ポルトガルでC・ロナウドの絶大な存在感は今も変わらず。ただ、この大エースに依存していないのもまた事実だ。(C)Getty Images

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 これまでW杯優勝を経験していない国で、最もFIFAランキングが高い6位のポルトガル。北中米W杯には7大会連続での出場で、頼れるキャプテンであり、エースのクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)にとって6度目となる大会で、悲願の初優勝が期待される。

 欧州予選はアイルランド、ハンガリー、アルメニアと同居し、決して簡単な戦いではなかった。第5戦はアウェーでアイルランドと対戦し、C・ロナウドの相手への肘打ちによる一発退場もあり、0−2の敗戦を喫したが、最後はホームでアルメニアを相手に、ジョアン・ネべス(パリSG)とブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・U)のハットトリックなどで、9−1の大勝を飾った。

 最も懸念されたのはC・ロナウドの処遇だ。暴力行為によるレッドカードは通常3試合の出場停止となるが、すでにアルメニア戦で1試合を消化。残り2試合は執行猶予が付くことになり、本大会の初戦から出場が可能となるようだ。

 無論、C・ロナウドのリーダーシップやカリスマは現在も絶大だが、彼を欠いたアルメニア戦でも見られたように、戦力的には“C・ロナウド頼み”のチームではない。

 4−3−3の前線にはゴンサロ・ラモス(パリSG)がおり、C・ロナウドとチームメイトになったジョアン・フェリックス(アル・ナスル)も、サウジアラビアで見違えるように得点力を開花させている。
 
 両翼は快速アタッカーのラファエウ・レオン(ミラン)と技巧的なベルナルド・シウバ(マンチェスター・C)がそれぞれの特長を発揮。中盤からはJ・ネベス、B・フェルナンデス、ヴィティーニャ(パリSG)が良質なチャンスを作り出しながら、フィニッシュにも顔を出す。

 ディフェンスラインではレナト・ヴェイガ(ビジャレアル)やルベン・ディアス(マンチェスター・C)が攻撃的なチームを力強く支えており、サイドからビルドアップの名人であるジョアン・カンセロ(アル・ヒラル)が、自在性のある攻撃参加を見せる。

 守護神のディオゴ・コスタ(ポルト)はゴールマウスを守るだけでなく、幅広いプレーエリアで稼働できる、現代的なGKだ。

 個性的な選手揃いのチームをまとめるのは、スペイン人のロベルト・マルティネス監督。パスワークを駆使した攻撃的なスタイルを掲げるが、良い意味で選手のキャラクターを尊重するタイプで、ポルトガル代表の監督向きと言えるかもしれない。その手腕はUEFAネーションズリーグ2024-25の優勝で証明されている。
 
 C・ロナウドをはじめとした経験豊富な実力者にリスペクトを示しながら、伸び盛りの若手をいかに組み込んで、本大会のパワーに変えていけるかが、躍進のためのテーマだ。

 たとえば21歳のFWカルロス・フォルブス(クラブ・ブルージュ)はアタッカーの競争に食い込んでいくべきヤングスターの一人だ。中盤ではJ・ネベスの躍動が目立っているが、ここから半年間で、さらなる新鋭の台頭が期待される。

 守備的なポジションでは22歳のアントニオ・シウバ(ベンフィカ)が、ここからのアピール次第で開幕スタメンのチャンスを掴んでもおかしくない。
 
 そうしたタレントたちがチームとして一体感を維持できれば、ファイナル進出の可能性は十分にある。ポルトガルが戦うK組は、大陸間プレーオフ・パス1(DRコンゴ、ジャマイカ、ニューカレドニア)の勝者、成長著しいウズベキスタン、南米の強豪コロンビアと曲者揃いだが、チーム力を考えれば、ポルトガルが本命であることは疑いない。

 順当に首位突破を決めれば、ラウンド32は他グループの3位チームと対戦することになる。仮に2位抜けなら、イングランドとクロアチアが争うL組の2位といきなり当たるため、連勝スタートで3試合目のコロンビア戦に臨むのが、理想的なプランだろう。

文●河治良幸

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