60代ひとり暮らし、がんばりすぎず「自分のペースで生きる」コツ。“新年度だから”と気負いすぎなくていい
4月は新学期や新年度で緊張感があり、なにかと忙しい月。カナダ在住で「もたない暮らし」の発信をしているブロガーの筆子さん(60代)は「カナダでは新学期は9月から始まるので、日本のように4月にプレッシャーを感じることはありません」と語ります。筆子さんがカナダで過ごして感じる4月の様子や、気負いすぎずに生きるコツについて語ります。

カナダの新学期は9月。4月は普通の月

カナダの公立学校は9月始まりが基本です。会社の年度も組織によってまちまちで、4月になにかが一斉に始まるという感覚はありません。
スーパーやデパートに行っても、街全体が新生活一色になることはありません。入学グッズや新生活応援フェアのような大々的な売り場も、ほとんど見かけません。
私が暮らしている場所では、4月の頭はまだ雪が残っていることもあります。桜が咲くのもまだ先で、新年度というよりは、長い冬がようやく終わりに近づく頃、という感覚です。
日本の4月が新しい環境への期待と不安が入り混じる時季だとしたら、カナダの4月は、寒さから解放されてようやく外で過ごせる時間が増えていく、ほっとする時期かもしれません。
そういえば、手帳の売り場にも違いがあります。日本では4月始まりの手帳がたくさん並びますが、カナダの手帳は、1月始まりのものと、学生向けの8月始まりのものの2種類です。
手帳ひとつとっても、4月は特別な月でないことが伝わってきます。
「節目」がないと、いつでも始められる
日本にいた頃の私は、なにかを始めるなら4月、なにかを締めるなら年末、という感覚がありました。
カナダで暮らしているうちに、その感覚は少しずつ薄れていきました。
「みんなが一斉になにかを始める時期」がないので、自分も思い立ったときにスタートすればいいし、やめたければやめればいい、と自然に思えるようになりました。
実際、私が今続けていることは、どれも特別な時期とは関係のない時期に始めたものばかりです。
ブログを開設したのが2月。フランス語の学習に取りかかったのは9月。今の住まいに引っ越したのは5月でした。
どれも、思い立ったが吉日。今がそのときだと感じたタイミングで始めただけで、年が明けたからとか、新年度だからという理由ではありませんでした。それでも続いています。
区切りに始めなくても、続くものは続くし、続かないものは続きません。
「みんな一斉に」がないラクさ

日本では4月になると、新学期や新年度にあわせて、社会全体が新生活モードになる空気があります。
自分はとくに変わっていないのに、周りの変化や広告に押されて、なにか始めなきゃ、なにか変えなきゃ、と感じる人もいるかもしれません。
カナダにはその空気がないので、自分のペースで暮らせます。私はもともとマイペースですが、周囲からのプレッシャーがないので気分がラクに。
日本にいた頃も、大人になってからは4月の空気にそれほど負担を感じなくなりましたが、学生時代や新入社員の頃は違いました。
とくに苦手だったのは、4月によく開かれる歓迎会です。お酒を飲まない私にとっては、にぎやかな宴席に長時間いると疲れてしまい、毎年気が重かったのを覚えています。
今はだれかに合わせてなにかをする必要がなく、自分の都合だけで1日を組み立てられます。同じ4月でも、過ごし方がずいぶん変わりました。
大きな節目より、小さな区切りを自分でつくる
新年度のような大きな節目を待たなくても、暮らしの区切りは自分で小さくつくることができます。
私は週に1度、水曜日を「後まわしにしていたことを片づける日」と決めています。郵便物の整理や、ちょっとした事務作業など、毎日やる必要はないけれど、ためすぎると気が重くなることをこの日にまとめて片づけます。
少し前までは、火曜日を「死蔵品を活用する日」にしていました。普段あまり使っていないものを意識して使ってみたり、いつか試そうと思ってプリントアウトしたまま放置していたレシピで料理をしてみたりする日です。
死蔵品が減ってきたので今はやめましたが、しばらく続けたおかげで、ためこんでいただけのものがずいぶん減りました。
月末には家計簿を締め、月初にはその月の仕事を振り返ってノートに書いています。
こうした小さな区切りがいくつもあると、毎日が同じ繰り返しではなくなり、生活にメリハリが生まれます。
なにかを見直したいと思ったときが、その人にとってのタイミングです。春だから片づけけなきゃ、新年度だからなにか始めなきゃ、と気負う必要はありません。
4月でもマイペースで大丈夫
4月だから、新年度だからとがんばらなくても、暮らしは回ります。やりたくなったらやるというマイペースを大事にしてほしいと思います。
日本の4月のあわただしさに少し疲れたら、4月を特別視しない国もあるんだと思い出してみてください。少しだけ肩の力が抜けるかもしれません。
