辞書を英語学習の相棒に【ラジオ英会話】
#ジショバディ
英語学習に辞書は必須。でも日本語訳を見ただけで、パタンと閉じていませんか?
辞書は学習者にとっての相棒(バディ)。辞書があれば、英語のギモンが解決し、英語がもっと楽しくなるんです! 「ラジオ英会話」ではそんな辞書の魅力と英語力アップのための活用法を「#ジショバディ」という連載で紹介しています。
今回は「ラジオ英会話」4月号より、「#ジショバディ」の第一回をお届けします。
石原健志
大阪星光学院中学校・高等学校教諭。京都外国語大学大学院英米語学専攻修了(生成文法)。神戸市外国語大学大学院英語教育学専攻修了(第2言語習得理論)。神戸市外国語大学大学院博士後期課程在籍。著書に、『英文法のテオリア』(共編著、Z会)、『辞書で身につく本当の英語力』(大修館書店)など。『ベーシックジーニアス英和辞典 第3版』(大修館書店)の「単語ボード」を執筆。
辞書は好奇心を呼び覚ますバディ!
僕は、英語を学び始めたころからずっと辞書を使い込んできました。箱が壊れて、インデックスが黒くなり、カバーが取れて、最後は辞書の背が割れるまで使いました。ここまで使えば「新しい辞書を買ってもらえるかな~」なんて思いながら、全ページにマーカーを引くくらい一生懸命辞書を引いていました。
なぜそんなに辞書を引いていたか。今振り返ってみると、辞書を引くことで日々の学習に「小さな発見」が加わっていたからです。
「知ってる単語」こそ辞書を引けッ!!
ふだん「ラジオ英会話」を聞いてくださっている皆さんは、高校生・大学生、あるいは社会人として独学を続けている方など、背景もさまざまでしょう。どの立場であっても、英語の上達には「気づき」と「正しい知識」が欠かせません。その両方を手軽に、かつ確実に与えてくれるのが辞書なのです。
辞書は、スマホ検索とは異なり、単なる「情報」だけではなく「説明」が詰まっています。語の使い方、似た表現との違い、文法・語法の注意など、必要なことを静かに教えてくれる“先生”のような存在です。ただし「静か」であるがゆえに、こちらから問いかけないと答えてくれません。そんな静かな先生である辞書を使いこなす極意、それは「『知ってる単語』こそ辞書を引けッ!!」なんです。
単語の解像度が上がる辞書の見方
では、さっそく誰もが知っているmanyを引いてみましょう。manyは「多くの」という意味で、中学校1年生で出てくるような単語。おそらく「意味はわかっている」と多くの人が認識している単語でしょう。「わかっている」と思っている単語について、自分が聞いたり、読んだりしている中に出てきたとき、改めて辞書を引いてみたことはあるでしょうか。
『ベーシックジーニアス英和辞典 第3版』(大修館書店)より
many の項を英和辞典で実際に引いてみました。そこでまず目に飛び込んでくるのが「多くの,たくさんの」などの〈語義〉ではないでしょうか。しかし、よく見ると、辞書のページには「語義」以外にも多くの学びがあります。
今回のmany の例では〈使い分け〉というところにも注目してみましょう。ここにはまさに「many の使い方の注意点」が書いてあります。「話し言葉において,肯定文ではa lot of が好まれる.否定文・疑問文ではmany が好まれる」と書かれていますね。
皆さん、many とa lot of、どちらもよく使う言葉だと思いますが、こんな使い分けがあることを知っていましたか? 話すときに意識したことはあるでしょうか? 辞書を引くことで、many の使い方の解像度がぐっと上がりましたよね。
「意味」を確認するだけでなく、単語の使い方の解像度を上げてくれる辞書。そんな辞書を活用するにはいろいろな方法がありそうです。あなたも辞書を相棒(バディ)にして、英語力アップを目指してみませんか。
■「ラジオ英会話」2026年4月号より
