境界知能の子どもをどう支援するのか…障害児支援から見えてくること
7人に1人、日本に約1700万人いるとされる「境界知能」の人たち。
言語化が苦手、仕事の段取りを覚えられない、行動がワンテンポ遅い、対人関係の距離感が極端、金銭管理ができない、ダマされやすい……困っているのに気づかれなかった人々の実態とは?
発売即重版が決まった話題書『境界知能の人たち』では、当事者を見てきた第一人者の医師が、全体像をわかりやすく解説する。
(本記事は、古荘純一『境界知能の人たち』の一部を抜粋・編集しています)
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障害のある就学児が放課後や長期休みに利用する福祉サービスで、児童福祉法に位置づけられています。
放課後等デイサービスを運営するには、法人格が必要で、株式会社や合同会社などの営利法人、一般社団法人や社会福祉法人などの非営利法人などがありますが、2012年に児童福祉法が改正されて、多くの民間企業が参入しています。
法的には「障害のある就学児」とありますが、必ずしも診断がなくてもサービスを受けることができるケースが増えています。本来であれば、日中の学校でも多様なプログラムがあってしかるべきだと考えます。
こども家庭庁が2024年7月に放課後等デイサービスガイドラインを発行しています。その中で、児童福祉法における定義を掲載しています。
放課後等デイサービスとは、学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)又は専修学校等(同法第124条に規定する専修学校及び同法第134条第1項に規定する各種学校をいう。以下同じ。)に就学している障害児(専修学校等に就学している障害児にあっては、その福祉の増進を図るため、授業の終了後又は休業日における支援の必要があると市町村長(特別区の区長を含む。)が認める者に限る。)につき、授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な支援、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう(第6条の2の2第3項)。
「障害児」を対象としていますが、以降の記載で、障害特性に応じた配慮事項についての記載があります。
そこで具体的に挙げられている障害は、「視覚障害」「聴覚障害」「知的障害」「発達障害」「精神的に強い不安や緊張を示すこども」「場面緘黙」「医療的ケアが必要なこども」「重症心身障害」「複数の種類の障害」「知的障害と発達障害」「高次脳機能障害」などです。
この中で、「場面緘黙」「精神的に強い不安や緊張を示すこども」は現在福祉手帳の対象疾患には含まれませんが、症状により日常生活や社会生活に支障がある場合は、精神障害者保健福祉手帳の申請が可能です。ただしここにも「境界知能」という記載はありません。
また、「障害の特性だけで捉えられることばかりではないため、この内容だけにとらわれることなく、こどもの状態像の把握とアセスメントを行った上で、必要な配慮を行うことが必要である」とも書かれています。
必ずしも「障害」と診断されていなくても、子どもの状態像の把握と評価を行った上で、必要な配慮を行うこと--この部分は多くの境界知能の子どもに該当することではないかと考えます。
実際学校の授業で困難さをかかえる子どもにも利用できるサービスだと考えています。
さらに「日本に1700万人いるとされる「境界知能」の人たち…当事者を見てきた医師が明かす「その実態」」では、7人に1人いるとされ、知的障害と平均値のボーダーにある境界知能の実態に迫っていく。
