総額5000万円超え? 「名門高バレー部」ピンハネ問題の監督に“大甘処分” 「校内には箝口令が…」
停職6カ月
昨年の本屋大賞で第2位に輝いた早見和真著『アルプス席の母』。本書には、主人公ら親たちが野球部監督に現金を上納する衝撃的なシーンが描かれている。
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そんな小説を地で行くのが、「週刊新潮」3月12日号で報じた兵庫県立氷上(ひかみ)高校女子バレー部の裏金事件だった。同部は、2012年春高バレー準優勝を果たし、今年の同大会にも出場している。
県教育委員会に幾度も公益通報を行った同校教員らの証言で構成される記事を簡単におさらいすると、寮を管理した際に支払われる“舎監費”と呼ばれる宿直手当が長年にわたり川釣修嗣監督(59)に上納されていた。舎監費は1日当たり7400円。仮に監督在任中ずっと続いていたとすると、ピンハネの総額は推定で計5670万円に及ぶ。記事には〈全国大会への出場が決まるたび、保護者一人ひとりに10万円を要求する〉というくだりもある。

取材班は川釣監督や校長、県の公益通報担当者にも取材を申し入れたが、いずれも十分な説明はなかった。
だが報道を受けてか、ようやく県教委が調査結果を公表した。3月24日付で川釣監督に停職6カ月の懲戒処分を科したのである。
校内で箝口令
それでも、公益通報した教員の怒りは収まらない。
「ピンハネは“書類がなく総額が不明”“遠征費用等に使われ、私的流用は確認できない”として、返還は求めないとのこと。監督はここ10年でレクサスを2台乗り継いでいますけどね」
他にも、23、24年度に実際にはかからなかった試合会場への交通費名目の受領書を部員に書かせて計20万円の補助金を不正受給したことや、24年度の寮費の会計管理が不適切だったことを認定したが、“氷山の一角”感は否めない。
「校内は箝口(かんこう)令が敷かれています。23日に行われた新入生保護者への説明会でも、校長は“事実関係は不明”と繰り返すのみで、真摯な説明はありませんでした」
今後は、昨年4月に受理された刑事告訴の成り行きに関心が集まりそうだ。
「県警捜査2課は、監督とスポーツ用品店で交わされた領収書の偽造に注目しているようです」(地元紙記者)
ことはバレーや氷上高に限った話ではない。本件を機に、学生スポーツ界全体が浄化されればいいのだが。
「週刊新潮」2026年4月9日号 掲載
