『伊藤家の晩酌』〜第十六夜1本目/夏の暑さを吹き飛ばすフレッシュさ「純米吟醸生酒 きのえねアップル」〜

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弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第十六夜は夏にぴったりな特別ゲストを迎えての残暑に合う酸っぱみ特集。1本目は、夏疲れした体が欲する酸味のあるお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

第十六夜1本目は、リンゴ酸の酸味でさわやかな「純米吟醸生酒 きのえねアップル」から。

千葉県印旛郡にある飯沼本家の人気商品。リンゴ酸のほどよい酸味が飲みやすく、日本酒初心者にもオススメ。「純米吟醸生酒 きのえねアップル」720ml 2200円(税込・ひいな購入時価格)/株式会社飯沼本家

父・徹也(以下、テツヤ)「ひいな、その金髪、意外と似合ってるね」娘・ひいな(以下、ひいな)「そう? 夏だしね」テツヤ「いいね」

夏なので、金髪にしてみました!

ひいな「ねぇ、日本酒の好きな傾向っていうと何?」テツヤ「何だろうな。もうこの連載で50本以上飲んできたけど、やっぱり酸味の立った味が自分には合ってるなって思う」

ひいな「ね。やっぱり酸味でしょ? だから今回は、残暑対策、酸っぱみ特集です!」テツヤ「そりゃ、うれしいね。でも、ただ酸っぱいのはイヤだよ」ひいな「大丈夫、“おいし酸っぱい”の用意してるから安心して。ただの酸味特集にしなかったのには理由があって。酸味には5種類あるの」テツヤ「え、5種類もあるの?」ひいな「そう。乳酸、クエン酸、酢酸、コハク酸、リンゴ酸ってあるんだけど、今回はリンゴ酸に着目してみたよ! 今週から3週にわたって、同じ酵母を使った違う蔵のお酒をご紹介します」テツヤ「その酵母がリンゴ酸のお酒をつくるんだな」ひいな「そう。協会77号酵母って言うの。その酵母で醸したお酒は、全体の酸のなかの60〜70%をリンゴ酸が占めるみたい」テツヤ「なんだか難しいことはよくわかんないから、とりあえず飲んでみよう(笑)」

おや?ゲスト登場!?

テツヤ「あれ? 誰か来たよ?」ひいな「夏が来た?」テツヤ「まだまだ夏は終わらないからね! というわけで、シンガーのナツ・サマーちゃんです!」

ナツ・サマーさん! 伊藤家へ、ようこそ!

ナツ・サマー(以下、サマー)「ナツ・サマーです! お酒の香りに引き寄せられて遊びに来ちゃいました」ひいな「お会いできてうれしい!」テツヤ「こないだ、ナツ・サマーちゃんのニューアルバム『葉山ナイツ』を撮影したのがご縁でね。夏といえばナツ・サマーでしょ」サマー「ありがとうございます!」ひいな「お酒はお好きなんですか?」サマー「はい。実は、実家が愛媛の港町にある酒屋なんです」ひいな「へぇ! 行きたい!」テツヤ「そりゃいいね。愛媛のお酒も置いてあったり?」サマー「はい、ちょこっと置いてあります」ひいな「この間、四国特集した時に、愛媛の『伊予賀儀屋』ってお酒を紹介したところだもんね」テツヤ「そうだったけね(笑)。ねぇ、これなんて読むの?」ひいな「甲子林檎と書いて、『きのえねアップル』と読みます」サマー「すごくかわいい!」テツヤ「こんなきれいな瓶なかなかないよね」サマー「お酒によって、グラスも変えたりするんですか?」ひいな「はい、このお酒はワイングラスで飲んでほしくて」

では、3人でいただきます!リンゴの味はしませんのであしからず。ワイングラスで香りを堪能。

一同「乾杯!」テツヤ「ニューアルバム発売、おめでとうございます!」サマー「ありがとうございます!」テツヤ「うわぁ。すごくフレッシュだね!」サマー「ジューシー!」テツヤ「リンゴ酸っていうから、なんか勝手にシードルのイメージだったけど、全然違った。日本酒なんだから当たり前か(笑)」ひいな「お米しか入ってないからね(笑)」サマー「飲みやすいです。シードルよりも」テツヤ「微発泡だね。夏はやっぱりこういうさっぱりしたやつ飲みたいな」ひいな「キンキンに冷やしてね。あぁ、おいしい!」テツヤ「伊藤家が好きな酸っぱみだね」ひいな「でしょ? これに合うおつまみを持ってくるね!」サマー「楽しみ!」

