創作は誰のものか 生成AIが広げた参加の裾野
かつて創作は、技術や経験を持つ人の領域と見られがちだった。その境界が、ここ数年で静かに揺らいでいる。非クリエイターと呼ばれる層にも変化が広がり、創作との距離は確実に縮まっているようだ。
AMBI株式会社が実施した調査によると、生成AIを使った創作経験がある非クリエイターは15・7%で、およそ6人に1人にあたる。調査は20代から50代の男女2109人を対象にインターネットで行われたもので、モニター提供元はRCリサーチデータとされている。
興味深いのは、創作経験者のうち29・9%が、AIを使う前はまったく創作をしていなかった点だ。一方で30・2%は以前から関心を持っていたと回答しており、潜在的な意欲が技術によって引き出された構図が見える。さらに、AI利用後に創作の幅が広がったと答えた人は34・1%にのぼった。
実際の活用内容では、イラストや画像、写真の生成が73・7%と突出し、企画のアイデア出しが29・3%、文章作成が27・8%と続く。視覚表現を起点に、他の分野へと広がる傾向もうかがえる。
創作との距離感については、やや身近になったが63・8%、非常に身近になったが28・4%で、合計92・2%に達した。多くの人が、程度の差はあれど創作を自分ごととして捉え始めている。
創作の敷居が下がることで、新たな表現が生まれる可能性は高まる。一方で、誰もが作り手になれる環境は、質の評価や独自性のあり方を問い直す契機にもなる。広がる参加の中で、創作の意味そのものが再定義されつつある。
