これは搭乗時から明らかに”違う”!

その名も「ANAグリーンジェット」

 ANAが10月5日から定期便へ投入する、緑色のANA機「ANA Green Jet(ANAグリーンジェット)」。二色の青が入った尾翼デザインを長年採用してきた同社のなかで、異彩を放つ尾翼緑色のデザインがあしらわれているのが特徴的な特別塗装機です。実は外装ももちろんのこと、機内も同機独自のものとなっています。この内装が3日に報道陣にむけ、公開されました。


報道陣に公開された「ANAグリーンジェット」(2022年10月3日、乗りものニュース編集部撮影)。

「ANAグリーンジェット」はANAグループが持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し立ち上げたプロジェクト「ANA Future Promise」の取り組みをアピールするもの。同社はこのデザインを「環境の概念を表現する『水と緑』をモチーフとした」としています。

 胴体にはANAのコーポレートカラーである青、そして緑の2色で、波線状のラインが引かれ、これらが入り交じるように描かれています。機体左側には「ANA Future Promise」と葉のモチーフのライン、右側には「SAF Flight Initiative」の文字とロゴと水のモチーフのラインが描かれており、左右の非対称のデザインが特徴です。また外装には、CO2排出量削減に向けた取り組みの第一弾とし「サメ肌効果」が期待されるリブレット技術を用いたフィルムを、ニコンの技術協力のもと新導入し、効果を検証します。この取り組みは、国内の航空会社では初とのことです。

 このように外装にさまざまな工夫が凝らされた「ANAグリーンジェット」ですが、その内装も特別なものとなっています。

「ANAグリーンジェット」の機内、めっちゃサステナブル!

「ANAグリーンジェット」の機内のヘッドレストカバーには、東レと、青森県発のベンチャー企業appcycle社の2社がそれぞれ開発したヴィーガンレザーを使用したヘッドレストカバー(植物由来の成分を使用した人工皮革)を世界の航空会社に先がけ導入。appcycle社のものは、青森県産のりんごで作ったジュースの搾りかすを使用しているそうです。

 ヘッドレストカバーには、環境への取り組みはもちろんのこと、地方のベンチャー企業の製品を使用することで、地域創生に貢献するという狙いもあるそうです。このほか、CAのエプロンにも特別仕様のものを採用します。


報道陣に公開された「ANAグリーンジェット」(2022年10月3日、乗りものニュース編集部撮影)。

 また、同機の搭乗時のBGMには、自然を想像できる特別なものを採用。機内の照明も、緑系統のオリジナルカラーのものを導入し、サステナブルなフライトを視覚、聴覚上からも体感できる取り組みを進めます。

 今回披露された「ANAグリーンジェット」はボーイング787-9国際線仕様機「JA781A」。5日の22時55分発、サンフランシスコ行きのNH108便でデビューする予定の機体で、欧米路線を中心に投入されます。このほか11月からは、787-8国内線仕様機「JA874A」も同様の塗装に塗り替えられ、国内・国際の両路線で中長期的にこの塗装で運用されるとのことです。この特別機の就航を皮切りにANAでは、機内サービスや運航オペレーションの面で、さまざまなサステナブルな取り組みを進めていくとしています。