虐待、中退、自殺願望を乗り越え、、、「最高な人生」少年時代ホームレスを経験したマジシャン(26)が始めた「恩返し」とは【マジシャン、元ホームレス 第6話/全6話】
マジシャンは、元「ホームレス」その壮絶な半生
親族から受けた虐待、非行、そして自殺願望、、、壮絶な幼少期~思春期を乗り越え、今はマジシャンとして活躍する男性がいます。
【画像を見る】被災地で立ち尽くす18歳の金関さん 恩返しのマジックをする26歳の金関さん
岡山市出身の金関拓海さん(旧姓・現在は空先拓海さん【画像①】)、取材当時26歳でした。
全てに自暴自棄だった10代半ば。ホームレスとして橋の下で1年間暮らしていた時期もありました。いったいどのようにして苦境を克服し、マジシャンとしての道を歩むようになったのか。。。
【第1話】「虐待、非行、自殺願望...人生は変えることができる」
【第2話】「革靴で顔を蹴られ...すべては“10年にわたる虐待”から始まった」
【第3話】「万引き・暴走...自暴自棄な1年間『死ぬのは怖くない』」
【第4話】「人生間違えることがある、間違えることも大事」
【第5話】「『命を投げ出そうとする方へ...』伝えたい『生きる喜び』」
移住先・福島でもマジックで魅了
福島県郡山市。金関さんが岡山から移住して半年が経ちました。今は郡山のマジックバーを拠点に東北各地で活動しています。
すでに金関さんは、岡山から遠く福島でも評判となっていました。
(金関 拓海さん)
「僕、岡山県から来たんですけど、福島も岡山も有名だと思いますけと、こないだ子ども会でマジックやって、これ【画像④】何のマークでしょって、、、子どもたちからは『桃!』って言われました」
「岡山は桃太郎で有名ですね、これ桃ではなく『ハート』のマークです」
「例えば、9のカードが4つありまして、よかったら手をパーで出してください。はい、OKです。このままでお願いします。(カードを渡して)このマーク、分かりますか?」
(お客さん)
「ハート」【画像⑤】
(金関 拓海さん)
「正解ですね。このカードは持っていてください。残り3枚ありますが、このマークは?」
(お客さん)
「ダイヤ【画像⑥】」
(金関 拓海さん)
「そうすると、僕の手に残ってるのって何色のマークでしたっけ?」
(お客さん)
「黒?」
(金関 拓海さん)
「ではこうしたら?(指を鳴らす金関さん)【画像⑦】」
(お客さん)
「黒?」
(金関 拓海さん)
「いまおまじない掛けたんで、僕の持っているカードは赤です。お客さんの手元のカードをめくってみてください」
(お客さん)
「えー?!黒だ【画像⑧】!!なんでなんで?」
(金関 拓海さん)
「ちなみにこれトランプ見て頂けば分かりますが、カードに細工などをしてない。。。」
(お客さん)
「ヤバい!眼鏡にライトが付いた!【画像⑨⑩】」
(金関 拓海さん)
「岡山の眼鏡、ライトくらいつきますから。岡山はいいところでございますから、よかったら岡山に遊びに来てくださいませ」
なぜ「成功を収めた地」岡山を離れ、福島へ?
岡山でのキャリアを全てリセットし、福島に単身で乗り込んできた金関さん。福島でも、巧みなトークと華麗なテクニックで人々を魅了します。
その合間に、ステージに女性客を招く金関さん。「プレゼントです」と紙袋を渡しました。
(金関 拓海さん)
「前に来て、正面向いて、皆さんに見えるように、大きく口を開けて」
口を大きく開ける女性客【画像⑫】。
(金関 拓海さん)
「ごめんなさい、『袋の口』です。ごめんなさい。日本語はちょっと難しいですね。言葉が足りなかったと思います、ごめんなさいねぇ~。本当にすいません」
大笑いする女性、会場も大きな笑いに包まれます【画像⑬】。
既に店の看板マジシャンとして 常連客たちの心をがっちりとつかんでいます。
(店長 根本葵梨花さん【画像⑭】)
「リアルに助けていただいています。『自分が楽しくなきゃ周りも楽しくない』というのが一番伝わっていると思います。郡山になくてはならない存在です」
(常連客)
「すごい。このお年では、同じ年齢の人と比べて比較にならない勉強量と知識量。話していつも学ばせてもらっています」
岡山にいれば安泰だったかも知れない、マジシャン人生。それでもあえて福島への移住を選びました。金関さんの中で果たさなければならない、思いがあったからです。
(金関 拓海さん)
「8年前に復興支援で来たときに、『岡山で一番になったら東北に来る』と約束をしていたんで、福島の方に教えていただいて、僕が次はたくさんの方を幸せに、笑顔にする番だと」
被災地・東北の人たちとの「約束」とは?
