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この記事は『4人の母親がある日突然ポルシェ356を購入 ?! │世界有数のラリーに57歳で挑戦!』の続きです。

2013年のラ カレラ パナメリカーナで、ブリンカーホフは観覧車の群衆にぶつからないようにステアリングを切った際に、ガードレールにぶつかり、ポルシェ356は大きく破損した。地元のポルシェコレクターによる協力で再びレースに戻ることができたという。

事故後、ブリンカーホフは2つの重要な決断をした。第一に、このレースを通じて危険にさらされている女性と子供たちを支援し、特に子供の人身売買にストップをかけること、第二に"プロジェクト356ワールドラリーツアー"を行うことである。

ブリンカーホフと彼女の挑戦(写真11点)

ブリンカーホフは、自分自身に挑戦し、新しいチャリティーへの意識を高めるために、7つの大陸すべてで6つのレースを計画。冒険の規模が大きくなると、英国を拠点とするTuthill Porscheのラリー専門家が車を準備し、2017年にはラ カレラ パナメリカーナに戻った。

彼女は前回のメキシコでのレースよりもはるかにドライブがうまくなり、再びクラスで優勝。そしてワールドツアーを開始した。ブリンカーホフは2018年にオセアニアのタルガタスマニアまで行き、次にアンデス山脈へ。1万5000フィートまでのぼったそうだ。その翌年には、北京-パリ・ラリーで36日間、アジアとヨーロッパを横断する9300マイルを走った。

それからまた、40年で最も雨の多いシーズンに、東アフリカのサファリ・クラシック・ラリーに参加した。「表彰台に立つだけでなく、チーム全体で経験し、人々に前向きな影響を与え、彼らのモチベーションになったことを誇りに思います。それが私にとって最もやりがいのあることでした」と彼女は話す。

2021年1月には南極大陸に到着する予定だ。これはブリンカーホフ自身の挑戦であり、歓声を上げる群衆も、競争相手も、優先順位もまったくない。未知へと冒険するのだ。

「私たちは準備をしていません。というより、準備できないのです」と彼女は笑う。南極をシュミュレートできるものは何もないのだ。ただ、彼女はスキルを磨くためにアイスドライビングを練習し、可能な限り最高の乗員で自分を取り囲むようにしているという。

一方、 1956年 ポルシェ 356も着々と準備が進められている。クレバスバーを設置することで、氷の大きな亀裂にぶつかった場合の転倒を防止。シルバーのボディでは雪や氷の中から見えなくなり、撮影や写真撮影が不可能になるため、明るいレッドにリペイントされる。重量は、氷の上を運転する際の重要な要素でもある。たとえば、ヒーターは車から取り外されている。ソーラーパネルなどの持続可能性なものを準備し、"プロジェクト356ワールドラリーツアー"の計画を進めている。

7つの大陸のツアーが完了した後、どうなるかは誰もわからないが、ブランカ―ホフが真のレーサーであることは確かである。彼女は笑顔で「私はまだ完全に終わっていません」と言葉を残した。