アリーナ・ザギトワ【写真:Getty Images】

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活動休止のザギトワ、露メディアは事実上の引退強調

 フィギュアスケートで2018年平昌冬季五輪女王のアリーナ・ザギトワ(ロシア)が、13日に活動休止することを発表した。五輪女王の一報に海外ファンも驚いた様子。母国のロシアメディアは活動休止を「運命のブーメラン?」と表現し、金メダリストの事実上の引退を強調している。

 世界に波及したザギトワの活動休止宣言。ロシアメディアも一斉に報じた中で、五輪女王の引退を強調したのはロシアメディア「life.ru」だった。「運命のブーメラン? いつかはザギトワがメドベージェワを下へ追いやった、今回はジュニア上がりの3人が彼女を追い出した」の見出しで記事を掲載。世代交代が進んでいることを報じている。

 アレクサンドラ・トルソワ、アンナ・シェルバコワ、アリョーナ・コストルナヤというロシアの天才少女3人が台頭。ザギトワは押し出されるように活躍の場を失い、活動休止となった。記事では「ザギトワが軽い練習をしている間に、リンクで全ての人を倒す彼女のライバルたちはさらに危険で、より経験のある存在になるだろう」と説明している。3人娘がさらに成長することで、復活の場がさらに狭くなると想定。そして、こう続けた。

「同門の後輩たち全員に敗れ最下位に終わったGPファイナルが顕著な例となった。そこにはある種のブーメラン的なものさえある。幼いアリーナ・ザギトワは平昌五輪で自分の友達で同門のエフゲーニャ・メドベージェワを下へ追いやった。今回はジュニアあがりの3人がそのアリーナを下へ追いやった」

国営放送で発表した意味、露メディア「自分たちのSNSではなく…」

 同メディアでは、平昌五輪で金メダルを獲得したザギトワの存在が、3歳年上のエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)を銀メダルに追いやったとしている。

 活動休止という発表だったが、同メディアは「彼女がこの発表を、今一般的に多くの人がそういう発表をする自分たちのSNSではなく、国営放送の中継で行ったことを心にとめてほしい」と強調。多く国民が視聴する場で思いを伝えたことで、引退の可能性が高いとしている。

「彼女の競争相手は皆、もう4回転ジャンプを跳ぶが、彼女は跳べない。彼女たちとリンクの上で競い合うことは単純に困難なだけでなく、自分にこう言わせてしまうのだろう、『意味がない』と」

 休養を挟んだのち、復活する場がなく事実上の引退になると強調している。若くして一時代を築いた女王は戻ってくるのだろうか。母国でも注目が集まっているようだ。(THE ANSWER編集部)