安静時にも胸が痛むのは「心臓疾患」or「肋間神経痛」?【医師解説】
肋間神経痛と心臓疾患を正確に鑑別するためには詳しい問診と身体診察、必要に応じた検査が大変重要です。医師は痛みの性質や部位、随伴症状、痛みを誘発する動作などを詳しく聞き取り、総合的に判断します。鑑別診断の過程を理解することで、受診時に必要な情報を正確に伝えることができます。ここでは問診で重視される情報と、身体診察と画像検査の役割について説明します。
監修医師:
松繁 治(医師)
岡山大学医学部卒業 / 現在は新東京病院勤務 / 専門は整形外科、脊椎外科
主な研究内容・論文
ガイドワイヤーを用いない経皮的椎弓根スクリュー(PPS)刺入法とその長期成績
著書
保有免許・資格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
日本整形外科学会認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医
肋間神経痛と心臓疾患の鑑別診断
肋間神経痛と心臓疾患を正確に鑑別するためには、詳しい問診と身体診察、必要に応じた検査が重要です。医師は痛みの性質や部位、随伴症状、痛みを誘発する動作などを詳しく聞き取り、総合的に判断します。鑑別診断の過程を理解することで、受診時に必要な情報を正確に伝えることができます。
問診で重視される情報
医師は問診で、痛みがいつから始まったか、どのような性質の痛みか、どこに痛みがあるか、痛みを強める動作や姿勢はあるか、随伴症状はあるかなどを詳しく聞き取ります。肋間神経痛では、体を動かしたり呼吸したりすることで痛みが増す、特定の部位を押すと痛む、痛みが帯状に広がるなどの特徴が重要な情報となります。一方、心臓疾患では、安静時にも痛みがある、運動や階段の上り下りで痛みが増す、痛みが広範囲に広がる、息切れや動悸を伴うなどの情報が診断の手がかりになります。これらの情報を正確に伝えることで、診断の精度が高まります。
身体診察と画像検査の役割
問診の後、医師は身体診察で胸部を触診し、痛みの部位を確認します。特に痛みが肋骨に沿っているかどうかを確認します心音や呼吸音を聴診し、心臓や肺に異常がないかを確認します。身体診察で肋間神経痛が疑われる場合でも、心臓疾患を完全に否定するために心電図検査や血液検査が行われることがあります。画像検査では、胸部レントゲンやCT検査で肋骨骨折や肺の病変、脊椎の異常などを確認し、痛みの原因を特定します。総合的な診察と検査によって、正確な診断が可能となります。
まとめ
肋間神経痛は肋骨に沿って走る神経が刺激されることで生じる痛みで、胸部や脇腹に帯状の鋭い痛みが現れるのが特徴です。痛みは片側に限定されることが多く、呼吸や体をひねる動作で増強します。心臓疾患との見分け方としては、痛みの性質や部位、随伴症状を注意深く観察することが重要です。胸痛に加えて呼吸困難や冷や汗などの全身症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。肋間神経痛が疑われる場合でも、痛みが長引く場合や生活に支障をきたす場合は、専門医による診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
参考文献
日本整形外科学会「強直性脊椎炎」
