業務中に会社から貸与されたPCを誤って落とし、破損してしまいました。「自己負担になる」と言われたのですが、本当に弁償する義務はあるのでしょうか?

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会社からパソコンやスマートフォン、タブレットなどが支給されて、仕事に使っている人は多いでしょう。   もしも、会社から貸与された機器を破損させてしまった場合、従業員は自分で弁償しなければならないのでしょうか。今回は、会社から貸与しているものの取り扱いについて、解説します。

会社から支給している備品をチェック

コロナウイルスの流行で、在宅勤務やリモートワークを導入する会社が増えた影響もあり、仕事に使うパソコンやスマートフォンを、従業員に支給している会社は多くあります。
そのほかにもタブレット端末やモバイルバッテリー、持ち運べるWi-Fiルーターなども支給しているケースもあります。さらに、会社が支給しているものとして、会社の制服や作業着、工具など仕事上で使うものや、社用車なども該当します。
このように、さまざまな備品が会社から支給されています。これらのものは、退職時に返却する必要があるので、紛失や破損させないように取り扱うことが基本です。

もしも会社支給のパソコンが壊れたら

会社が貸与しているパソコンが壊れた場合、弁償しなければいけないのか、またはお金を払う必要がないのかは、従業員に故意や過失があったかどうかを確認する必要があります。
例えば、使用期間が長くなり、経年劣化でパソコンが壊れた場合、従業員に故意や過失はありません。そのため、従業員が弁償をする必要はなく、修理費や、新しいものに買い替える費用は会社負担となります。
一方、故意ではないけれど、従業員の不注意でパソコンを落とし破損させた場合などは、会社から損害賠償を請求されるケースがあります。
ただし、全額賠償を求められることはほとんどなく、多くても4分の1~半分の金額だといわれることもありますが、負担額は一律ではなく、過失の程度や使用状況など個別の事情によって異なります。
そして、会社によっては、弁償金額や破損時のルールが社内規定で決められているケースもあるようです。

普段の仕事ぶりや態度が大切

例えば、普段から勤勉で仕事を真面目に行い、上司や部下、取引先からも評価が高い従業員の場合、会社はその従業員に長く会社で働いてほしいと思うでしょう。
もしも、その従業員のちょっとした不注意でパソコンが壊れてしまっても、会社は従業員を大切にしたいと考えているので、パソコンを全額弁償させるということは考えにくいです。
普段の仕事ぶりや態度、会社からの評価は、どんな場面でも役に立ちます。また、会社から支給されているパソコンやスマートフォンなどは、大切に扱うことが大前提となります。

給与から天引きされることはない

もしも、パソコンの弁償費として、一部自己負担が発生した場合でも、会社が一方的に給与から天引きすることはできません。その場合は、給与天引きではなく、別の形で請求されることになります。
例えば、会社の上司から「パソコンを壊した賠償金として、給与から天引きしておく」などと言われたら、労働基準法違反となり得ます。従業員の方は、自分を守るためにも、会社支給の備品を壊した場合の取り扱いについて、頭に入れておきましょう。

まとめ

会社から貸与されているパソコンなどの機器は、大切に扱うことが基本です。また、万が一会社から支給されている機器を壊してしまった場合は、上司や人事部、総務部など、担当者に速やかに報告し、どのような取り扱いになるのか確認しましょう。
破損したことを隠す、あるいは自分で修理会社に持っていくなどすると、情報漏えいのリスクも高まり危険です。誠意を持った対応をとることを心掛けましょう。
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者