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定年まで必死に働いて、ようやく手にした退職金。ところが、その大金が入った瞬間から、あなたは投資勧誘など、営業マンの標的になります。年金だけでは不安、少しでも増やしたい。その心理につけ込むように、「高利回り」「元本安心」「今だけ限定」という甘い言葉が襲ってきます。
実際に私は銀行員時代、退職金を数年で大きく減らした人を何人も見てきました。老後資金を守れるか、失うか。その分かれ道は、受け取った直後に始まっています。

◆退職金が入った瞬間、あなたは狙われる

退職金は、人生で一度入るかどうかの大金です。

だからこそ、多くの人は冷静さを失います。通帳に1000万円、2000万円と並ぶ数字を見て、増やしたい、減らしたくない、子どもに迷惑をかけたくないと考え始めます。

そこへ、「年利7%」「毎月分配」「人気商品」「今なら枠がある」といった営業トークが入り込みます。

現役時代は忙しくて相手にしなかった人でも、退職後は時間ができ、話を聞いてしまう。ここが危険です。

老後資金は取り返す時間がありません。一度の判断ミスが、その後20年の生活を狂わせることもあるのです。

長年働いて得た大切なお金。しかし銀行口座にまとまった資金が入った瞬間から、営業電話・訪問・投資勧誘が一気に増える現実を解説します。

◆銀行員が見た「退職金を失った人たちの共通点」

銀行員時代、退職金を大きく減らしてしまった人には、はっきりした共通点がありました。

私は最初、金融知識の差だと思っていました。投資経験がない人ほど危ない、そう考えていたのです。しかし、現場で見えた現実は違いました。知識不足そのものより、退職直後の心理状態こそ最大の原因でした。

長年勤め上げた後、人は独特の開放感に包まれます。毎日の通勤も、上司の顔色をうかがう必要もない。時間もある。

心には、これからは自分のために生きたいという気持ちが芽生えます。一方で、年金だけで足りるのか、このお金で老後は大丈夫かという不安も同時に強まります。希望と不安が同時にある時、人は冷静な判断をしにくくなります。

そこへ営業マンが近づきます。

「今の預金では増えません」
「退職された方に人気です」
「毎月分配があるので年金の足しになります」

そう言われると、自分のための提案に聞こえてしまうのです。実際には、相手は資産額を見ています。退職金が入った人は、営業側から見れば最優先の見込み客です。

さらに危険なのは、真面目で仕事熱心だった人ほど、人を疑う習慣が少ないことです。

会社人生で成果を出してきた人ほど、説明を受ければ理解できる、自分は騙されないと思ってしまう。ここに落とし穴があります。商品知識より、相手の思惑を読む力が必要なのです。

退職金を失った人は、愚かだったわけではありません。むしろ真面目で、家族思いで、老後を良くしたいと考えた人たちでした。だからこそ狙われた。その現実を知らないまま退職金を受け取ることが、最も危険なのです。

◆高利回り7%・8%の甘い言葉、その裏で起きていること

年利7%、8%。銀行預金の金利しか知らない人にとって、この数字は強烈です。

1000万円預ければ毎年70万円、80万円入る。年金の足しになる、旅行にも行ける、子どもにも少し残せる。そう想像してしまうのは自然なことです。

ですが、私は銀行員時代、この高利回りという言葉に心を奪われた人が、後から深く後悔する場面を何度も見てきました。

そもそも、世の中に安全で簡単に7%、8%も回る商品があるなら、なぜ銀行や機関投資家が放っておくのでしょうか。

本当に安定して高収益なら、資金力のあるプロが真っ先に買い占めます。一般の個人にまで営業電話やセミナーで回ってくる時点で、一度疑うべきです。うまい話には、うまい理由ではなく、売りたい理由があります。