった。石井コーチは「インプレーということだから、三塁走者の野間も当然ホームに走る」と説明する。
<h2>「アピールに行ったのは、普通にインフィールドフライだと思ったから。それだけのこと」</h2>
インフィールドフライと認識できれば通常は三塁へ帰塁する。だが、「フェア」の判定に野間は瞬時に反応し、本塁へスタート。混乱している巨人守備陣をかいくぐり、結果的にサヨナラのホームを踏んだ。石井コーチは「相手の野手もインプレーならタッチプレーじゃなくて、フォースプレーでプレーを続行してしまったということです」と、フランシスコのプレーにも理解を示している。
もっとも、タッチアウトになってもおかしくないタイミングだったとあり、野間は決して好走塁とは言えない。球審がインフィールドフライを宣告していれば、野間は戻り、何も起きずに試合は進んでいただろう。石井コーチは「カープにとってはタナボタな勝ちですが、いずれにせよ、勝ててよかった」と振り返った。
誰もが混乱している中、石井コーチだけは冷静だったといえる。
自身の“ファインプレー“については「僕がアピールに行ったのは、普通にインフィールドフライだと思ったから。それだけのことです」と説明。巨人がタッチプレーでなく、フォースアウトを選択したこと、野間がホームベースをきちんと踏んでいたことを確認し、1点が入っていることを理解していた。そして、カープの勝利を呼んだ。
それでも、試合運びには納得いかなかったようで、サヨナラ勝ちにも「反省するところはしっかりする」。珍サヨナラ劇の“当事者”は、次戦に備えていた。

