「無理して頑張る」は美談じゃなくて借金と同じ。りんたろー。活動休止の過去振り返り「しんどいときは手をあげて」
先日、第2子の誕生を発表したEXITのりんたろー。さんですが、2024年末に仕事と初めての育児で自分を追い込みすぎて、「入院しなければ死ぬ」と、ドクターストップがかかった過去があります。「頑張らなきゃという気持ちは美談じゃなくて借金だった。膨らんで戻れない状況になりかねない」とかつての反省を口にします。
【未公開写真】ドクターストップで休業していた当時と第2子誕生で大号泣する瞬間(全10枚)
「EXITも家庭も俺が守る!」と自分を追い込み
── おととしの年末に体調不良で休んでいた時期がありました。何があったんですか。
りんたろー。さん:頭がズキズキ痛む日が増えて、「これは普通の痛みじゃない」と思い、脳神経外科で検査をしたんです。
直接的な原因はわからないものの、「神経が圧迫されて痛みが出ている」と言われ、薬を飲みながら仕事を続けていました。あんまり効かなかったんですけど、年末の繁忙期を乗り越えたら長めの休みがあったので、「ここを頑張ればなんとかなる」と思っていたんです。
ところがある日突然、身体中にブワーッと湿疹がではじめて、唇がパンパンに腫れて。医者の知人に写真を送り、「これって病院に行ったほうがいいかな」と聞いたら、「このままだと死ぬ」と言われました。病院に行ったら案の定ドクターストップがかかり、即入院に。今までもっと忙しいときも乗り越えてきたんで「大丈夫だろう」と思っていたんですけどね。
── 原因はなんだったのですか。
りんたろー。さん:飲んでいた神経痛の薬のアレルギー反応によるものでした。薬をもらったときに、アレルギーが出やすい薬だと言われていたのですが、過労やストレスが重なったのが悪かったようで。
今思えばですが、あのころ相方が「結果が出なかったらこの世界を辞めたい」と言い出して仕事にも力が入っていましたし、子どもが生まれてパパ1年目で育児も頑張っていました。「EXITも家庭も俺が守る!」じゃないですけど、自分を追い込みまくっていたと思います。
夜泣きの対応しながら夜中にネタを書き
── 自分を追い込んでしまった結果、休業せざるを得ない状況になりましたが、仕事だけでなく育児も最初はかなり大変だったそうですね。
りんたろー。さん:そうですね。でも当時は気づいていなかったんだと思います。子どもが生まれた喜びに任せて、しんどかった自分と会話できていなかった。「育児は大変だけれど、子どもはかわいい」。僕が育児に関われる時間が朝と夜しかなかったので、仕事が終わってから家にいる間は育児しなきゃって。日中はパートナーが頑張ってくれていましたし、できる範囲で夜は僕もやらなきゃと思って、子どもの夜泣きの対応をしながら夜中にネタを書いていました。
── たしかにその生活を続けていたら倒れそうですね。夜中は起きないパパも多いという話をよく聞きますが、起きられたんですね。
りんたろー。さん:さすがに起きられない日もあったのですが、もともとショートスリーパーだったこともあり、子どもが泣いたら気づけました。だから単純に「できたからやっていた」というのもあったと思います。初めての育児でパートナーも追い込まれている感じがあって、見て見ないふりはできないし。それに夜って人にも頼めないじゃないですか。
いつ泣き止むかわからない夜泣きの絶望感を味わいつつも、「無事に生まれてきてくれて、こんな幸せな状況でそんなこと言っちゃいけない」って。子育てでみんなやってることなんだから、僕もやんなきゃと思っていました。
しんどいときはギブアップしないとぶっ壊れる
── ドクターストップを受けて2週間ほど入院していたそうですが、病室ではどんなことを考えていたんですか。
りんたろー。さん:自分が出るはずだった番組に相方がひとりで出ているのを観て、たくさんの人に迷惑をかけて申し訳ないという思いとともに、改めて原点に立ち戻っていました。
育児もしっかりして、仕事でも結果を出さなきゃって思ってたんですけど、やっぱりしんどいときはしっかり手を上げてギブアップしないと自分がぶっ壊れちゃう。焦りというより反省が多くて、なんでこうなってしまったか、状況を冷静に考えていたと思います。
それに、自分が楽しむとか人を楽しませるということの優先順位が、だいぶ後ろのほうにいっちゃってた気がしました。EXITも、パパも、この先長く続けていくためにはやり方を変えていかないといけない、と。入院して体も心もデトックスできたような感覚でした。
── 相方の兼近さんが、「あれだけ自撮りする人がまったくインスタをあげなかった」と心配していましたね。
りんたろー。さん:写真自体は撮っていたんですよ。今までの僕だったら、休んでる間も「忘れられないように」とあげちゃってたと思うんですが、仕事を休んでるのに不謹慎かなって。ドクターストップで仕事から離れて冷静になれたことで「今はよくない」と、自分を制御できていたと思います。
退院して相方に会ったとき、「これからは賞レースで勝つよりも、自分たちが楽しんで観てくれる人も楽しんでくれるネタを書いていきたい」と伝えました。来てくれたお客さんを笑顔にして帰ってもらうのがエンターテイメントの真髄だなって。遠くからお金も時間も使ってわざわざ観にきてくれるファンの方がたくさんいるなかで、芸人はこうあるべきとか、自分らのスタイルというのももちろん大事ですが、人を楽しませる方向に意識がだいぶ変わりました。それに、EXITのファンの方は優しい人が自然と集まってくれているので、この優しい空間をもっと大事にしたいと思っています。
無理な頑張りは美談じゃない、借金と同じ
── 先日、第2子の誕生を発表されました。「自分を追い込みまくった」という当時と比べて、今はいかがですか?
