40代後半から50代にかけて訪れる更年期は、女性ホルモンの減少により、心身にこれまでにない大きな変化が生じます。それを乗りきる鍵は、自分の心と体の変化を知ること。ここでは、産婦人科医・高尾美穂先生に、ノートを使ったセルフケア方法や、更年期の心身のゆらぎとうまくつき合うヒントについて教えてもらいました。

心身の変化に気づくことで対処のヒントが見つかる

不調な日が増えたり、感情の波が大きくなったり…。更年期に入って、これまでにない心身のゆらぎを感じ、戸惑っている人は多いのではないでしょうか。そんな人に産婦人科医の高尾美穂先生がすすめるのが、日々の変化をノートや手帳に書き留めること。

【実際の写真】産婦人科医がノートに書き留めている言葉

「心身が健やかなのが、すべてのベース。やりたいことがあっても、心と体が整っていなければ、前に進むのは難しいものです。とはいえ、忙しい日々のなかでは、心身の変化を見過ごしてしまいがち。小さな違和感も見ぬふりをせず、目を向けることが大切です」(高尾先生、以下同)

まずは書くことを通じて、自分の心と体にしっかりと耳を澄ませることが、セルフケアの第一歩となります。

書くことによって感情を整理でき、自分を肯定できるようになるのも、大きなメリットです。

「日々を振り返ることで、『こんなに楽しいことがあるなら、これからの自分も大丈夫』と自信をもてます。まずは簡単な記録から始めてみると、日々の調子も上向きになってきますよ」

書くことのメリット

・自分のうれしい、楽しいに気づける
・心と体のゆらぎが見える
・手で書くことで心が整う

高尾先生愛用のオリジナル手帳

高尾先生が2023年からつくっている手帳。

「マンスリーページやフリーページには、私の手書き文字で好きな言葉や伝えたい言葉を入れています。持ち歩いて、なにかあったらメモしたくなる手帳になればいいなと」(2026年版は完売)

なかには高尾先生からのメッセージ。

心と体のゆらぎとうまくつき合うヒント

体質や体型が変わり、気持ちも落ち込みやすくなる更年期。無理なく乗りきるためのヒントを、高尾先生に教わりました。

●ニンジンをぶら下げておく

「旅に行く」「好きなアーティストのライブを観る」など、年に何度か自分のためのごほうび=“ニンジン”を用意しておきましょう。

「気持ちのアップダウンを感じやすい更年期こそ、ワクワクできることが大事。『あと1か月すれば楽しみが待っている』と思うと前向きに過ごせます」

●「心身にいいもの」から好きなことだけ取り入れる

ヨガ、散歩、睡眠…など、「心身の健康のために取り入れるといい」といわれているものはいくつもあります。

「それでもやる気になれず、続かないのは好きじゃないから。すべてを実践しようとしなくて大丈夫。そのなかから好きになれそうなものを探し、無理のない範囲で取り入れてみて」

●ほめられてうれしかったことを考える

心身が揺らいでいると自分の「好き」がわからなくなるもの。そんなときは、ほめられてうれしかったことを思い返して。

「『おしゃれですね』のひと言が喜びになる人もいれば、『あなたがいて助かった』がうれしい人も。心に残る言葉を手がかりにすると、大切にしているものが見えてきます」

●どんな自分でいたいかをイメージする

運動や美容へのモチベーションを高めるには、「どんな自分でいたいか」を具体的に思い描くことが効果的。

「自分の姿を写真や動画で客観的に見るのもいいでしょう。しゃきっとした姿勢でいたい、もっと明るい笑顔でいたいなど、意識したいポイントが見えてくるはず」

●食べるか迷ったら食べない

年齢を重ねると、以前に比べて太りやすくなるもの。消費エネルギーも少なくなるので、若い頃と同じ量を食べる必要はありません。

「どうしても食べたい! と思うくらい、好きなものなら楽しんで。迷うなら控えておく。小さな積み重ねが、無理のない体型キープにつながります」