人気女性デュオ「花*花」のおのまきこさん(左)とこじまいづみさん(提供写真)

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【私の人生を変えた一曲】

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 人気女性デュオ「花*花」
 おのまきこさん(49歳)/こじまいづみさん(50歳)

「あ〜よかった」で紅白出場経験もある人気女性デュオ「花*花」は、専門学校時代からの仲。人生を変えた一曲も同じで、ゴスペルの名曲「アメイジング・グレイス」だという。デビュー26年の2人がやりたいことも語ってくれた。

  ◇  ◇  ◇

 ──この一曲に思い出があるんですね。

おの 初めて一緒に演奏した曲なんです。神戸にある音楽の専門学校に入ってすぐに2泊3日の合宿のようなことがあってね。

こじま フェリーで小豆島へ行ったんだよね。懐かしいなあ。

おの スタジオ付きのペンションみたいなところで、何人かで何でもいいから一曲セッションして披露する時間があったんです。いづみさんとちゃんと話をしたのがその時初めて。兵庫の高砂市と出身が同じで意気投合して「じゃ何かやろう」となり、いづみさんが「アメイジング・グレイスならすぐできるんじゃないか」と提案してくれました。

こじま 私はそれまでゴスペルをやっていたので提案したんです。演奏したのは私とまきちゃんだけじゃなかったんやないかな。

おの ピアノの生徒がもう1人いたけど、コードが読めないと離脱してギターの先生が加わって弾いてくれたんだよ。私がピアノでいづみさんが歌。

こじま そうそう。よく覚えてるね(笑)。

おの その時、いづみさんの歌声にガーンと頭を殴られたような衝撃を受けました。「何だ、この人は」と。強烈やったね。

こじま この曲は聖歌隊とかで普通に歌われる曲ですけど、私は1972年のアレサ・フランクリンの歌唱を死ぬほど聴いたんです。だから、カッチリした歌い方ではなくてフェイク(※メロディー、リズムを崩して歌う)したと思います。

■仲よくなってからは毎日一緒に登下校、デュオ結成へ

 ──世界でもっとも愛唱されている賛美歌。アレサ・フランクリンの歌う「アメイジング・グレイス」は72年にロサンゼルスの教会で録音され、ゴスペル史上最大のヒットとなったライブ・アルバム。2018年にはドキュメンタリー映画化された。

こじま 音楽の専門学校に行くきっかけになったのもこの一曲。キレイな賛美歌ではない、アレサの「アメイジング・グレイス」を聴いて「アレサみたいになりたい!」と思っていたんです。だから大きな一曲。まきちゃんと知り合ったばかりの頃から「私はアレサみたいになるから」とずっと言っていました(笑)。強い憧れを持っていましたから。

おの 仲よくなってからは毎日一緒に登下校。家が近かったので、どちらかの部屋に行ってはいろんな曲のカバーをやり始めました。それが95年からかな。2年の時に曲を作り始め、学生のうちに月に1回のライブをスタートさせて、98年にはインディーズでCDを出しています。合宿で一緒に「アメイジング・グレイス」をやってなかったら仲よくなっていなかったかもしれないし、仲よくなっても、もっと後やったと思うから、人生を決めた一曲。

 ──2000年にはメジャーデビューして「あ〜よかった」などがヒット。そして今年はデビューから26年目。

おの 専門学校時代を入れると、30年を超えてきて、まさかこんなに長く一緒にやっているとは思わんかった。私たちは最初も「結成しよう」とか「これからやっていこう」という話をしたことがなく、フワッと今までやってきました。なので正確な結成日がわからない(笑)。一応「アメイジング・グレイス」を一緒にやった95年を結成年にしています。

こじま 去年の25周年の時にみなさんから「四半世紀ってすごいね」と言われて、すごく重みを感じました。ちっちゃい船に2人で乗ってオール2本でこぎ始めていたら、いろんな人が乗ってきてくれたり、転覆しかけたらいろんな方に助けていただいて。よくも悪くも2人とも欲がなくて、ライブに来た人が喜んでほしいという考え方はまったく変わってなくて、そこがええなと。バンドだと意見の相違とかあって当たり前なのに、それがまったくなかったのがよかった。最近は「憧れます」と言ってくれる後輩もちょっとできたり「心の支えにしてました」と言ってくださる若い方もおって、歩幅を変えずにやってきたことで、憧れてもらえることもあるのかなと思います。

■3月にサンミュージックに移籍。これからは劇伴をやってみたい

 ──3月にサンミュージックに移籍。これからやりたいことは?

おの 「劇伴(映画、アニメ、舞台などの劇中伴奏音楽)やりたいね」と2人で話しています。前にお芝居の音楽や映画の主題歌を書き下ろししたのですが、すごく楽しくて。

こじま 2人で作る音楽はもちろん軸ですけど、それと別に映画や舞台の作品のプロジェクトとして関わりたい。大きなチームの音楽担当。

おの それも、自分たちが歌わないインストゥルメンタルな音楽もやりたい。前に私たちが歌っていない楽曲を提供する機会があったんですが、ミュージシャンの友だちが「花*花っぽい曲だ」と気づいてくれたんですよ。

こじま 26年やってきて、花*花のカラーがわかってもらえていると思うので、インストゥルメンタル含め、自分たちのテイストでもっと作ってみたい。サンミュージックは大きい事務所ですし、いろんなジャンルの方と作りたい。芸人さんの単独ライブのBGMも作りますよ。

おの 異業種交流(笑)。おもろいと思います。

(聞き手=松野大介)

▽こじま・いづみ 1976年4月生まれ。
▽おの・まきこ 1976年11月生まれ。
 ともに兵庫県高砂市出身。1995年に「花*花」結成。インディーズを経て2000年に「あ〜よかった」「さよなら大好きな人」がチャートトップ10入り。2024年に初のカバーアルバム発売。