(イラスト:大野舞)

写真拡大 (全2枚)

スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』の連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第50回は「頻繁に孫を預けて出かける娘。感謝の言葉もなく、不満が募る」です。

この記事のすべての写真を見る

* * * * * * *

Q 頻繁に孫を預けて出かける娘。感謝の言葉もなく、不満が募る

A)負担を伝え、預かる回数を減らす

B)感謝の気持ちを示すよう言う

子どもはあなたの成績表

仕事だ、遊びだと言っては孫を預けにくる娘。最初のうちはうれしかったけれど、だんだんと回数が増え、負担を感じるようになってきたというのが今回のケースです。せめて「ありがとう」の一言があれば快く受け入れられるのに、娘からはお礼も感謝の言葉もありません。むしろ「孫と過ごせてうれしいでしょ?」という雰囲気すら感じられ、不満は募るばかり。ホームドラマのような“親子あるある”ですが、あなたが親の立場なら、幸せぐせはどちらだと思いますか?

今回は答えに迷う方が多いかもしれませんね。最初に申し上げたいのは、「この娘を育てたのはあなたですよ」ということ。耳が痛いかもしれませんが、感謝の気持ちを示さないような娘にしたのはほかでもない、親であるあなた。子育ての成績表が今、返ってきたようなものなのです。もし娘の態度が不満だというなら、自分の育て方を反省しなければなりません。

孫が犠牲にならぬよう、話し合いを

「してもらったら、“ありがとう”でしょ?」と言いましょう。

「親しき仲にも礼儀あり」という教えは、親子にも当てはまります。なかには親に謝礼を渡し、預かってもらうというケースがあるかもしれません。その場合でもやはり「ありがとうございます。お願いします」という言葉は必要です。それが言えない娘には、「ありがとうは?」と再教育すべきでしょう。

今まで当たり前のように預けていた娘ですから、もしかしたら「うるさく言うなら、もう預けないわ」と言うかもしれませんね。そこで「娘と孫が来てくれなくなったら寂しいから」と躊躇するようでは、覚悟が足りません。厳しいことを言うようですが、その中途半端さが子育てに表れ、こんな娘になったのです。「もう来ない」と言われたら「ええ、どうぞ」と返せるくらい、腹をくくりましょう。

では、なぜAが不幸ぐせなのか。「娘と同様に、親にも自分の気持ち、自分の時間があるのだから、それを優先してもいい」と考えれば、Aが正解に思えます。でもそれでは孫がかわいそう。預ける回数が増え、今やおばあちゃんの家が学童保育代わりになっているかもしれませんよね。「学校が終わったら、おばあちゃんのところに行くんだよ」と言われている場合もあるでしょう。それなのに急に方針転換されたら、孫は「おばあちゃんがもう来るなと言っている」と傷ついてしまいます。親子の都合で、孫が犠牲になるのです。

娘だって「負担だから回数を減らす」と言われたら、「今さら何よ!」と思うでしょう。親にも自分の時間があるというのは正論ですが、だとしてもわざわざ言う必要はありません。それに、ルールを決めず安請け合いすれば、あとあと負担になることぐらい、最初から想像できたはず。孫がかわいいからと、何も考えずに引き受けてしまったのではありませんか? 本当は、預かる前によく考えて話し合うべきだったのです。


(イラスト◎大野舞)

「ケンカは先に」が鉄則

私はよく「ケンカは先にしろ」と言います。ケンカをしてでも、先にお互いの条件をすりあわせておくほうが、のちのもめ事が少ないからです。いい顔をして引き受け、回数がだんだん増えて負担になったので断る、というパターンよりも、「週に2日までならいいけれど、それ以上は予定があるからダメよ」など、最初にハッキリ伝えるほうが、トラブルになりません。

覚えておきたいのは、「嘘も方便」を上手に使うということ。伝えるときに「負担だから無理」と正直に言うのでは角が立ちます。いくらケンカは先にと言っても、しなくていいケンカはしないほうがいい。例えば「その日はお友だちとお芝居を観に行くのよ」「金曜はテニスなの」などと、嘘でもいいから適当な理由をつけましょう。笑顔で楽しげに言う演技も忘れないで。そうすれば「お母さんにはお母さんの生活があるのね」と印象づけられます。

今頃娘の再教育をしなければいけないなんて、と気が重くなるかもしれません。けれどスピリチュアルな視点で見れば、自分が蒔いた種は自分が刈り取るという、「因果の法則」からは、誰も逃れられないのです。躾けなおすのは親の務め。祖母になった自分の役目がそこにあると自覚しましょう。

あなたが覚悟を持てば、これから娘も変わっていくはず。加えて言うならば、そばで母親とおばあちゃんの様子をつぶさに見ている孫も礼儀を学びます。きっと「おばあちゃん、いつもありがとう」と言ってくれるでしょう。それこそが幸せではありませんか?