【表皮水疱症】「生きているんだよ」皮膚の難病と向き合う少年と家族の日常…伝えたいメッセージ

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3月18日(水)に放送した「ザ・ドキュメンタリー」【バタフライ チルドレン〜皮膚の難病と生きる少年〜】(ナレーター:平手友梨奈)。
患者数が少ない難病で、日常生活の苦労も多い「表皮水疱症」。
この難病に生まれた時から向き合っている10歳の少年とその家族を、2年間にわたって取材。「テレ東プラス」は、放送内容の一部を紹介する。

※3月24日(火)深夜3時50分からは「ザ・ドキュメンタリー」【3人の未完(みかん)〜愛する家族はなぜ死んだ〜】を放送。

【動画】表皮水疱症「生きているんだよ」皮膚の難病と向き合う少年と家族の日常…伝えたいメッセージ

「生きているんだよ」望くんが紡ぐ“命のメッセージ”




小学4年生の葛西 望くん(10)、あだ名はのんちゃん。望くんはわずかな刺激で皮膚が剥がれる「表皮水疱症」の患者だ。

「子どもたちは、こういう人たちがいないと思っている。傷だらけの人たちが。だから“おばけ”だと思っているの。『これ生きているの?』とかも言われたことがある。“生きているんだよ”と教えてやって」。

望くんは、カメラを通じてメッセージを送る。表皮水疱症の子どもは、繊細な皮膚を蝶の羽根になぞらえ、「バタフライ チルドレン」と呼ばれている。
生きていく…そのために、望くんに関わる大人たちも、それぞれの場所で奮闘を続けている。


2024年、千葉・柏市。葛西さん一家は、父・正輝さん、母・敦子さん、長男・望くんの3人で暮らしている。
表皮水疱症は日本に500〜1000人いるとされる、皮膚が剥がれやすくなる国の指定難病。
この病気は、傷が悪化すると合併症やがんにつながり、命を落とす人もいる。

望くんのケースは、遺伝子の異常で皮膚の2つの層をつなげるタンパク質が不足。わずかな刺激で水疱や傷ができる。包帯などで肌を守っても、毎日傷ができてしまうのだ。

「小さい頃はできたことも、今はだんだんできなくなってきた。例えば、しゃがんで立ち上がるとか」(母・敦子さん)。

生まれてからずっとこの病気と向き合っている望くんは、最近足の傷が悪化し、歩くことも難しくなっていた。


さらに、皮膚が剥がれるせいで手の指と指がくっついてしまい、それを切り離すための手術も受けた。
望くんが通う小学校では、看護師資格を持つ先生がサポート。支援学級の授業では、人差し指と中指の間に鉛筆を挟み、「のぞむ」と名前を書くことができた。

「強く抱きしめることもできない…」家族の葛藤




家では、毎日のケアが欠かせない。合併症などを避けるため、お風呂に入るのもとても重要だ。

ヘルパーや訪問看護師の手を借りて頭を洗い、背中などの皮膚が剥がれないよう、慎重にガーゼを剥がす。「のんちゃん大丈夫? 熱くない?」と声をかけながら、胸、背中、腕、足…温めた生理食塩水で丁寧に傷口を洗う。
そして新しい水疱を見つけたら、針で刺してたまった液体を抜き出す。

「これをやらないと、(水疱に)押された圧力でどんどん傷が広がってしまう。それが割れて剥けてしまうと、全面が傷になってしまう」(母・敦子さん)。

体を洗った後は、新しくガーゼなどを貼り直す。この日の望くんのお風呂は、親とヘルパー、訪問看護師の3人がかりで力を合わせても2時間以上かかった。

両親は共働きだが、在宅勤務を中心にして望くんを支えている。病気を根治する治療法はないが、父・正輝さんは「これだけ医学が進歩しているから、なんとか希望を持って」と前を向く。


2025年3月、この日は「東邦大学 医療センター 大森病院」で定期検診。担当するのは、表皮水疱症研究の第一人者・石河 晃教授だ。
望くんは左の膝下に痛みがあるようで、「怖い、怖い。どうして治らないの? 菌でもあるの?」と不安を口にする。
こんな時も、病気のせいで肌が脆いため、両親は強く抱きしめてあげることができない。


小さい体で難病と向き合う望くんに、“ある人”との出会いが。そして、葛西さん一家が待ち望んでいた表皮水疱症の治療薬に新たな動きも――。

制作陣が語る。ナレーションを担当した平手友梨奈は…



「一人でも多くの人にこの病気のことを知ってもらえれば、望くんたちが嫌な思いをすることが減るのではないか、という思いで制作をした番組です。病気の話でつらい場面も多いですが、テーマは「希望」です。是非、望くんたち葛西さん一家の希望の物語をその目で確認してみてください。
また、このテーマに寄り添ったナレーションを担当してくれた平手友梨奈さんは、我々がお願いした「そっと背中を押すイメージ」というリクエストに完璧にはまる“語り”をしてくれました。平手さんは、なかなか『頑張れ』と言わないとファンの方から聞きましたので、その意味でも望くんの、葛西さん一家の背中を押してくれる今回の語りは非常に印象に残るものになっていると思います。何度か、我々がぎりぎりまで映像や原稿を渡せずにご迷惑をおかけしましたが、非常に真剣に作品に向き合ってくれたこと感謝いたします」(中村 航プロデューサー)。

この放送が見たい方は、配信で。