ファミマに設置されたセブン銀行ATM「ファミマATM」を見てきた
ファミリーマートは、6月1日よりセブン銀行ATM「ファミマATM」の設置を開始した。今回は、その設置店舗のひとつであり「ファミリーマート ムスブ田町店」でファミマATMをチェックしてきたので、紹介する。
白を基調にファミマカラーのグリーンを採用
セブン銀行は、セブン&アイ・ホールディングス傘下の銀行ということもあり、これまでは傘下のセブン-イレブン店舗を中心にATMを設置してきた。ただ近年は、地方銀行を中心にセブン-イレブン店舗以外へのATM設置が増えていた。そして、2025年9月に伊藤忠商事と資本業務提携するとともに、2026年春以降ファミリーマートにセブン銀行ATMを設置すると発表。それが今回実現された形だ。
6月1日にファミマATMを設置し稼働を始めた店舗は、東京都の「ファミリーマート ムスブ田町店」と埼玉県の「ファミリーマート 戸田市役所/S店」の2店舗。
これまでセブン-イレブン店舗などに設置されてきたセブン銀行ATMは、世代によって形状は異なるが、基本的にセブン-イレブンのコーポレートカラーのひとつである赤を採用するとともに、本体にセブン銀行のロゴを大きく記載するなど、比較的目立つデザインとなっている。
それに対し、ファミリーマートに設置されたファミマATMは、形状こそセブン銀行最新ATMである第4世代ATMと同じだが、カラーにファミリーマートのコーポレートカラーである緑を採用。そして、本体外装にセブン銀行のロゴを記載せず、ディスプレイに「ファミマATM」と大きく表示していることもあって、ぱっと見はセブン銀行ATMとはわからないようになっている。これは、ファミリーマート店内に設置するということもあって、デザイン面を配慮したものと考えていいだろう。
セブン-イレブンなどに設置されているセブン銀行ATM。セブン-イレブンのコーポレートカラーのひとつである赤が使われ、本体前面にセブン銀行のロゴも大きく記載している
こちらは、ファミリーマート ムスブ田町店に設置されたファミマATM。形状は既存セブン銀行ATMと同じ
本体は白を基調としつつ、上部および側面にファミリーマートのコーポレートカラーである緑を採用
通常のセブン銀行ATMとは異なり、本体にセブン銀行ロゴの記載はない
本体上部には「ATM+」ロゴを記載
側面にも「ATM+」ロゴを記載している
ディスプレイに大きく「ファミマATM」と表示される
2つあるディスプレイのうち、上側にはファミマATMロゴ以外にオリジナルの画像などを表示する
下側のディスプレイは操作パネルを兼ねている。こちらはボタンの形状や配置などセブン銀行ATMとほぼ同じだ
こちらで電子マネーをチャージする場合の読み取りやマイナンバーカードの読み取りを行う
機能面は既存セブン銀行ATMとほぼ同じ
ファミマATMが用意する機能は、既存のセブン銀行ATMとほぼ同じだ。
セブン銀行をはじめとした提携金融機関の出金、入金、振込といった通常の銀行取引はもちろん、マイナンバーカードを利用した口座開設や住所変更、本人確認、マイナ保険証利用申し込みなどが行える「+Connect(プラスコネクト)」のサービスが利用できる。搭載カメラを利用した顔認証によるカードレスでの入出金も可能。キャッシュバックキャンペーンなどで企業から個人に送金される現金をファミマATMで直接受け取る「ATM受取」にも対応している。
ただし、ATM受取で現金を受け取る場合、ファミマATMでは紙幣のみの受け取りが可能で、硬貨の受け取りには対応しない。硬貨分を電子マネーにチャージすることは可能なので、そちらを活用したい。どうしても硬貨分を現金で受け取りたい場合には、セブン-イレブンに設置しているセブン銀行ATMで手続きを行い、セブン-イレブンのレジで受け取る必要がある。
そして、この後に詳しく紹介する、キャッシュレス決済への現金チャージも可能。これまでファミリーマート店内に設置されてきた「イーネットATM」や「ゆうちょATM」では行えなかったことであり、一般利用者目線では、これこそファミマATM設置による大きな利便性向上のポイントと言っていいだろう。
提携金融機関の入出金や振込といった通常の銀行取引が可能
セブン銀行など対応金融機関では、搭載カメラを利用した顔認証による入出金も可能
顔認証にはディスプレイ上部搭載のカメラを利用する
マイナンバーカードを利用した提携金融機関の口座開設や住所変更、マイナ保険証利用申し込みなど、「+Connect」のサービスも利用できる
ファミマATM最大の利点となるのが、コード決済や電子マネーへの現金チャージが可能という点。もちろんチャージ手数料は無料だ
