CBCのスポーツアナウンサー江田亮がスポーツの豆知識を紹介する『多田しげおの気分爽快!!朝からP•O•N』「スポーツの小枝」。9月28日の放送で紹介したのは「綱引き」。小学校独特の遊戯だと思っていたら大間違い。大変奥深いスポーツだったのです。

綱引きの起源

日本では昔から五穀豊穣や吉凶を占う儀式として行われていた綱引きですが、起源はどこにあるのでしょうか?

江田「紀元前2500年頃のエジプトのサッカラ古墳に、綱を引っ張っているような壁画があります」

やがて紀元前500年ごろには、ギリシャでスポーツや体力訓練として行われるようになったそうです。

日本では飛鳥・奈良時代の貴族の遊び(蹴鞠など)のひとつだったものが、鎌倉・室町時代になって庶民に普及していったようです。
 

世界統一ルール

海外ではスポーツとして親しまれています。

江田「綱引きは英語でTug of War(タッグ・オブ・ウォー)とカッコいい感じの名前。Tug of War International Federationという国際綱引連盟があります。略してTWIF」

スポーツ競技としての綱引きは国際綱引連盟で統一ルールが決められており、世界選手権もあります。
1チーム、8人。8人の合計体重によって、400キロ以下から無差別級まで12階級に分かれています。

階級の名前はフライ級とかバンタム級というボクシングのような感じです。時間制限はなく、直系10センチほど、長さ36メートルの綱を、8人ずつで引き合って、4メートル引き込んだ方が勝ち。

時間制限がないので、世界大会レベルで、8人同士の力が拮抗していると、なかなか動かないこともあるんだそうです。
 

オリンピック競技だった

実は近代オリンピックの最初の頃に競技として行われていました。

綱引きがオリンピックの正式競技に採用されたのは第2回パリ大会から。この時は6人制でした。1920年の第7回アントワープ大会まで続きましたが、オリンピックの拡大化を懸念したオリンピック委員会により仕分けの対象に。

当時は国際的な統括組織がなかったため仕分けされたようですが、記録によればかなり見応えのある競技だったそうです。

江田「それが途絶えて、復活させたいという動きがあるみたいです」
 

綱引き強豪国

1991年から「世界インドア綱引選手権」が毎年行われています。
強豪国はイングランド、アイルランド、スコットランドで、いずれもラグビーの強い国です。身体が屈強な人が多いのでしょうか。

日本ではどうでしょうか?

江田「日本男子は強くないんですけど、女子は結構強い。世界一を何回か獲ったことがあるんですよ。最近は中国が強いのと、コロナ禍なので、日本が世界大会に参加してないという現状があります」
 

掛け声はなぜオーエス?

日本中で綱引きの掛け声として一番使われているのが「オーエス」です。

江田「私も『オーエス』って言って引っ張ってたんですけど。これ意味があって、諸説あるんですが、フランス語らしいです」

「オーエス」の由来はポルトガル語、スペイン語など諸説ありますが、その内の一つがフランス語起源説。

「オー」は「さあ」、「イス」は「引っ張れ」。
フランス語で「さあ引っ張れ」と言う意味の「オーイス」が、日本人の耳には「オーエス」と聞こえたというものです。

日本におけるスポーツ競技としての歴史は、明治初期にイギリス人が指導したことで始まりました。
外国人チームとの交流も行われたそうで、ここでフランス人の掛け声を聞いた人が「オーエス」を広めた可能性もあります。
 

ご当地掛け声

「オーエス」以外にもご当地掛け声がありました。

江田「調べますと『オーエス、オーエス』が一番多いみたいですが、次に『よいしょ、よいしょ』。これが福島、富山、長野、岐阜、三重、滋賀、奈良、和歌山、山口、大分と統一性は全くないんですけど」

特殊なのは高知と宮崎です。
高知は「さー、うん。さー、うん」、宮崎は「えい、えい、えいさー」と引くそうですが、リズム感がちょっと違います。

その理由は不明のようですが、地域ごとに異なる綱引きの歴史があり、太古の時代から綱引きが自然発生的に行われてきたとも言えます。
綱引きを調べると奥深いものがありそうです。
 

綱引き必勝法

綱引きを制するには、ただ力が強いだけでは駄目なようで、コツがあるそうです。

江田「基本は脇を締めて、右利きの人は綱の左側に立って、綱が右に来るように引っ張った方が力が出るそうです。左利きの人は左に綱が来るようにして引っ張るといいそうです」

身長差による並び方もポイント。前から高い人を並べて、一番後ろが小さくなるように並ぶほうがいいそうです。

理由は大きい人、小さい人、バラバラに並ぶと、縄を持つ位置もバラバラになります。この凸凹が力を分散させるわけです。綱を持つ位置が一直線になっていると、弾く力が綱にロスがなく伝わるそうです。

江田「この並び方を注意するだけで結構違うと思います」

ぜひ運動会の綱引きで試してみましょう。 
(尾関) 
 

多田しげおの気分爽快!!〜朝からP・O・N
2021年09月28日07時42分〜抜粋(Radikoタイムフリー)