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DS本来の姿を体現したモデル

最新のNo8こそ、DS本来の姿を体現したモデルかもしれない。シトロエンから独立し、プレミアムブランドとして再出発したDSによる、新たな挑戦でもある。メルセデス・ベンツやBMWなどのユーザーを振り向かせるという、大きな期待を背負っている。

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プロポーションは独特だ。ルーフラインはファストバック風で、長いリアドアはリムジンのようでもある。車高は1580mmと高めで、クロスオーバーに近い。筆者の第一印象では、直接的なライバルは思い浮かばなかった。スタイリッシュなことは間違いない。


DS No8 エトワール・ハイレンジ(欧州仕様)

DSがベンチマークだと主張するのは、価格や性能では、メルセデス・ベンツGLCやアウディQ6 e-トロン。一方、価格帯はQ4 e-トロンに属するところがポイント。コストパフォーマンスの高さも、強みの1つに設定されている。

上級バッテリーEVの競争は、他に増して厳しい。プレミアムさを狙いつつ、低めの価格で訴求するというのは、やや矛盾するように思える。このクラスのユーザーは保守的でもあり、馴染みのないディーラーへ足を向かわせるのは簡単ではない。

基礎骨格はSTLAミディアム 航続は最長749km

No8は、間接的に上級サルーンの9を置き換えるモデル。その販売は低調で、2020年の発売以来、英国では139台しか売れなかった。だが大胆なスタイリングと上質なインテリア、長い航続距離との相乗で、巻き返しを図ることになる。

プラットフォームは、プジョーe-3008やシトロエンC5 エアクロスなども採用する、STLAミディアム。パワートレインは3種類あり、ベーシックな259psのシングルモーターには73.7kWhの駆動用バッテリーが組まれ、航続距離は最長571kmが主張される。


DS No8 エトワール・ハイレンジ(欧州仕様)

280psのシングルモーターでは97.2kWhへバッテリーが増量し、最長749km。合計350psのツインモーターも選べるが、航続距離は655kmへ縮まる。急速充電は最大160kWまで。理想条件なら、27分で残量20%から80%へ回復できる。

エントリーグレードはパラス。装備は充実し、無線でのスマートフォン・ミラーリング機能にスマホの充電パッド、バックカメラ、前後のシートヒーター、デュアルゾーン・エアコンなどが備わる。エトワール・グレードでは、フロントグリルが光る。

プレミアムな車内空間 後席側はやや狭め

インテリアデザインは、スタイリングと同様に興味深い。肌触りの良い贅沢な素材が惜しみなく用いられ、ゴージャスな雰囲気の醸成に成功している。

前席側は、ダッシュボードからドア側へ繋がるように、アルミニウム製の化粧パネルが展開。両端の大きなアルミ製エンドプレートには、間接照明とスピーカーが内蔵され、グラブハンドルも兼ねている。


DS No8 エトワール・ハイレンジ(欧州仕様)

後席側は前後方向に広く、リラックスした体勢を取れる。ただし、なだらかに傾斜したルーフラインの影響で、上下方向は狭め。ガラスルーフで高さを稼いでも、筆者にはやや窮屈に感じられた。リムジンを置換するなら、もう少しのゆとりはあって良い。

プジョーやシトロエンと共有するスイッチも

ダッシュボード中央のタッチモニターは16インチで、現在では最大級。全体のデザインへ自然に馴染んでおり、高さが低いため、運転中の視界にかかることはない。

インフォテインメント・システムの反応は素早く、メニュー構造も覚えやすく操作しやすい。実際に押せるハードボタンが複数残され、アナログとデジタルのバランスは好ましい。ドアミラーや運転支援システムにも、独立したボタンがある。


DS No8 エトワール・ハイレンジ(欧州仕様)

ただし、DSが属するステランティス・グループの他ブランドと、共有するスイッチ類も存在する。プジョーやシトロエンでは充分な質感かもしれないが、いかにもプラスティックで、特別な空間を濁しているように感じられた。

荷室容量は560Lと充分。リアガラスが大きく倒れており、高さ方向が限定的ではある。

走りの印象とスペックは、誕生 DS No8(2)にて。