栄養の偏りが命取りに!? 地球史上最大のツノを持ったシカ「オオツノジカ」が絶滅した原因とは【眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話】

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体じゅうのカルシウムをツノに奪われたシカ「オオツノジカ」

【オオツノジカ DATA】
分類:哺乳類
絶滅時期:第四紀(更新世末)
生息地:ユーラシア大陸

巨大化しすぎたツノが命取り

今から約200万~7700年前のユーラシア大陸北部に、オオツノジカというシカが生息していました。体の大きさは現代に生きるヘラジカほどあり、肩までの高さが約2m、体長が約3.2mと大型のシカです。

最大の特徴は名前に由来する大きなツノ。その最大幅は3.6m以上あり、自身の全長を優に超えています。この大きなツノは、繁殖期に繰り広げられるオス同士の闘いの武器に使われるほか、メスへのアピールにも使われました。

オスにとってのシンボルでもある立派なツノですが、オオツノジカの絶滅原因は、まさにこの大きなツノにあると考えられています。ツノ発達のために、カルシウムをはじめとした多くの栄養が必要だったのです。

氷河期の乾燥した環境では、水分の蒸発が活発であったことから、土壌のカルシウムが食物の中に豊富に含まれ、大きなツノを育むのに十分な栄養を摂ることができていました。

しかし、気候変動によって更新世後期には森林が減少し、食べるものが少なくなってしまうと、ツノにばかり栄養が集まってしまい、体の骨がスカスカになり、ついには滅びてしまったと考えられているのです。

日本でも、本州や九州の数カ所で化石が見つかっています。

地球史上最大のツノを持ったシカ

ユーラシア大陸北部、主にアイルランドに生息。地球上最大のシカ、ジャイアントムースよりは小柄であったが、ツノの大きさは地球史上最大を誇ります。

日本にもオオツノジカが生息していた!

約1万2000年前に、ヤベオオツノジカというシカが日本列島に生息していたことがわかっています。ツノの幅は1.5m、高1.8m、体長2.6mとユーラシア大陸のオオツノジカよりは小型ですが、ニホンジカよりははるかに大きなサイズです。

巨大なツノが絶滅の引き金に!

氷河期

氷河期のころは、地中のカルシウムを豊富に蓄えた森林が豊かだったため、オオツノジカやジャイアントバイソンなどカルシウムを多く必要とする大型動物たちを育むことができる自然環境でした。

更新世後期

気候変動により森林が減少し、栄養不足に。体じゅうのカルシウムが大きなツノに奪われ、骨がスカスカになって死んでゆくシカが増えたと考えられています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』監修:今泉忠明