親族の虐待から助けられ、18歳でマジシャンの道を歩み始めた金関さん【画像⑯】。当時起こった東日本大震災に心を痛め、マジックで被災者を励ましたいと東北へ向かいました。
しかし、目の前に広がっていたのは 人々の命と生活を奪った津波の爪痕。18歳の駆け出しのマジシャンは、被災地でただ立ち尽くすことしか出来ませんでした【画像⑰】。
原発事故で、帰還困難区域の残っていた、福島県の沿岸部。年月を経たこの時(2020年)も、生まれ育った町に還れない人たちは数多くいました。
かつて巡ったこのような被災地で、金関さんは励ますつもりの被災者に、逆に「頑張れよ」と励まされました。その言葉に、当時まだ虐待のトラウマを抱えていた金関さんは、救われたといいます。
(金関 拓海さん)
「その当時は、いろんなことで心がいっぱいいっぱいで、すぐに落ちてしまっていたが、それって起きている現状じゃないですか」
「東北の人たちは、自分の行動関係なしに無条件に、土地や友達、仲間を失わないといけないという」
「そういう意味で、『こんなことで悩んでられないなと』思うようになったのが、東北の地域に学ばせて頂いたことで」
「恩返しというか、回ったところで現地の方々に、笑いや驚きなどエンターテイメントをしたいというのがあります」
東北で「恩返しのマジックショー」を
いつか被災地で恩返しのマジックショーをするために・・・今は福島県内の経営者たちのもとを訪ね、まずは東北で求められるマジシャンを目指しています。
移住して半年がたち、多くの出張マジックショーに呼ばれるようになりました。
(金関 拓海さん)
「私、マジシャン・拓海と申します。お手持ちの携帯やカメラ等での撮影は、皆さま、誠に申し訳ございません・・・」
「全然OKとなっておりますので、バシバシ撮って頂いて、必ずフェイスブック、インスタグラムに上げて頂いて、福島・拓海・ナウ・ハッシュタグ、とよろしくお願い致します!」
訪れた経営者とともに、ステージ上で2人でマジックをする金関さん。2人でテーブルクロスを持ち上げると。。。なんとテーブルごと宙に浮きました【画像㉓】。
老若男女問わず、誰でもマジックと軽妙なトークでで笑顔にできるのが、金関さんの魅力です。
(金関 拓海さん)
「マジックを通して、沢山の方に笑顔を届けられたらなと思いますので、呼んで頂けたらと思います」
「マジックで呼ばれるのか結構多いのが、時期的に12月ですと忘年会、年が明けると新年会、あと一番多いのが、結婚式、あとお葬式(一同笑)。どんなイベントでも結構ですので、ぜひ呼んで頂けたらと思います」
(経営者)
「こういうイベントを結構やってて、もしあれならあまりマジックを見たことがないので、皆さんに見せてあげたいなと」
「同窓会でもいいですか?とても楽しかったです」
(金関 拓海さん)
「ゆっくりではあるけど、進んでいっているのがうれしくて。求めていただけることに感謝しながら、一回一回全身全霊でマジックをしていきたい」
求められる喜びを感じながら「最高な人生」
東北で、着実に一歩一歩前に進む金関さん。福島を拠点にしながら、今は全国各地も駆け巡っています。
この日は、広島県江田島市で行われる、小学校の「2分の1成人式」への出演依頼。求められる限りは、どこへでも駆け付けます【画像㉘㉙】。
小学生たちは、この日を楽しみにしていました。
ステージ上で最後に披露されたのは、新聞を使ったマジック。手元の新聞紙を半分に、さらに半分に破っていきます【画像㉚㉛】。
枚数が増え、分厚く重ねた新聞紙を折り畳み、金関さんがフーッと息を吹きかけます【画像㉜】。
すると・・・破れて何枚にもなっていたはずの新聞紙が一枚の新聞紙に!開いた新聞紙には、文字が書いてありました。その文字は「祝・1/2成人」【画像㉝】。
(金関 拓海さん)
「1/2成人おめでとうございます!」
拍手が起こる会場、子どもたちも「なんで?!」と首を傾げながらも喜んでいました【画像㉞】。
「最高な人生」そう思える理由とは
これまでの負の経験も、全て自分の糧にして、金関さんは突き進みます。
(金関 拓海さん)
「最高な人生です。こういう経験をしたからこそ、普通の人とは違うことが語れて・・・」
「『今までの経験はすべてよかったのでは』と思えるようになった。僕みたいな人や子ども、大人、、、今つらい人たちを救えるような言葉とか考えが、もっと出来たらいいなと」
人生は変われる、変えることが出来る・・・ 孤独だった少年は、今たくさんの友人に囲まれ、いつしか「多くの人に求められる存在」になりました。
元ホームレス、現マジシャン、金関拓海、26歳。これから先の未来に多くの可能性を秘めながら、言葉とマジックで多くの人たちを励まし続けます。
【第1話】「虐待、非行、自殺願望...人生は変えることができる」
【第2話】「革靴で顔を蹴られ...すべては“10年にわたる虐待”から始まった」
【第3話】「万引き・暴走...自暴自棄な1年間『死ぬのは怖くない』」
【第4話】「人生間違えることがある、間違えることも大事」
【第5話】「『命を投げ出そうとする方へ...』伝えたい『生きる喜び』」

