『リブート』©TBS

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 鈴木亮平が主演を務める日曜劇場『リブート』(TBS系)が、いよいよ最終回を迎える。前回第9話のラストで、儀堂=早瀬(鈴木亮平)&一香=夏海(戸田恵梨香)と手を組んでいた真北正親(伊藤英明)が、実は合六亘(北村有起哉)側の人間だと明らかになり、夏海は絶体絶命のピンチに陥った。一方の早瀬も、冬橋(永瀬廉)が逃そうとしたところに菊池(塚地武雅)や霧矢(藤澤涼架)が現れ、逃げ場を失う絶望的な状況で幕を閉じた。いったい誰が2人を助けるキーマンとなるのか? 物語の行く末について予想してみたい。

参考:『リブート』明かされた警察内のスパイの正体に驚愕 早瀬と夏海が迎えた絶体絶命の危機

 最終回のキーマンとなるのは、やはり真北だろう。彼の目的は、過去に妻がひき逃げ事件を起こしたことで自身の出世の道が閉ざされ、引け目を感じている妻の笑顔を取り戻すこと。それには、野党第一党党首の兄・真北弥一(市川團十郎)が総理大臣になり、再び出世街道へ戻してもらう必要がある。つまり、妻の為に兄や合六に協力をしている「こっち側の人間」だと彼は語った。

 ただ、これは信じ難い。そもそも、第7話ですでに3人が会合しているのを目撃した早瀬が真北に問うシーンがあっただけに「ですよね」としか思わないし、それが合六と弥一の味方のふりをしたスパイなら、一香の前でそううそぶくのは当然の話。では真北の狙いは何か。

 当初、真北が儀堂に二重スパイを持ちかけた際に、「クジラを吊り上げるため、合六が政治家に金を流している証拠を見つけてくれ」と取引をしていた。いまだその証拠となるものは掴めていないので、100億の取引が行われる現場の証拠を掴むまで、猫を被っているのではないか。

 真北が正義側でなければ、儀堂に二重スパイをさせたり、早瀬に「スマホが盗聴器になっているのでアルミホイルを巻くように」というアドバイスはしないだろう。また、真北が儀堂に言った「国民を裏切った罪は重いぞ」という言葉は、政治家の兄・弥一に向けてのほうが似合う。単純に考えるなら、取引の現場を押さえ、2人を捕まえて一件落着というのが大筋だろう。

 しかし、ここまでして兄を潰したいのなら兄への嫉妬レベルでは済まない相当な理由が必要。それこそ、実は弥一が事故を起こし、その時に同乗していた妻が身代わりになったとか(実は不倫関係だったのかも)。

 ただ、弥一を潰すことが目的なら、早い段階で合六と繋がっていることを捜査二課やマスコミにリークすれば、資金源は断つことができそうだ。しかしそれをしないのは、やはり兄に総理になってほしいのだろうか。今作は「家族愛」を描いているドラマなだけに、たとえ汚い金であろうと、日本のためを思って動いている兄に共感している可能性もある。そうなると、裏で権力を握ろうとしている合六は邪魔な存在だ。兄弟が結託し、金だけ受け取って用済みの合六を消そうとしている線も考えられ、「こっち側」とはあくまでも「兄側」という意味だったらどうだろう。

 しかし、初回から解決されていない謎がある。一香が早瀬に、真北の情報だけは教えなかったことだ。全てのシナリオを描いていた合六が、真北との繋がりを知られたくないという考えからなのか? この謎が最後の鍵を握るのか、それともスルーされるのか、気になるところだ。

 そして一香は、この絶体絶命のピンチをどう乗り切るのか? 第9話で、夏海が海江田(酒向芳)の元を訪れた際に、よっぽど人望があったのか、一香が夏海だと知ると優しい表情に変わった。また、海江田に濡れ衣を着せた10億円を実は合六が着服していたという真実を知れば、彼は裏切られた思いから夏海の味方になってくれるはずだ。

 そして、夏海がした海江田へのお願いでまず考えられるのが、一香の妹・幸後綾香(与田祐希)の手術費の件で、「足りない分の金は自分が死んだ後の保険金から捻出してほしい」と手続きをお願いした可能性が高い。もう一つ、海江田はマー会長との会談をセッティングできるほどの立場なので、夏海が海江田に「合六がマー会長の100億を着服した」と伝えるようお願いしていたら、それを餌に合六を脅すこともできる。もしかしたら、会合の場にマー会長からの連絡が来て、一香が逃げる隙ができるかもしれない。少なくとも正式な取引の時間と場所を教えてもらえるはずだ。

