「日本で最高の選手だった」――打率.310も“使われない”謎 吉田正尚にRソックス指揮官は本音吐露「望むように起用するだけ」

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コンスタントな出場機会を得られずに「難しさ」を語る吉田(C)Getty Images

 吉田正尚(レッドソックス)に、指揮官の本音が漏れた。

 去る4月17日(現地時間)に行われたタイガース戦。スコアレスで迎えた延長10回一死一、三塁の好機に、代打で起用された吉田は、相手4番手のウィル・ベストが投じた95マイル(約152.8キロ)の速球を弾き返し、価値あるサヨナラ打を放った。

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 飽和状態にある外野手陣にあって、開幕からここまで吉田のスタメン機会は決して多くない。ローマン・アンソニー、ジャレン・デュラン、セダン・ラファエラ、ウィルヤー・アブレイユと成長著しい若手が優先されるチームの編成事情もあって序列は低下。なかなかチャンスを得られない時間が続いている。

 しかし、目に見える結果は出している。出場12試合(代打4試合)で打率は.310に上り、出塁率.474、OPS.888の好スタッツを維持。直近7試合にクローズアップすれば、打率は4割(.429)を超えており、その働きはレギュラークラスと言っていい。

 当人もMLB公式サイトで「いつ自分の番が回ってくるのか分からないという点で、難しさはある」と漏らすように、決して簡単ではない起用は続いている。それでも「結果」を残す32歳に、地元ファンからはSNS上で「マサをスタメンに戻せ」「彼はいつだって準備万端」「なぜ使わないんだ?」といった意見が噴出。若手を重視し続ける首脳陣の姿勢に異を唱えている。

 風当たりが強まる中で、「彼の気持ちは良く分かるし、簡単な状況にないことも分かってる。正直に言えば、もっとプレーしたいに決まっている」と吉田の感情を慮ったのは、レッドソックスのアレックス・コーラ監督だ。

 17日のタイガース戦後に地元局『Masslive』の取材に応じた熱血漢は、「プロ意識の高い選手」と評した吉田をコンスタントに使わない理由を明かした。

「誰かをベンチに置かなきゃいけないという状況では、相手チームを見定めて、選手を選ばなければならない。彼らは全員優れた打者だ。我々は彼らを我々の望むように起用するだけだ。ハッキリと言えば、ヨシダは日本で最高の選手の一人だった。我々が彼を獲得したのには理由がある。ただ、怪我に悩まされているから、こうして戦うしかない。抱えているロースターで最大限の力を発揮する必要があるが、それも簡単ではない」

「日本で最高の選手の一人だった」という過去形の言葉は、やや気になるところだが、指揮官は決して吉田を軽んじているわけではない。「ヨシダが準備を怠ることはない。彼は素晴らしいチームメートだ。守備や走塁など、常に万全の状態で臨んでいる。彼は我々にとって非常に良い存在」と語ったように、信頼感は揺るぎない。

 コーラ監督が「時々『これからどうなるんだろう?』と不安に思うこともあるだろう」と残した言葉を思えば、今後も現在のような起用は継続されるのだろう。そうした中で腐らずに結果を残し続けられるか。吉田にとって真価の問われる試練の時は続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]