オートマを買うことに恐怖心を感じるオーナーまで! 遅くても不便でも下手くそでもMT車に乗る人の7つの本音

この記事をまとめると
■MT車はエンジンとギヤを自分で操れる点に最大の魅力がある
■運転に集中でき、ヒール&トゥなど操作の楽しさも味わえるのが大きな魅力
■不便でも「慣れ」「愛着」「プライド」がMT車を選ぶ理由となり根強い支持がある
いまだ根強い「MT党」
いまや日本の新車におけるMT車の割合は1%程度といわれるほど。とはいえ、根強い人気があることも事実です。筆者もMT車を所有していますが、イメージどおりにシフトチェンジできたときのヨロコビは、何度味わってもやめられません。
そんな「MT車じゃなければダメなのよ」といいきるMT車至上主義、それもクラッチペダルつき(3ペダルMT車)の人の声をまとめてみました。
■自分でエンジンやギヤをコントロールできる
3ペダルMT車の魅力といえばこれに尽きるのではないでしょうか。クルマにダメージを与えず、なおかつ合法であれば、どのタイミングでシフトアップ&シフトダウンするか、すべて自分自身で判断し、実行できます。

燃費走行に徹したいときはエンジンの回転数をそれほど上げずにシフトアップを行えばいいし、高速道路の合流では目いっぱい加速してもいいのです。機械に任せたほうがスムース? そんなことは百も承知。自分の意思でシフトチェンジすることが重要なのです。
■ブリッピングも自分の意思で
頭では「必要ない」とわかっていても、ワインディングを走っているときにヒール・アンド・トゥを使ったシフトダウンを楽しんでいる人もいるはず。人間が操作することですから「いまのは完璧」や「いまのはミスった」など、操作も一定ではありません。

なお、最近の3ペダルMT車には「オートブリッピング機能」なるものが装備されており、人間が行うよりもはるかに的確でスムースにブリッピングしつつ、シフトダウンしてくれます。これはこれで楽しいのですが、たとえ下手くそでも自分自身で操作してみたいドライバーにとっては、任意にオフにできるとさらに便利なんですけどね。
■自分でシフトチェンジするから運転に集中できる
3ペダルMT車に乗る以上、状況に応じて最適なギヤを選択する必要があります。大排気量&大パワー&トルクのクルマであれば、AT車感覚で運転できてしまうかもしれませんが、それにしたって乗りっぱなしというわけにはいきません。そのまま乗りつづけたらエンストしてしまいます。

発進時にはギヤを1速に入れた状態でクラッチミートする必要がありますし、2速→3速とシフトアップしていかなければ加速しません。低排気量のクルマ、パワーが低いクルマであれば、絶えずシフトアップ&ダウンの操作が求められる場面もあります。運転が退屈で居眠り運転なんてヒマはないのです。
慣れ親しみも大きなファクター
■AT車に乗り換えると運転が下手になるような気がする
3ペダルMT車の運転には鍛錬が必要です。いかにスムースに、まるでAT車のような運転ができるようになるにはそれなりの経験と努力が必要です。AT車に乗り換えることも考えないことはないけれど、自分が一気に運転が下手になってしまう気がしてならない。

さらに核心に迫ると、「ここでAT車に乗り換えたら、もう3ペダルMT車に戻れないのではないか」という怖さを本能的にわかっているのです。事実、周囲の友人・知人の多くがAT車や2ペダルMT車に乗り換えたまま、3ペダルMT車には戻ってきませんでした。自分はそうなるまい、とはいいきれないのです。
■ずっと乗ってきた愛車が3ペダルMT車だから
1台のクルマと長く付き合ってきた人にとって、人生をともに歩んできた相棒に変わる存在なんていません。それほどかけがえのない存在なのです。若いときに手に入れたクルマがたまたま3ペダルMT車だったというだけ。乗り換えるつもりも理由もない以上、不便だろうと何だろうと、変わることなくこのまま乗りつづけることになります。

いま、GRヤリスやGR86、フェアレディZ、ロードスターなどの3ペダルMT車を所有するオーナーさん、そのまま30年乗り続けたら羨望の眼差しで見られるかも。そのときまで、部品供給が続くことを祈ります。
■クラッチペダルがないと落ち着かない
長年、3ペダルMT車に慣れ親しんだ人が車検の代車でAT車を借りてきたときに共通するコメントが「なんか落ち着かない」です。もはや習慣になっている、シフトアップ&ダウン時にクラッチペダルを踏むという行為。無意識に左足が動いてしまうけれど、そこにはなにもなく、あったとしても足踏み式のサイドブレーキくらい。「クラッチペダルがないと落ち着かない」という人種は確かに存在します。

■AT車がいまほど普及していない時代の人にとってはMT車が基本だった
AT車のことを「ノークラ」なんて呼んでいた時代の人にとってはMT車が基本。AT車(ノークラ)は苦手という人が多かった時代が確かにありました。いまや遠くなりにけり、な昭和の時代の話です。AT車の新車販売台数が3ペダルMT車を上まわったのが1994年前後とされ、現在ではAT車が99%、MT車が1%という割合です。ちなみに、教習所でAT限定免許が解禁されたのが1991年でした。

今回、3ペダルMT車オーナーの声を集めてみて、「俺(私)は3ペダルMT車に乗っている」という自負やプライドを少なからず感じました。
昭和から平成を経て、令和の時代にはすっかりマイノリティとなった「3ペダルMT車使い」ではありますが、だからこそ後世にこの機構の魅力を伝える伝道師として、奮起することを願うばかりです!

