森保Jは「W杯で成功するのは難しい」 英記者、“スピード頼み”の攻撃アプローチへ持論
中国戦よりも実用的な試合内容で、サウジアラビアを撃破
森保一監督率いる日本代表は2月1日、ホームで行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第8節サウジアラビア戦に2-0で勝利した。
かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、FW伊東純也のスピード頼みの攻撃だけでは「W杯で成功するのは難しい」と見解を述べている。
◇ ◇ ◇
プロフェッショナル、そして現実的。興奮や感動につながる言葉ではないが、森保一監督の下でW杯出場を目指すチームを表すにはこれらの言葉が最も適しているだろう。
火曜日に埼玉スタジアムで行われたサウジアラビアとの一戦。サムライブルーがアジアでこれほどボールを支配されたことは今までにほとんどなかった。しかし、どれだけの批判を浴びようとも、2-0の勝利で勝ち点3を獲得し、カタールへ一歩近づいたことに指揮官は満足しているはずだ。
日本のパフォーマンスには人を魅了するような部分はほとんどなかった。先週の木曜日に行われた中国戦(2-0)と比べてもより実用的な試合だった。サウジアラビアはあえて攻撃的に主導権を握ろうとしていた。森保監督はエルヴェ・ルナール監督のチームに対してあえてボールを渡し「あなたたちの力を見せてくれ」とでも言っているかのようだった。
実際、サウジアラビアのほうは日本を相手にほとんど何もできなかった。最終予選のなかでは最悪のパフォーマンスと言っても過言ではないだろう。一方の森保監督はチームの組織力とMF遠藤航、MF守田英正を中心とした中盤の粘り強さに絶対に自信を持っていた。
サウジアラビアは約60パーセントのボール支配率を記録したが、シュートチャンスはわずかに2回。それもGK権田修一に危険を与えるようなものではなかった。
主導権を握ったサウジアラビアだったが、それによってFW伊東純也のスピードによる罠に何度もはまった。日本のシンプルな攻撃のアプローチはアジアのレベルでは非常に効果的だ。相手をおびき寄せ、DF酒井宏樹からの高速パスで伊東に自由を与えている。
そうした結果、ヘンクのウインガーはこの最終予選の日本代表にとって最も影響力の大きな選手となった。日本にはテクニシャンや繊細なボールプレーヤーが多いなかで、伊東のようなダイレクトなアプローチが最も効果を発揮している。
伊東は不可欠となったが、スキルを備えた才能豊かな選手たちも数多く存在
サウジ戦で最終予選4試合連続ゴールを決めた伊東は今予選8試合で4得点。次点のFW大迫勇也よりも2点多い日本のトップスコアラーだ。彼のシンプルなアプローチは日本にとって不可欠となった。
もちろん議論すべき点は残っている。日本のサッカー界にはより洗練され、かつ見るものを楽しませる方法で相手の守備を崩すクリエイティビティーとスキルを備えた才能豊かな選手たちも数多くいる。
森保監督はそういったゴールへのアプローチを信頼していないようだが、彼のその一面的なスタイルではよりレベルの高いW杯で成功するのは難しいだろう。
日本は5連勝で首位のサウジアラビアに1ポイント差まで詰め寄った。3月にシドニーでオーストラリアに勝てば、7大会連続でのW杯出場が決定する。多くの人にとっては、それこそが最大の目標となる。
しかし、森保監督は出場権を獲得した後で、11月の本大会開幕までに日本の力を最大限に引き出すことができるのだろうか?
苦戦を強いられた今回の予選突破が無事に達成された時、あらためてこの森保監督に対する疑問が問われることになるだろう。(マイケル・チャーチ/Michael Church)
