子連れ・シンママ再婚にバッシング過熱…音喜多駿氏も苦言「私も継父。属性だけで危険視するような言説は立ち止まってほしい」 京都男児遺体遺棄事件巡り

京都男児遺体遺棄事件で、母親の再婚相手である父親が逮捕された。このことをきっかけに、SNSでは子連れの再婚、中でもシングルマザーの再婚について何らかの事件につながるなどと危険視するような偏見や、誹謗中傷の声が上がっている。
ニュース番組『わたしとニュース』では、ステップファミリーに対する偏見やネット上の言説が与える影響について、ジャーナリストの滝川麻衣子氏とともに考えた。
■事件を機に噴出する“ステップファミリー”への偏見
SNS上の危険視する言説の中には、過去にあった別の事件にも触れながら、再婚などを「法的に禁止すべき」などの極論もある。また、「子どもを引き取るなら男を作るべきじゃない。本当に危険」「偏見持っちゃいけないけど、子どもがいる人とすぐ再婚・同居は危険」といった声もあがっている。
一方で、こうした言説に対して「偏見すぎるでしょ」「報道で出るからそう見えているだけ」「おかしいのは組み合わせだけで決めつける考え方」という反論もあった。
そんな中、自身もステップファミリーである元参議院議員の音喜多駿氏の投稿も注目されている。
「私はステップファミリーの父親。つまり継父です。7歳で娘が養女となり、子どもたちと向き合う中で、血のつながりがない親子関係の難しさも、その豊かさも身をもって感じてきました。だからこそ『継父という属性』だけで危険視するような言説には、どうか少し立ち止まって考えてほしいと思います。同じように悩みながら真剣に子育てに向き合っている継父・ステップファミリーの方々がいます。こうした言説がそういった家族やその思いをさらに孤立させることにならないか」(音喜多氏のXより)
ステップファミリーとは、子連れの再婚などで実子ではない子どもを含む家族の形を指す。
世の中には多くのステップファミリーの形があり、良好な関係を築いている人たちがいる中で、属性だけを抜き出して非難する風潮について、滝川氏は次のように語った。
「今回の事件はショッキングだから、いろいろな反応が起きてしまうのは無理もないのかもしれないけれども、発言は本当によく気を付けた方がいいと思う。子連れ再婚であったりシングルマザー家庭であったり、ステップファミリーそのものに対して偏見や差別をさらに増長する話にほかならない。これをもって一般化することの危険性は本当によく考えた方がいい」
「『法的に禁止すべきだ』という極端な意見がある。子どもが被害者になるのだからと心配しているように見せかけてはいるけれども、ステップファミリーや血のつながりのない親子関係をいろいろな状況の中で前進させようと真摯に向き合っている人たちをより生きづらくさせている。その家庭にいる子ども自身への攻撃になっていることに思い至るべきだと思う」
さらに、「日本は血縁主義が強い社会。そんな中でステップファミリーがいろいろなことを乗り越えようとしながら生きているのから、そこをどうやって孤立させずに支援すべきかが論点だということに、わかっていると思うけども立ち返ってほしい」と話した。
■ネットの心ない声が当事者に与える深刻なダメージ
過激な言説がさらに孤立を深めないかという点について、ステップファミリー当事者からの相談も受けている精神科医の益田裕介医師は「世間からの心無い言葉を目にすると、直接誹謗中傷を受けたようなストレスを感じることがある」「傷つくとマイナスな言動を探したくなり、余計に傷つく」「日頃から気にしていること等も含まれており、言い当てられたような衝撃を受ける」と指摘。
そして、急性ストレス反応として「過去の嫌な出来事を思い出す」「イライラする、泣きやすくなる」「身体症状(動悸・不眠等)」が起こり得るという。
こうした言葉を目にしてストレスを感じてしまった場合について、益田医師は、「まずはしっかり休むこと。症状がある場合は専門家に相談してほしい」「匿名の人の無責任な発言であり、自身をおとしめる必要はない。冷静に事態を把握してほしい」としている。
さらに、子どもの場合は「ストレスを自覚できずに行動で表現してしまうこともあるため、気付いた場合はいつもより叱るのは控え、優しくしてあげる」などの対処が必要だという。
(『わたしとニュース』より)
