海外サーバー&警察不祥事サイトで警察に反逆した「ハイテクヤクザ」工藤會の”悲惨な結末”

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かつて20万人もの構成員を擁した暴力団。

覚せい剤の輸入や賭博、みかじめ料の徴収で莫大な収益を上げ、1980年代の年間収入は推計8兆円に達したと言われる。だが平成に入って以降、暴対法の制定や警察の行き過ぎた捜査、メディアによる批判的な報道が原因となり、暴力団は衰退の一途をたどってきた。   

では、暴力団が社会から消えていくことは、我々一般国民にとって「良いこと」だけなのだろうか?しばし「必要悪」として語られてきた“やくざ”の実態を、『やくざは本当に「必要悪」だったのか』より一部抜粋・再編集してお届けする。

【前編を読む】「警察がその気になれば暴力団なんて簡単につぶせる」…メンツを潰された警察がメディアと共謀して乗り出した「強引捜査」

警察は本来の目的を忘れていないか?

こうした捜査手法を認めたくはないが、一つだけ指摘しておきたいことがある。警察庁における暴力団中の主要敵がいつの間にかスイッチしている点である。

数年前、当時の警察庁・安藤隆春長官は「弘道会の弱体化なくして山口組の弱体化はなく、山口組の弱体化なくして暴力団の弱体化はない」と言った。山口組の主流、名古屋に本拠を置く弘道会がそのころ目の仇にされたわけだが、それが北九州市に盤踞する工藤會に変わった。

警察庁に聞いてみたいものだ。弘道会はすでに一丁上がりになったのか。警察の言うことを聞く、聞き分けのいい暴力団に変わったのか、と。弘道会による山口組支配はますます強まっている。東京への進出も終わっていない。

ハイテクだった工藤會

工藤會は暴力的な反面、高度にITを使いこなした暴力団だった。本部の近くに別棟の事務局室があり、そこで日常的な業務が行われる。全組員への通達には各自が所有するスマホのメールが使われる。事務局から一斉送信されるのだ。

警察が事務局を家宅捜索するかもしれない。そのための防備として海外にサーバーを置き、一瞬で事務局の全データを消すことができる。家宅捜索が終われば、瞬時に海外のサーバーからデータを復旧できる。暴力団の中では非常に進んでいた。

たとえば一時期、組名を出さずに「ぽりすニュース」というサイトを立てていた。2011年からネット上で警察庁以下、全国47都道府県警察の不祥事ニュースばかりを各地方紙などの記事を転載する形で掲載していた。アーカイブも備え、地域別、月別に過去のニュースも参照できるサイトだった。

また2012年8月、中東のテレビ局アルジャジーラが工藤會を取材、撮影した1時間番組(英語版)を放映し、同時にその番組をユーチューブにアップしたことがある。工藤會はその番組をダウンロードして、わざわざ日本語の字幕を付けた上でユーチューブに再アップロードして日本人の便に供した。英語版からわずか2〜3日後のことである。

さらにユーチューブで「工藤會対福岡県警」という動画も投稿し、警官が工藤會組員にやみくもな職務質問をする様子を映像と音声で伝えた。

だが、こうした工藤會のデジタル上の防備も虚しく、工藤會は落城寸前まで追い詰められている。

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