ファミマATMと従来のセブン銀行ATMの違い 比較項目 ファミマATM セブン銀行ATM(従来型) 主な設置場所 ファミリーマート(順次拡大) セブン-イレブンなど 本体カラー 緑(ファミリーマートカラー) 赤など 外観・ロゴ 筐体にロゴなし / 画面に「ファミマATM」 筐体前面にセブン銀行ロゴあり ATM受取(現金) 紙幣のみ(硬貨は不可) 紙幣・硬貨とも対応(※レジ受取含む) ファミマATMの主な機能まとめ 提携金融機関の通常取引(出金、入金、振込) キャッシュレス決済への現金チャージ(手数料無料) 「+Connect」サービス(マイナンバーカードを使った口座開設、住所変更、マイナ保険証利用申し込みなど) 顔認証によるカードレス入出金 ATM受取(※紙幣の受け取りのみ対応)このほか、機能面は今後拡充させていく計画だ。たとえば、セブン銀行とはファミペイへの現金チャージ対応について検討を開始しているという。またセブン銀行ATMではディスプレイに広告を表示する、デジタルサイネージとしての機能も備わっているが、そういった機能についても今後導入を検討しているという。
これまで不可能だったコード決済への現金チャージが可能に
先ほど紹介したように、ファミマATMではコード決済や電子マネーなどのキャッシュレス決済への現金チャージが可能となった。対応するキャッシュレスブランドは、コード決済がPayPay、au PAY、d払い、メルペイ、楽天ペイ。電子マネーは交通系電子マネー9ブランド、楽天Edy、nanaco。nanacoはファミリーマートでの決済に利用できないが、チャージは可能という点はセブン銀行ATMの機能がほぼ省かれていない証拠でもある。
決済種別 対応ブランド コード決済 PayPay、au PAY、d払い、メルペイ、楽天ペイ 電子マネー 交通系電子マネー(9ブランド)、楽天Edy、nanaco
ファミマATMでは、PayPay、au PAY、d払い、メルペイ、楽天ペイの5種類のコード決済と、交通系電子マネー9ブランド、楽天Edy、nanacoへの現金チャージが可能
キャッシュレス決済利用者のうち、ATMで現金をチャージして利用している人は、実は結構な割合を占めている。セブン銀行によると、2025年度のセブン銀行ATMの全利用件数のうち、銀行外の利用件数は約33%に達しているが、その多くをキャッシュレス決済への現金チャージが占めていると以前より説明している。つまり、キャッシュレス決済への現金チャージのニーズは無視できない規模で存在しているわけだ。
セブン銀行ATM利用件数のうち約33%に達する銀行外利用件数の多くを現金チャージが占めるという(出展:セブン銀行2026年3月期決算説明資料)
ただ、これまでファミリーマートに設置されていたATMでは、キャッシュレス決済への現金チャージが行えなかった。電子マネーの場合はレジでチャージが可能なので大きな問題はなかったかもしれないが、コード決済の場合は現金チャージをファミリーマート店内で行えず、残高不足だった場合には別の決済手段で支払う必要があるなど、不便だった。店舗的にも会計処理が止まってしまうことで、スムーズな会計処理を阻害する要因にもなっていたそうだ。
しかし今後、ファミマATMの設置が広がれば、店内のファミマATMで現金チャージが可能となることで、利便性が大きく高まることになる。また、電子マネーについても事前にチャージしておきたい場合に便利に活用できるようになる。
実際に、ファミマATMを利用してPayPayに現金チャージを試してみたが、もちろん全く問題なくチャージできた。PayPay以外の対応コード決済についても、問題なく現金チャージ可能なはずだ。手順もセブン銀行ATMと全く同じなので、日常的に現金チャージを利用している人なら戸惑うことなく操作しチャージできるだろう。
ファミマATMでコード決済への現金チャージを選び、画面に表示されるQRコードをチャージするコード決済アプリで読み取る
アプリとATMの指示に従って操作を進め、チャージする金額を指定
紙幣投入口に紙幣を投入
チャージ完了
明細表にはセブン銀行のロゴが印刷されており、取引がセブン銀行経由で行われたとわかる
ファミマATMは、まずは新規オープンの店舗から設置が進められる。既存のファミリーマート店舗については、今後4年ほどかけて一部を除く全国のファミリーマート店舗に設置されている約1万6000台のATMをファミマATMに置き換える計画となっている。そのため、今後すぐに身の回りのファミリーマートでファミマATMへの置き換えが進むわけではない。
それでも、置き換えが進むにつれファミペイへの現金チャージ対応など新サービスの提供も開始されていくことになると予想されるため、利用者の利便性を高めるという意味でも早期に入れ替えが進むことを期待したい。
