「タクシードライバー」や「グッドフェローズ」などの名作で知られるマーティン・スコセッシ監督が、AI企業Black Forest Labsのアドバイザーに就任したことが分かりました。

Martin Scorsese × Black Forest Labs

https://bfl.ai/martin-scorsese-bfl-advisor

Martin Scorsese Supports AI Company, Using It to Storyboard Movies

https://variety.com/2026/film/news/martin-scorsese-supports-ai-company-storyboard-movies-1236765037/

Black Forest Labsは、画像生成AI「Stable Diffusion」などの開発に携わった人物らが設立した企業です。同社のAIモデル「Flux」はPhotoshop内の画像生成モデルの1つとして選ばれるなど、優れた性能を持っていることで知られています。

Stable Diffusionのオリジナル開発陣がAI企業「Black Forest Labs」を立ち上げ独自の画像生成AIモデル「Flux」をリリース - GIGAZINE



スコセッシ監督はBlack Forest Labsのアドバイザーに就任し、同社の「ビジュアルインテリジェンスの形成」を支援します。スコセッシ監督はFluxを活用して自身のアイデアを実現させつつ、人間の好み、価値観、判断力を作品の中心に据えたいと考えているとのことです。スコセッシ監督は「頭の中で思い描いたものを、キャストやスタッフにどう伝えるかという問題は常に存在してきた」と語り、その手段としてFluxを活用できるとしました。

Black Forest Labsが公開した動画では、スコセッシ監督が「グッドフェローズ」で経験した情報共有の難しさについて語っています。

Martin Scorsese x Black Forest Labs - YouTube

スコセッシ監督が「最も複雑な撮影だった」と語るのは、ナイトクラブ「コパカバーナ」に入店する主人公を映した長回しのシーン(Copacabana one-shot)です。スコセッシ監督は「一連のシーンには少なくとも10〜12個の短い場面があり、それぞれで照明の位置を決め、どのように場面転換を行うのかを物理的に考える必要があった。カメラは、主人公が特別な場所へ案内されたことを観客に伝えなければならなかった。これは映画的知性(cinematic intelligence)と呼ばれるようなもので、決して口では説明できない。感じなければならないのだ。ところが、Fluxのようなツールがあればはるかに早く問題を解決でき、生産時間を節約できるだけでなく、スタッフの負担も軽減できる」と述べました。

goodfellas Copacabana nightclub - YouTube

動画では、スコセッシ監督が思い浮かべるイメージをFluxで再現する様子も記録されています。何度か調整を繰り返して表示された画像にスコセッシ監督は「良くなってきている」などと感想を伝えています。

Black Forest Labsのウェブサイトに掲載された声明で、スコセッシ監督は「映画はまだ若いメディアであり、約125年の歴史しかないことを忘れてはならない。そのため、映画がどのように進化していくのかについてオープンな姿勢でなければならない。私は『ヒューゴの不思議な発明』で3D技術を活用し、『アイリッシュマン』では若返り技術を使用した。今ではこのツール(Flux)によって、自分が思い描いているものをプロダクションデザイナーやアートデザイナー、撮影監督といったクリエイティブチームに対して明確かつ効率的に共有できるようになった。彼らはそれを発展させ、映画的知性をさらに豊かなものにできる」と語りました。