『純烈ジャー』メイキング風景より、打ち合わせ中の佛田監督と純烈・酒井一圭さん (C)2021東映ビデオ 

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現在絶賛公開中の『スーパー戦闘 純烈ジャー』。ムード歌謡グループ「純烈」が温泉を守るスーパーヒーローに変身、本格的な特撮アクションを魅せる快作は、小林幸子さんが悪の女王役、前川清さんが温泉施設内の売店店長役で出演することも大きな話題を呼んでいる。初日舞台挨拶ではリーダー・酒井一圭さんから続編決定の電撃報告も届けられたことで、さらなる注目を集めている。
アニメージュプラスでは、純烈メンバー、そして佛田洋監督それぞれに作品への思いを語ってもらうインタビュー連載を企画。最終回は特撮研究所代表を務める佛田洋監督が全2回で登場。後編となる今回は純烈を支えた共演者、憧れの ”女神” との出会い、プログラムピクチャーというジャンルへの思いを語って頂きました!
▲佛田洋監督

――本作のヒロイン・小林綾子さんも久々の特撮作品出演ですね。

佛田 そうそう、『ペットントン』とか『仮面ライダー(スカイライダー)』に出てたものね。俺もそれを観直して現場で挨拶したら、「あの時、村上弘明さんのバイクに載せてもらいました」とか、当時のことをよく覚えててビックリした。でも、まさか出てもらえるとは思わなかったなぁ。演技面でも後上君をサポートしてもらえて、本当に助かりました。

――悪役の四天王に関してはいかがですか。

佛田 (エグゼクティブプロデューサーの)塚田(英明)君は全員着ぐるみにしたいって言ってたけど「お金がかかるからダメ!」と、ありものの衣裳を組み合わせて何とか形にして。あと、ザウナ役のムキムキの岩永(洋昭)君。彼は最初スケジュールが難しそうだったんだけど、そこを無理にお願いして何とか出てもらったの。で、岩永君は「出るとなったら脱ぎたい」と(笑)。

――それが無理を聞いた条件ですか!

佛田 もう「どうぞ、どうぞ」と(笑)。実際いい身体していますからね。

――純烈ジャーの変身をサポートするのが温泉の女神という設定は、かなりぶっ飛んでいますよね。

佛田 塚田君のアイディアです。最初は綾子さんだけだったんだけど「せっかくだから4人各自につけよう」って言い始めたから驚いちゃって。「金がないって言ってるじゃん!」って。

――またそこに戻りますか(笑)。

佛田 でもそこは周りのスタッフが頑張ってくれて、ふせえりさん、しのへけい子さんが決まった。で、もう一人の候補を誰にするかを話している中で「中島ゆたかさん、訊いてみようよ」と俺が提案したの。石井輝男監督の『直撃!地獄拳』や『Gメン75』で観たあの姿が忘れられなくて……。
▲純烈と強い絆を結ぶ温泉の女神。左から赤のオフロディーテ(ふせえり)、青のオフロディーテ(中島ゆたか)、紫のオフロディーテ(しのへけい子)。

――自分の大好きな女優を呼ぶ時にはお金の話は出ない訳ですね。

佛田 もう全然(笑)。OKを戴けたので、一番年上の女神様にしました。

――中島さんにサインを貰うために、現場に色紙を持ち込んだという話を小田井さんから聞きましたが。

佛田 それは現場じゃなくて、アフレコの時だよ!

――同じですよ(笑)。

佛田 中島さんの出演初日にお出迎えをして、その時ソワソワしているのをニヤニヤ見てたんだよね、小田井君。

――特撮に関してはいかがですか、まさかの戦闘機まで登場しましたけれど。

佛田 戦闘機は本編撮影に入ったらドタバタになるから、その前に少人数を1日で撮っちゃった。前からあった飛行機モデルをベースにざっくりとデザインして、あとは百均で買ってきた蛇口やシャワーヘッドをつけてそれっぽくした。

――百均とか言わなくていいですから!

佛田 しつこいようだけど、お金はないんだよ! いろいろ武器も付けたんだけど、本編では出せなかったなぁ。

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――フローデワルサのド派手な攻撃も良かったですね。ナパーム爆発バンバンで。
▲フローデワルサの攻撃に大ピンチの純烈ジャー。

佛田 アクション監督の竹田(道弘)さんが燃えてたんだ。「耐えて耐えて、最後に歌で大逆転!」という場面を一番見せたかったらしくて、実はラストの歌の場面も竹田さんのカット割りなんだよ。「『夜のヒットスタジオ』みたいにしたいからスクールメイツを呼んで下さい」と言われて、意味がわかんなくて(笑)。最終的には女神を踊らせたけど、結果的には良かったよね。

――完成してのお気持ちはいかがですか。

佛田 作っている間はいろいろ紆余曲折あったんですけど、観たらまるで最初からその通りで進んでたみたいな出来になっていた(笑)。あとは純烈のいつものキャラ、そして歌が魅力だよね。一生懸命聴き込んで、物語のどこに配置するかはかなり真面目に考えたから。

――ビルミニチュアの特撮ステージで歌う『愛をください』は良かったですね。
▲特撮ステージに立つ純烈メンバー。

佛田 あれは最初ちょっと違ってたんだ。後上君が失神している時の夢の場面で、隕石が降ってくる中で『星降る街角』を歌うというアイディアがあったのよ。

――降る星=隕石ですか(笑)。

佛田 そうそう、回し蹴りで隕石を弾き飛ばしながら歌う、みたいな。お金がないから結局やめたんだけど、その名残でああいうかましを冒頭に持ってきたわけです。

――純烈はこの作品を「感謝の映画」と表現しています。小林さんや前川さん、ファンの方たちへの思いが確かに伝わってくるんですが、同時に佛田さんの「東映プログラムピクチャーへの感謝」も伝わってくる印象がありました。

佛田 なるほど。塚田君にもそういう匂いを感じるって言われたんだよ(笑)。俺も鈴木則文監督の作品が大好きだからね、中島さんが出ている『トラック野郎』シリーズはもちろん『伊賀野カバ丸』や『コータローまかりとおる!』みたいなJAC(ジャパンアクションクラブ=現ジャパンアクションエンタープライズ)が参加した作品なんかに込められた「人情とアクション」みたいな部分は確かに意識したね。

――では最後に一言、ファンの皆さんへメッセージをお願い致します。

佛田 一言では言えないなぁ、要素をいろいろ詰め込み過ぎた(爆笑)。この作品、何度観ても面白く観てもらえると思うので、最初はさらっと観てもらって、あとでまた気になるところを随時チェックしてもらえれば。純烈の自然体、そして幸子さんと前川さんの怪演、綾子さんの唯一正当な演技を是非!

佛田洋(ぶつだ ひろし)
1961年10月10日生まれ、熊本県出身。特撮研究所代表。特撮監督としての主な作品に現在放送中の仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズほか、映画『男たちの大和/YAMATO』(2005年)、TVドラマ『美少女戦士セーラームーン』(2003年)など。本作は監督として参加する、初の長編劇場作品。

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佛田監督撮影/大山雅夫