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ホンダアクセスとの出会いと『実行空力』の理解

ホンダアクセス主催の『新旧プレリュード純正アクセサリー装着車試乗取材会』に参加してきました。

【画像】新旧プレリュードを通してホンダアクセスの底力を実感 全21枚

そもそも、私が初めて自分の新車として選んだのは、ホンダ・ヴェゼル。そのときに装着したブラックのエンブレムやモデューロ・パーツが、私にとってホンダアクセスとの最初の出会いです。


新型プレリュード・スポーツ・スタイルは軽やかで上質、そして穏やかにスポーティです。    黒木美珠

純正ならではの品質と信頼性、そしてデザイン性と実用性を兼ね備えたアイテムは、今も印象に残っています。クルマの魅力をさりげなく引き立てながら、安心して使える。その体験があったからこそ、私はホンダアクセスという会社に特別な思い入れを抱いています。

そして今年初め、ホンダアクセス主催の『実行空力体験試乗会』に招いていただいたことで、その思いはさらに深まりました。

そこでは、ホンダアクセスがどのように誕生し、どのような経緯でこの言葉を掲げるようになったのかを学びました。さらに、DIY体験を通じてその思想を体感。クルマの走りを『空気の流れ』で支えるという発想を、実際に自分の手で触れながら感じた時間でした。

この考えが本格的に採用されたのは2008年、シビックタイプR向けのエアロパーツ開発においてのことだそうです。前後のリフトバランスを最適化することで、4輪すべてのタイヤとサスペンションの性能を最大限に引き出す。見た目の美しさの裏に、確かな空力理論が息づく、この思想こそが、ホンダアクセスのものづくりを支え続けています。

歴代プレリュードとホンダアクセスの挑戦

今回の主題であるホンダ・プレリュードは、ホンダアクセスの開発史でも特に深い関わりを持つモデルです。

1982年の2代目で、同社は初めてデザイン性を目的とした純正アクセサリー『リアスポイラー』を設定。当時は実用性重視が主流だっただけに、スタイルアップを意識した純正パーツは革新的でした。


DIY体験を通じて、『実行空力』の思想を体感。目には見えない空気の流れがしっかりわかりました。    黒木美珠

続く1987年の3代目では『トランクスポイラー』が大ヒット。空力を考慮した造形とLEDハイマウントストップランプを純正で初採用し、機能とデザインを兼ね備えた画期的なアイテムとなりました。

1991年登場の4代目では、先代で大ヒットしたトランクスポイラーは定番化。パーキングセンサーやハンズフリーステレオなど、当時としては先進的な純正用品も続々登場しました。

そして1996年の5代目プレリュード。初のエアロパーツ設定をはじめ、ローダウンサスペンションやインチアップアルミなど、初ものづくしの純正アクセサリーを展開します。

フロントやサイド単体でも空力効果を発揮できるよう風洞実験とテストを重ね、リフトバランスを崩さず走行安定性を高める設計を実現。これが、のちに体系化される『実行空力』思想の原点です。

そして、その理念を受け継ぐのが、今回試乗した純正アクセサリー装着モデルの新型プレリュード・スポーツ・スタイル。

24年ぶりに復活した6代目プレリュードは、ホンダ独自の電動化技術『S+シフト』を搭載し、電動化時代に新風を吹き込むスペシャリティスポーツとして登場しました。そこにホンダアクセスが手掛ける純正アクセサリーが加わることで、より洗練されたスタイルへと昇華しています。

具体的には、フロントロアスカート、グリルモールディング、ブラックエンブレムがフロントマスクを引き締め、サイドにはドアバイザーやマッドガード、足もとには19インチアルミホイールとセンターキャップを装着。さらにドアハンドルプロテクターとテールゲートスポイラーを組み合わせ、実用性と空力性能を両立させています。

特にフロントロアスカートとテールゲートスポイラーは、5代目で確立された『リフトバランスを整える』という思想を継承し、さりげなくドレスアップしながらも機能を追求するという、純正クオリティの真髄といえる仕様です。

試乗で感じた『実行空力』の進化と継承

実際に走らせてみると、その完成度の高さに驚かされました。

まず、ボディ一体型のドアノブは慣れれば操作しやすく、筆者のようにネイルをしていても、ドアハンドルプロテクターのおかげで開閉時に気を遣いすぎずに済みました。


会場にて1997年式5代目プレリュードを撮影。スポイラーが印象的です。    黒木美珠

ドアを開けて乗り込むと、意外にも視界が広く開けていることに気がつきます。車高が低いため閉塞感を覚えるかと思いましたが、実際は見晴らしが良く、ピラーの位置も絶妙。シートは体を程よく支える形状で、長時間でも快適に過ごせそうです。

エンジンを始動すると、驚くほど静か。シフト操作はボタン式で独特の近未来感があります。走り出すとアクセルフィールがとても軽やかで、踏み込みに対する反応が自然。スタート地点は住宅街の細い道でしたが、ボンネットの峰が目印となり、車両感覚をすぐに掴むことができました。

また、路面の凹凸や舗装の荒れた箇所でも乗り心地は上質で、段差を越えてもショックをうまくいなしてくれます。短い試乗ながら、直線で軽く加速した際の伸びやかさには思わず笑みがこぼれました。

軽やかで上質、そして穏やかにスポーティ。これが、私が新型プレリュード・スポーツ・スタイルから受けた第一印象です。

1980年代から続くプレリュードとホンダアクセスの歩みを振り返ると、同社が常に時代のニーズを読んできたことを感じます。ドレスアップから始まった挑戦は、やがて『実行空力』という理論へと昇華し、その思想はいま、新型プレリュードに確かに息づいています。

最新のモデルに乗り込み、風を感じながらステアリングを握ったとき、単なる復刻ではなく、過去と未来をつなぐ継承を実感しました。見た目の美しさの裏に、走りの確かさがある。そのバランスこそが、ホンダアクセスが半世紀にわたり守り続けてきた本質なのだと思います。

新型プレリュード・スポーツ・スタイルは、その歴史と情熱の集大成であり、次の時代のホンダアクセスを予感させる1台でした。