井上尚弥【写真:荒川祐史】

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決戦まであと2日、バンタム級の強打者2人が描く展開は?

 11月7日にさいたまスーパーアリーナで行われるボクシング・ダブル世界戦の公式会見が5日、都内のホテルで行われた。ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝では、WBA・IBF王者・井上尚弥(大橋)がWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)と激突する。1年超の最強決定戦のフィナーレで、2人は展開を描いているのか。KO決着必至の“高度な殴り合い”が見られそうだ。

 決戦まで2日。ひりつくような緊張感とはまだ遠い。井上とドネア、“新旧バンタム級スター”は優勝者に贈られるモハメド・アリ・トロフィーを挟んで約15秒、視線を交錯させたが、両者ヒートアップするような場面は見られなかった。全てを出すのはリングの上。思いは共通している。

 井上は「決勝まで残り2日。ようやくこの舞台まできたなと。決勝でドネア選手と戦える。一番の望んでいた決勝で戦えるのは楽しみです。ドネア選手はプロ転向前からずっと見てきた選手で、憧れの一人なので、その選手とこの決勝で戦えることが誇り」とまず相手への敬意を口にすれば、ドネアも同様の反応を示した。

「特にこのWBSSの決勝で、イノウエと対戦する事実が特別な気持ちを芽生えさせている」。互いが相手へのリスペクトを持ってリングに上がることになる。

 2人は火花を散らすことはなかったが、リング上ではハイレベルな強打の応酬が予想される。井上は18勝のうち16KOをマーク。現在8連続KO中で、特にバンタム級昇格後の3試合は、世界王者経験者3人を合計441秒でKOするという圧倒的な強さを示している。

ザワーランド氏KO決着予告も…ドネアは「どのような結果になるかは予想がつかない」

 一方のドネアも40勝のうち26KO。“フィリピーノフラッシュ”と呼ばれる左フックをキラーブローとし、KOの山を築いてきた。バンタム級での5戦では4KO。軽量級離れしたパンチ力は衰えていない。

 大会プロモーターのカレ・ザワーランド氏が「素晴らしいパンチャー同士。どのような試合になるか想像にたやすい」と興奮気味に話したように、KO決着必至との見方が多数を占めるが、当人たちはあらゆる展開を想定しているようだ。

 井上は「体調はすごくいい。最大のパフォーマンスが発揮できる。2戦、最高の形の試合ができているので、決勝も変わらないパフォーマンスを見せたいと思っている」と絶好調を宣言しつつも、「KOでも判定でもどちらに転んでもいい。準備はしてきた。すべては向き合ってから考えていきたい」と多くを語らず。またドネアも「我々のスキルレベル、パワーを考えると、どのような結果になるかは予想がつかない」と話すにとどめた。

 倒して勝ってきた“KOの美味”を知るもの同士が上がるリングで、演じられるドラマとは――。一発当たればマットに沈める破壊力をもつ、両者の攻防からは一瞬たりとも目が離せない。(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)