恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。

仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。

しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。

どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

今回は仲は良いのにレスになった原因とは?という宿題を出していた。

あなたはこの宿題が解けただろうか?




「悟史、そろそろどう?」

酒に酔って帰宅し、ゴロンとベッドに寝転がると、背後から絵美がそっと僕に近づいてきた。

「ごめん、今夜は疲れていて」

そう返事をして、寝たフリをしながらも、最近はこうやって求められるのが本当にストレスになっていた。

絵美の言いたいこと、そして僕たちが冷め切った関係になってしまった原因は、分かっている。

絵美と最後に抱き合ったのは、いつだっただろうか。

もはやそれさえも思い出せない。

交際して、早2年。

いつからか、僕は絵美に触れなくなっていった。そして時間が空けば空くほど、僕たちの距離はどんどん開いていったのだ。


レスになったキッカケとは?どの段階で解決しておけば良かったの・・・?


解説1:いつの間にか、彼女から“身内”になっていた


絵美と出会ったのは、2年ほど前のことだ。当時秘書をしていた絵美はとても美しく、僕は彼女の美貌に一目惚れした。

-こんな人と、付き合えたら嬉しいなぁ。

純粋にそう思った。そして僕の方からグイグイとアプローチをし、交際にこぎつけたのだ。

全てが順調で、僕は彼女の美しくて聡明なところに心底惚れていた。

「やっぱり絵美は最高だな」
「そう?嬉しい」

ある晩、抱き合いながらこんな会話をしたことを覚えている。

絵美は28歳で、僕は33歳だった。僕たちは会う度に求め合い、そして抱き合っていた。

しかし現実は残酷で、そんな“男女のハイモード”は、永遠には続かなかったのだ。




交際してから1年くらい経った頃。気がつけば、絵美はほぼ毎晩僕の家にいるようになっていた。

そんな関係にしびれを切らしたのか、ご飯を食卓に並べながら、彼女は同棲のオファーをしてきた。

だけど、僕は一瞬うろたえてしまった。

「ねぇ悟史。もうさ、一緒に住んじゃう?」

「まぁそれでもいいけど、さすがにそれは結婚まで待った方がいいんじゃない?・・・とは言え、ほぼ毎晩うちにいるからあまり変わらないかもだけど(笑)」

一緒に住んでも構わないのだが、正直、今もほぼ半同棲状態で、いつでも絵美は僕の家にいる。

ただでさえ家でダラダラする時間も多く、完全に家が一緒になることに対して不安があった。

なぜなら一緒にいる時間が長くなればなるほど、絵美に対する“新鮮さ”が失われていたからだ。

変な話、いつでも抱ける環境になってしまうと、疲れていたら“また今度”と言える。緊急性もない。

「にしても、今日の生姜焼き美味しいね」
「そう?良かった。そう言えば、洗濯たたんでおいたよ」
「絵美ありがとう!あとさ、来週末、出張で大阪だわ」
「そうなんだ。行ってらっしゃい。お土産は『551蓬莱』でお願いします!」
「分かった。あの豚まん、美味しいよなぁ〜」

食卓を囲みながら、平和な時間が流れていく。絵美は性格も良いし気も利くし、一緒にいて楽だ。

けれども“楽”な分だけ、高揚感や緊張感は失われていく。

この日の会話が表しているように、彼女というよりも、もう家族と一緒にいるような感覚になっていた。

そしてそんな感情が増せば増すほど、僕は絵美に対して欲情しなくなっていたのだ。


レスになってしまった二人。解決策はあるのか・・・?


解説2:一度レスになると、キッカケもないしもどうすれば良いのか分からない


そんな中、絵美から温泉旅行の提案をされた。

「来週、温泉でも行かない?」
「あ、いいね〜久しぶりに行こうか。最近疲れていたから、癒されたいし」

久しぶりの旅行。僕としても、“男として、ここで何とか夜の方も復活させないと”という焦りもあった。さもなければ、もう永遠にチャンスはないような気がした。

そこで思い切って個室に露天風呂が付いているタイプの部屋を予約したのだが、そんな状況でも、僕はやっぱり彼女を抱くことができなかったのだ。

「わぁ〜素敵!お部屋に、お風呂が付いてるじゃん!」
「どうする?早速だけどお風呂でも入る?」
「そうしよっか」

そう言ったそばから、自らさっさと服を脱いで真っ裸になり、お風呂に入る絵美。

目の前で何のためらいもなく自分から脱がれると、もう色気も何もない。

「いや〜本当に最近忙しくて。こうやってのんびりできるの、久しぶりだなぁ」

「忙しそうだったもんねぇ・・・」

そう話しながらも、一緒にお風呂に入ることにすら何の特別感もなく、そして恥じらいもない絵美に、僕は小さなショックさえ受けた。

こうも堂々とされると、男は一気に萎える。




「ねぇ、久々にどう?」

真っ裸で、僕の目の前でお風呂から上がり、そのまま髪を乾かしていた絵美から急かされた。飲んでいたビールを置いてトライをしてみるものの、結果は予想どおり。

「あれ?ごめん、俺無理かも・・・」

僕は、男として機能しなくなっていた。お酒が入っていることもあるだろう。疲れていることも大きい。

しかし一番の要因は、絵美を“女”として見られなくなってしまったことだった 。

-今更抱くのは、もう無理だよ・・・。

本人には言えないが、心の中でそう呟いた。

レスになって、早3年。

レスの時間が長くなればなるほど、 “女性”として見られなくなっていく。

そして気がついた時にはもう、抱きたいといった感情は、一切わかない。

男として欲情しなくなると、機能もしない。全てが悪循環だ。

「ごめん」
「ううん、こっちこそ」

人としては好きだし、尊敬もしている。しかし交際当初のように気持ちが高ぶることはない。

そうかと言って絵美が嫌いになったわけでもない。悶々とした思いを抱えながら、布団の中でそっと目を閉じた。



きっと、もっと早く手を打っていたらこんな事にはならなかった。最初の方に疲れているから、眠いからといって“また今度”と後回しにせず、ちゃんと向き合って話し合うべきだった。

だが、今となってはもう遅い。

だって現に、他の女性だと僕はちゃんと欲情する。

交際期間の長さに比例して、新鮮さは失われていく。それは仕方のないことだろう。

けれどもそこで諦めずに、色々と気をつかって欲しい。素っ裸は見たくないし、落ち着きもいいけれど、少しハラハラするようなミステリアスな部分も残しておいて欲しい。

そして何よりも、いつまでも“女”としていて欲しいというのが男の勝手な願いなのだ。

-結婚前からこんな状況で、果たしてこのまま一緒にいて良いのだろうか・・・

レスが解消しない限り、僕は彼女との結婚を決意できずにいる。

このまま交際していて良いのか、別れた方がお互い幸せになれるんじゃないかと、真剣に考え始めていた。

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〜高校卒業後15年。再会した2人の人生は180度違うものとなっていた…。女のプライドをかけた因縁のバトル、続きは明日の連載をお楽しみに!