年金ひとり暮らしブロガー・ショコラ70歳「寂しくない?と聞かれがちな<ひとり旅>。でも、目的のものを見られればそれで満足なので…」
さまざまなことから解放されたシニア女性の老後の新しい趣味として、最近注目を集めているのが「ひとり旅」。人気シニアブロガーのショコラさんも、67歳でパートをやめ年金暮らしに入った後、定期的におひとりさまツアーやひとり旅に出かけています。そんなひとり旅の写真とともに、ひとり旅を気楽に始める方法を提案した著書『60代から夢をかなえる ひとり旅』から、一部を抜粋して紹介します。
【写真】途中で見つけたハンモックで横になり、歩き疲れた足は靴を脱いでまったり…
* * * * * * *
ひとり旅は寂しい?手持ち無沙汰になる?
「ひとりで旅行するのは寂しくない?」「手持ち無沙汰にならない?」と聞かれることがあります。
ひとり旅を選ぶときは、「XXを見たい」という目的がはっきりしており、見たいものを見られれば満足です。人と一緒にいなくても寂しさは感じません。また、短い旅行が多いので、話し相手がいなくても、手持ち無沙汰になることはないです。
ひとりの時間をゆっくり味わう旅もいいものです。
移動中、新幹線では窓から見える景色を眺め、小高い丘の上に立つ家は景色がいいだろう、でも上るのが大変だろうなとか、最近はどこもタワーマンションが増えてきたなとか……普段の暮らしで目にすることがない、知らない土地の暮らしを想像して楽しんだりします。 車窓から眺める、ゆったり流れる大きな川を越える瞬間も好きです。
一番の楽しみは、東海道新幹線で西へ向かうときに見る富士山。座席指定も、叶うならE席を希望します。晴れていれば、窓越しに写真を撮ることもあります。富士山を過ぎると途端に、ああ旅に行くのだなと感慨深くなります。

<北野異人館街/兵庫県>アメリカ総領事の邸宅だった、萌黄の館。風見鶏の館と共に国指定重要文化財。米独の建築の違いも興味深い(『60代から夢をかなえる ひとり旅』/すばる舎)
帰りの暗くなった車窓からは、にぎやかそうな灯の街を通り過ぎ、今度は真っ暗な山裾や畑を通り、また明るい灯と次々変わる景色をぼんやり眺めます。東京が近づくと、ほとんど街の灯ばかりで、それがまた、あー帰ってきたんだと、ほっとしながらも寂しい気持ちになったり。
そんなふうに、自分の気持ちの動きに向き合う時間があるので、退屈はしません。
普段、暇だとついスマホを見てしまいます。でも、旅に出たら、どこにいてもできることをするのは、もったいない。旅行中にスマホを使うのは、写真を撮るとき。あとは、地図を調べたり、飲食店を探す程度にしています。
元々営業職でひとりで動き回る仕事だったし、ひとり暮らしも長いので、食事はひとりが当たり前になっています。外食もひとりが普通。
ひとりで旅先で食事をとっていると、周囲から寂しそうと思われるのが心配、と気にする友人もいますが、自分のことを振り返ってみても、隣のテーブルにひとり客の人がいても、寂しそうと思うようなことはありません。
誰かと一緒にいたら、相手とのおしゃべりに夢中で、隣のテーブルに目は行かないと思います。ひとりでいたところで、誰も私を見てはいないだろうから、周囲の目を気にする必要はないのかな、と。

『60代から夢をかなえる ひとり旅』(ショコラ:著/すばる舎)

<神戸布引ハーブ園/兵庫県>新幹線の新神戸駅近くから、ロープウェイで行く日本最大級のハーブ園。神戸の街と海を一望できます(『60代から夢をかなえる ひとり旅』/すばる舎)
逆に、同じようにひとり旅らしき女性を見かけると、それが同年代ならなおさら親近感が湧きます。
愛知県の明治村で出会った、同年代と思しき女性。館内で運行している、かつての京都市電の車両に乗ったとき、平日の午前中だったせいか他に人はなく、その女性と車内に2人きりでした。
明治時代の木材でできた座席や網棚、つり革に皮が使われていて贅沢だったんだなと思い、思わず「素敵ですね」と声をかけたところ、彼女も同じように思ったらしく、「本当に、昔のものは素敵ですね」と返してくれました。
見ず知らずの人と同じ感情を共有できたことがうれしかったです。下車した後のコースも同じような回り方だったので、行く先々で顔を合わせれば、とくに会話はしなくても笑顔で目礼し合いました。
そんなちょっとした旅先のふれあいが、なんだかいいなと思います。

<神戸布引ハーブ園/兵庫県>至る所に花が咲いて。途中で見つけたハンモックで横になり、歩き疲れた足は靴を脱いでまったり(『60代から夢をかなえる ひとり旅』/すばる舎)
夕方ホテルにチェックインし、部屋に荷物を置いたら、小さなバッグひとつで、夕食を食べに街中に出かけます。ネットで調べたおいしいお店を目指しつつ、ぶらぶら気の向くままに歩きます。
途中わき道にそれて路地に入り、小さなお稲荷さんを見つけ手を合わせることも。知らない場所を興味津々で眺めながら過ごすので、ひとりでもまったく退屈しません。
食事を終え、ホテルに戻ったら、すぐにお風呂に入ります。テレビはつけますが、ニュースを見る程度。
ホテルで夜、ひとり過ごす時間が手持ち無沙汰になることはありません。いつも手あたり次第パシャパシャ写真を撮るので、今日の写真を整理する時間にあてています。
同じような構図が何枚もあったり、逆光で暗かったり、人が大勢写り込んでいたりする写真は削除することも。今日1日でたどった風景を思い出しながら作業していると、いつの間にか時間が過ぎています。
普段、寝る前には必ず本(小説)を読む習慣があり、本を読まないと寝つけなくなっています。そのため以前は旅行の際、本を持っていっていました。でも結局、読むことなく寝られるのがわかってからは、旅先に本を持っていくことはなくなりました。荷物も軽くなりました。
夕方から食事に出るなんていう、普段の生活にはないことにワクワク感と刺激を受け、横になればすぐに眠れてしまいます。
疲れていても眠くても、少しでも本を読まなくては眠れないという、いいのだか悪いのだかわからない習慣を覆すのも、ひとり旅のおもしろさだなと感じています。
※本稿は、『60代から夢をかなえる ひとり旅』(ショコラ:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