りんたろー。さん:第1子が生まれたときから深夜帯の仕事は休んでいたのですが、今回はしっかり育休も取ろうと考えていました。「頑張らなきゃ」っていう気持ちって、美談じゃなくて借金みたいだなって思ったんです。見て見ぬふりをしていても借金は着実に増えていって、それが膨らんで戻れない状況にもなりかねない。仕事を休むことで、下手したら席がなくなっちゃうかもしれないけど、自分の「しんどい」って気持ちにしっかり気づいていこうって。育児と仕事でキャパオーバーになった経験があるんで、これは何かを減らしていかなきゃならない。借金を作らないようにしていきたいですね。
── 今は世の中も自分や周りを大切にする風潮になっていますよね。
りんたろー。さん:相方も協力的ですし、理解してくださる番組も多いので、そこはちゃんと甘えようと思っています。僕らがこの世界に入った頃は、「親の死に目には会えないと思え」と言われていたんですけど、時代が変わって、自分が大切にしたいことを守りながら仕事ができるようになったのはすごくありがたいですね。
パートナーも、僕が入院して感じることがあったみたいで、よく話すようになりました。「子どもの夜泣きの対応したから、犬の散歩お願いします」とか、自分が頑張ったことを正直に話して、分担できるようになったと思います。
ケンカもしますけど、お互いに思っていることを不満も含めて伝えて、それで仲直りします。産後は、パートナーがホルモンの影響で大変なのはわかってるんですけど、こっちも余裕がないと言い返しちゃうんで、余裕は大事ですね。
── 育児番組にも出ているから、詳しいですよね。
りんたろー。さん:昔は、わかってるからこそ言えないこともあったんですが、今はしんどさも共有して、「一緒に乗り越えていこう」という気持ちが大きくなりました。
── GW明けのこの時期は、新年度のスタート後、段々と疲れが溜まってくるころなのですが、頑張りすぎている人にメッセージをお願いします。
りんたろー。さん:自分とちゃんと会話をしてほしいです。仕事も家庭も、人間関係も全部大事なんですけど、死んじゃったら全部なくなっちゃう。命がなくなったら元も子もないんで、しんどいときは投げ出す勇気を持ってほしい。やることってたくさんあると思うんですけど、1回全部取っ払って、自分を守るすべを身につけてほしいなって思います。心と体の健康を第一に考えてほしいですね。
今の僕は、朝起きて、白湯飲んで、ストレッチして日焼け止め塗ってから散歩行って、ヘルシーなもの食べて。チャラ男とは思えない生活なんですけど(笑)。スマホから離れるときだってあっていいですよ。僕はもともと自分のことをダメだって思ってる人間なんです。でも、ダメなんかじゃない。そう思ってくれる人がたくさんいます。
どんな発言をしてもいろんな角度からいじわるされるので、わかり合えない人に時間を使うのはもったいないです。今はSNSも選ぶようにして、Instagramはしてますが、炎上しやすいXからはちょっと距離を置いてるんです。いじわるなコメントをする人は、みんな白湯飲んで、朝、散歩に行ってほしいですね。今の僕は、いらないものはどんどん排除して、今あるものに目を向けていきたい気持ちが強いです。たくさんの人に支えられていることに気づけて、感謝の気持ちでいっぱいになりますよ。
取材・文:内橋明日香 写真:りんたろー。