 他に一香が逃げられる可能性があるのは、真北が正義側の人間で逃すきっかけを作るか、合六の妻を何らかの形で利用して説得するかだろう。

 一方で早瀬と冬橋は、おそらく霧矢が冬橋を裏切らず、ボディーガードの外国人2人を撃ち、金を管理している菊池を拉致して利用すると予想する。菊池を捕らえた映像を合六に送り、交渉する可能性が高い。

 公式サイトには、菊池の人物紹介に「自己保身に走りがちだが権力への野望も持つ」とある。そんな菊池に対し、合六は「組織を誰かに引き継がせたい」と期待を持たせる言葉をかけていた。しかし合六にしてみれば、菊池がマー会長の金品を換金した事実は、マー会長との取引が失敗した時に、責任を全て菊池になすりつけられるということだ。そうしたことを説得して、既に早瀬側に寝返っていたという線もありえる。

 ここから早瀬がどう逆転のシナリオを描くのか。菊池たちが来る前、早瀬は冬橋に「ここで俺を殺したことにして逃してくれ。そうすれば俺は合六の裏をかける」と説得していたが、ここで重要になってくるのが、取引の時間と受け渡し場所についての情報戦。合六は「警察に漏れていることはわかっています」と言っていたので、予定を変更するのは確実。金の面で菊池、交渉面で海江田を味方に付けたと仮定すると、新たな交渉の場に先回りできる。

 とはいえ、正面から対峙してもやられるだけだ。捜査一課には合六の犬がいるので、土方(愛希れいか)率いる捜査二課を交渉の場に呼び寄せることが必要となってくる。ただ今のままだと、犬が警察の情報をキャッチし合六に伝えるだろう。そこで、足立(蒔田彩珠)が調べている犬が誰なのかが重要になってくる。足立が調べている最中に、探りを入れるかのように、三上(池田鉄洋)と寺本(中川大輔)が近づき、急いでパソコンを閉じるシーンがあったが、どちらかが犬だと判明すれば、その人物に嘘の情報を流して合六の計算を狂わせることができる。

 また、次回予告で早瀬の息子・拓海(矢崎滉)と母・良子(原田美枝子)が拉致されるようだが、これも2人を警護していた犬の仕業だろう。もしかしたら、彼らを助けるのが菊池の役目かもしれない。ただ、合六の犬が土方や菊池の可能性もまだあるので、ここがどうなるのか。

 いずれにせよ、合六は全てを失うと予想する。次回予告で、冬橋が合六のキッチンでエプロンを付けて、やさしい顔を見せていた。これは得意の豚汁とナポリタンを振る舞っていると考えられるが、相手は合六なのか、早瀬&夏海なのか。全てを失った合六が、最後のお願いで後継者として目をかけていた冬橋に料理を作らせて認める展開か。それとも、死を覚悟した冬橋が最後にしぇるたーの仲間たちに振舞っているのか。

 登場人物の印象的なセリフが記されたポスタービジュアルで、冬橋の「この世界を変えてやるよ」というセリフは本編ではまだ登場していない。この言葉からも、合六から組織を引き継ぐ展開になる予感がする。ただ、あまりにも罪を重ねてきたので、最後は冬橋もリブートしそうな気もする。いまだ相関図にも登場していないサングラスの幹部がいる意味がここで絡んでくるのかもしれない。可能性は薄いが、策士の合六は、最悪のシナリオを考えているはずで、冬橋にリブートして生き残るなんてことも考えられる。

 そして一番肝心なのが早瀬と夏海の行方。早瀬は、最終回を前にした第9話で息子の耳を引っ張り、自分が父親だと匂わせたが、夏海は息子に最後まで正体を明かさないようにしていた。そこには、生きて戻らない覚悟を決めていると感じる。

 「あなたは私が守る」と終始言っていた夏海が、早瀬が撃たれそうになるところを庇うという絵がどうしても目に浮かぶ。

 目覚めると元の山口紗弥加の顔に戻っていてハッピーエンド……を迎えられたらいいが……。夏海なりの家族愛として、息子の思い出は汚さず、一香として去っていきそうな気もする。しかし早瀬は息子に、「絶対戻ってくるからな」と約束をした。日曜劇場ならきっと戻ってくるはずだ。

 本作は、死んだと思われた人が生きていたり、また顔を変えていたりと何でもありのドラマだ。本物儀堂が生きていて最後に助けに来たり、最後の最後に「実はこの人がラスボスだった」という匂わせ展開も普通にありえる。最後まで疑って観たいし、家族愛が描かれているドラマなだけに、誰にとってもどこか人間味と救いのある結末を迎えてほしいところだ。(文=本 手)