パルチザンからの退団が発表されたFW浅野拓磨【写真:Getty Images】

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中東からの獲得オファーに合意、クラブ側の対応が退団への要因と現地メディア報道

 日本代表FW浅野拓磨がセルビア1部パルチザンとの契約を解除したと発表した問題で、セルビアメディア「レプブリカ」は、クラブを退団した理由として中東からのオファーを受け入れたことが背景にあったと報じた。

 浅野は自身のSNSなどを通じ、パルチザンとの契約解除を発表。しかし、クラブ側は一方的な契約不履行との見解を示し公式サイトで「根拠のない退団と契約条項の違反により、すべての法的手段を取り、FIFA(国際サッカー連盟)の管轄機関に対して訴訟を起こす」と訴えるなど、波紋が広がっている。

 パルチザンを退団した要因について、浅野は度重なる給与の未払いが要因だと明かしていたなか、「レプブリカ」は同国の「テレグラフ」紙からの独占情報として、中東からの500万ユーロ(6億円)のオファーをクラブ側が受け入れたことが背景にあると指摘している。

 クラブの財政的な事情から今夏での退団が報じられていた浅野は、欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)への移籍を希望していたとされる。浅野が去った「本当の理由」との見出しが打たれた記事によると、ドイツやフランスのクラブから関心を示されたもののその高額な移籍金から交渉は進まなかった一方、中東クラブから要求額に見合うオファーが舞い込み、クラブ側は移籍に合意。これを受けて浅野は「アジアではなく、欧州にしか行きたくないと首脳陣に怒りをもって反論した」と綴られている。

 クラブ側の「不誠実な対応」も退団への決め手に挙げていた浅野とパルチザン側は現在のところ対立構造にあるが、果たして互いの妥協点を見つけられるだろうか。(Football ZONE web編集部)