新車419万円の新たな「“5人乗り”ミニバン」!

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3代目「カングー」は買いなのか!?

 ルノーは、独創的なデザインと実用的なモデルを数多く輩出してきたフランスのメーカーです。そのなかでも日本で絶大な人気を誇るのが「カングー」です。

 2023年に日本導入された3代目現行モデルは、これまでの親しみやすさに加え、先進的なテクノロジーと快適性を手に入れました。

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 カングーは、商用車の高い実用性と乗用車の快適さを融合したMPV(多目的車。日本ではミニバンとも)です。ちなみに欧州ではフルゴネットと呼ばれる商用車ベースの部類になります。

 カングーを語るうえで欠かせない伝統の「ダブルバックドア(観音開き)」は、実は現行モデルの乗用仕様では、世界中で日本仕様にしか存在しません。

 海外仕様の乗用モデルのリアドアは、跳ね上げ式ドアへと一本化されましたが、日本ファンの熱烈な要望を受けたルノー本社が、わざわざバンのドアを組み合わせる特別な開発を行ったのです。

 具体的には、商用モデルであるバンのドアを乗用モデルに組み合わせるという「日本専用」の仕様を、本社が異例の判断で実現させたものです。

 初代や2代目では、観音開きとハッチゲートの両方が設定されていた市場もありましたが、現行型では効率化のため乗用仕様はハッチゲートが主流となっています。それでも日本仕様で観音開きが継続された点は、大きなトピックといえるでしょう。

 カングーの歴史は1997年の欧州デビューから始まり、日本では2002年に初代が登場。2009年発売の2代目は「デカングー」の愛称で親しまれました。

 グローバルでは2020年11月に3代目が初公開されましたが、日本市場への導入は遅れ、2代目が2022年5月まで販売を継続。結果として2代目は10年以上のロングセラーとなりました。

 そして、2023年3月に満を持して現行3代目が日本デビューを果たしています。

 現行モデルのプラットフォームは、日産の「タウンスター」やメルセデス・ベンツ「シタン」(ともに商用バン)と共通する「CMF-C/D」を採用し、走行性能と安全性が大幅に引き上げられました。

 ボディサイズは、フルモデルチェンジのたびに大きくなり、現行3代目は全長4490mm×全幅1860mm×全高1810mmとなりました。

 初代は5ナンバーサイズのカングー、3ナンバーになった2代目は「デカングー」、現行3代目は「どデカングー」と愛情を込めていうファンもいたという逸話があります。

 この約4.5mの全長はトヨタ「シエンタ」よりは長いものの、ミドルサイズミニバンのトヨタ「ノア」より約20cmも短く設計されています。

 いっぽうで全幅は1860mmに達し、これは国産ラージサイズミニバンの王者であるトヨタ「アルファード」の全幅1850mmを10mm上回る数値です。この短尺・幅広なプロポーションが、大人5人がゆったりとくつろげる独自の室内空間を生んでいます。

 パワートレインは、1.3リッターガソリンターボと1.5リッターディーゼルターボの2種類を設定しています。

 ガソリン車の最高出力は131ps・最大トルク240Nmを発揮し、WLTCモード燃費は15.0km/L。ディーゼル車は最高出力116ps・最大トルク270Nmを発揮し、燃費は19.6km/Lを達成、輸入車ミニバンではトップクラスとなっています。

 トランスミッションはともに7速EDC(エフィシエント デュアル クラッチ)を組み合わせ、駆動方式は全車FF(前輪駆動)を採用しています。

 2025年7月にはマイナーチェンジが実施され、ブランドの象徴である新エンブレム「ロザンジュ」を採用しました。

 同時に、10インチデジタルメーターやワイヤレスチャージャーの標準装備化、グレード構成の整理が行われ、全車ボディ同色バンパー仕様が標準となるなど、より質感の高いモデルへと進化を遂げています。

 さらに2026年2月5日には、3列7人乗りの特別仕様車「グランカングー クルール」が台数限定で発売されました(2026年2月23日時点の公式HPによれば、すでに完売、「今後も特別仕様車・限定車として随時導入する予定」と案内されています)。

 カングーの価格(消費税込)は、ガソリン車が419万円、ディーゼル車が439万円となっています。

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 かつてのモデルに比べると価格帯は上がりましたが、充実した装備を考慮すればその価値は十分に高いといえるでしょう。

 商用車譲りのタフさとフランス車らしいエスプリを兼ね備えたカングーは、単なる移動手段を超えた相棒として、これからも日本の道を彩り続けるに違いありません。