JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2026年3月18日、革新的衛星技術実証4号機として打ち上げられる予定だった8機の超小型衛星(CubeSat)について、打ち上げ予定時期が変更されたことを発表しました。


Rocket Labの計画見直しに伴い打ち上げ予定が先送り

革新的衛星技術実証4号機は、大学・研究機関・民間企業などが開発したハードウェアに宇宙での実証の機会を提供する、JAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」における4回目の実証機会です。公募テーマは2022年6月〜7月にかけて募集され、8つの部品・機器と8機の超小型衛星が選定されました。


選定された機器類を搭載した「小型実証衛星4号機(RAISE-4)」は、2025年12月14日にアメリカ企業Rocket Lab(ロケットラボ)のElectron(エレクトロン)ロケットですでに打ち上げられました。


【▲ JAXAの「小型実証衛星4号機(RAISE-4)」を搭載して打ち上げられた「Electron」ロケット。Rocket Labのライブ配信から(Credit: Rocket Lab)】

残る8機の超小型衛星も2026年1月〜2026年3月にElectronロケットで打ち上げられる予定でしたが、JAXAによると、Rocket Labが打ち上げ計画の見直しを行ったことに伴い、打ち上げ予定時期が2026年4月23日以降に変更されました。具体的な打ち上げ日と打ち上げ時間帯は、確定次第改めて発表するということです。


革新的衛星技術実証4号機として打ち上げが予定されている8機の超小型衛星は以下の通りです。


・編隊飛行技術試験衛星「MAGNARO-II」(名古屋大学)
・海洋観測データ収集IoT技術実証衛星「KOSEN-2R」(米子工業高等専門学校/群馬工業高等専門学校)
・一体成型技術実証衛星「WASEDA-SAT-ZERO-II」(早稲田大学)
・CubeSat搭載用超小型マルチスペクトルカメラ実証衛星「FSI-SAT2」(一般財団法人未来科学研究所)
・折り紙リフレクトアレーアンテナ実証衛星「OrigamiSat-2」(東京科学大学)
・バッテリ異常検知システム実証衛星「Mono-Nikko」(株式会社大日光・エンジニアリング)
・地震先行現象検知検証衛星「PRELUDE」(日本大学/静岡県立大学)
・速報実証衛星「ARICA-2」(青山学院大学/理化学研究所/株式会社IHIジェットサービス)


早期打ち上げを目指すも一部は2026年度にずれ込むことが確定

小型実証衛星4号機と8機の超小型衛星はいずれも開発中のイプシロンSロケットで打ち上げられる予定でしたが、2023年7月と2024年11月に実施された第2段モータの地上燃焼試験で2回とも爆発が発生しており、2026年3月現在も原因究明が進められている段階です。


実証テーマを提案・実施する機関への影響を調査したJAXAは、2025年度内の打ち上げを堅守するべく、Electronロケットへの変更を決定。搭載できるペイロードの重量がイプシロンSとは異なることから、2回に分けて打ち上げられることが、2025年10月に発表されていました。


2026年度以降の打ち上げでは革新的衛星技術実証4号機としての実証の意義・価値に影響が出ることが判明したことによる変更でしたが、今回の打ち上げ時期変更によって、超小型衛星に関しては最短でも2026年度に入ってからの打ち上げになることが確定した形です。


なお、JAXAは2026年2月にイプシロンSの開発計画見直しを発表しています。打ち上げ能力向上のために強化された新型の2段目「E-21」を、イプシロン強化型の2段目に準じた「M-35a」に変更した上で、2026年度内の実証機打ち上げを目指すということです。


関連画像・映像

【▲ 革新的衛星技術実証4号機のミッションマーク(Credit: JAXA)】

 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


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