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北海道にある私立高校の講師だった男性から在学中に性被害を受けたとして、元生徒の女性が損害賠償を求めた訴訟をめぐり、2人が在籍していた高校は3月3日までに公式サイトで声明を公開した。同校は「性加害や人権侵害は絶対に許されるものではありません」と強調している。

●判決は講師に1100万円の支払い命令、学校法人の責任は否定

札幌地裁は2月20日、北海道芸術高校札幌サテライトキャンパスで講師をつとめていた男性(50代)から性被害を受けたとして、元生徒の女性(20代)が男性と学校法人に対し、約1980万円の損害賠償を求めた訴訟で、男性に1100万円の支払いを命じた。一方、学校法人に対する請求は棄却した。

北海道芸術高校は3月3日までに公式サイトで「訴訟の経緯と認定事実について」と題する声明を発表した。

声明によると、同校が問題を把握したのは2020年2月4日。警察から「講師が青少年育成条例違反の捜査対象となっている」との説明を受けたという。講師に事実確認をおこなったところ、重大な契約違反が判明したため、契約を解除したとしている。その後、裁判を通じて、講師による不法行為を把握したという。

札幌地裁は学校側の使用者責任を認めなかったが、同校は声明で、講師が生徒の指導にあたっていた事実に触れ、教育機関として「極めて重く受け止めております」「心身に大きな負担を受けた生徒の心情を慮り、学校として真摯に向き合ってまります」としている。

●講師は児童ポルノ禁止法違反で罰金刑

札幌地裁の事実認定によると、講師だった男性は2020年2月、原告女性の姿態を撮影してデータを保存したとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の罪で罰金30万円の略式命令を受け、確定している。また、漫画家として活動していたとされる。

小学館が運営する漫画アプリ「マンガワン」の編集部は2月27日、公式声明で『常人仮面』の原作者が2020年に逮捕・略式起訴されていたことに言及し、「本来であれば原作者として起用すべきではありませんでした」として、被害者や読者、関係者に謝罪している。

小学館も2月28日、『常人仮面』の原作者起用をめぐって重大な瑕疵があったとして謝罪。弁護士を加えた調査委員会を設置する方針を示した。複数の漫画家がマンガワンの配信を停止するなど出版業界にも波紋が広がっている。

【「訴訟の経緯と認定事実について」と題した高校の声明全文】

2026年2月20日、札幌地方裁判所において、本件に関する判決が言い渡されましたので、経緯と裁判所による認定事実をご報告申し上げます。本件は当時在籍していた講師による不法行為と学校の使用者責任を問われた訴訟でした。

2020年2月4日、北海道芸術高等学校札幌サテライトキャンパスに生活安全課の警察の方2名が本校の校長を訪ねてこられ、当該講師の出講状況、講師料支払調書、講師契約書等の提示の求めと、当該講師が青少年育成条例の捜査対象となっている旨の説明がありました。翌日、当該講師に事実確認を行ったところ、本校との講師契約における重大な契約違反が判明したため、契約を解除いたしました。

その後、裁判を通して、該当講師による不法行為を把握することとなりましたが、性加害や人権侵害は絶対に許されるものではありません。

また、学校の使用者責任の成否につきましては、裁判所から学校の責任は認められないとの認定事実はありましたが、講師として本校に属し、生徒の指導にあたっていたことは事実であり、教育機関として極めて重く受け止めております。本件により心身に大きな負担を受けた生徒の心情を深く慮り、学校として真摯に向き合ってまいります。

本校は、生徒の安全と安心を守ることを最優先とし、これまでも再発防止策を講じてまいりましたが、今回の事案を重く受け止め、今後も教職員および講師への指導強化、生徒相談体制の充実、校内での情報共有およびリスク管理の徹底など、再発防止に向けた取り組みを継続してまいります。これらの取り組みを通じ、皆様に安心して教育を受けていただける環境づくりを一層進めてまいります。

北海道芸術高等学校 校長 桧物 聖