「純米吟醸生酒 きのえねアップル」に合わせるのは、さっぱり「春雨サラダ」。

ひいな「春雨サラダにしてみたよ。細切りのリンゴが入ってたりするけど、今回リンゴはなしにして、このお酒を飲んで完成するみたいなイメージで。味付けにはリンゴ酢を使っています」テツヤ「おいしいよね。春雨サラダって」サマー「いただきます!」テツヤ「食欲なくても食べられちゃうよね」サマー「おいしい! 酸っぱいお酒にぴったり」テツヤ「こりゃ、うまい、うまい」ひいな「食べたら、一口お酒も飲んでね」サマー「わ! 口の中で完成した!」テツヤ「うん。合うね。これは、いくらでもいけるな」ひいな「フィッシュ&チップスと合わせてもいいんじゃない?ってアドバイスもらったりしたんだけど」テツヤ「ビネガーかけるもんな」ひいな「そうそう。でも残暑だし、さっぱりと仕上げてみました」

お酒もグイグイ進みます。

テツヤ「これ、なんか油入ってる?」ひいな「うん、ごま油」テツヤ「なんか、ごま油が合ってる気がする」ひいな「酸っぱいお酒飲んだら、油を欲するって確かにあるかも。日本酒あるある」テツヤ「そうなんだ、間違ってないんだな」ひいな「このお酒、油と合わせるお酒じゃん!って口の中がなるんだと思う」テツヤ「流すものがないとな」ひいな「リンゴ酸の酸っぱみっていうのは乳酸とかとは違ってさらっとしてるから」サマー「この春雨サラダ、辛子と合わせたらおいしそう」ひいな「あ、絶対合う!」テツヤ「春雨バージョンの冷やし中華みたいにね」

特別ゲスト、ナツ・サマーさんのおかげで、伊藤家に夏が来た!

ひいな「今回、協会77号酵母を選んだ理由はね、私が単にファンだからなの」テツヤ「このお酒は、協会77号酵母の酒ですってわかるものなの?」 ひいな「好きなお酒を調べてみたら、協会77号酵母だったっていう感じかな」テツヤ「聞いたことないもんな」サマー「私も、初めて聞きました」テツヤ「ラベルに酵母名まではなかなか書いてないもんな」ひいな「協会77号酵母を使ったお酒のなかで、このお酒が一番華やかなお酒だと思うな」テツヤ「なるほど、同じ酸味でも蔵によってぜんぜん違うんだね」ひいな「あと残り2本は、どんな味のお酒か、お楽しみに」テツヤ「ナツ・サマーちゃんの曲かけようよ」ひいな「うわ〜夏だ! なんだか、ここが葉山の海の家みたいな気がしてきた(笑)」テツヤ「『葉山ナイツ』って感じだな」サマー「ありがとうございます」テツヤ「森戸海岸じゃなくて、一色海岸のほうね(笑)」(ライター注:ニューアルバム『葉山ナイツ』は夕暮れの一色海岸で撮影されました)ひいな「ナツ・サマーさん、どうでしたか?」サマー「夏にぴったりで、とってもおいしかったです」テツヤ「これは夏に最高なお酒だな」サマー「瓶も涼しげで、ステキですし」テツヤ「地元だと、お酒にどんなおつまみ合わせたりするの?」サマー「鯛とかタコとか白身魚が多いですね」テツヤ「お父さんも、お母さんも晩酌してた?」サマー「母親はしてましたね。父親は飲めないんですよ」テツヤ「そうなんだ。商売的にはそのほうがいいよね(笑)」ひいな「酒屋さんで飲めない方って多いですもんね」サマー「港町なので、親戚もみんな漁師とかなんですけど、私が小学生の頃、登校時間ってちょうど軽トラで魚を売りにいくところで、甘エビを口にほおりこまれたり(笑)」テツヤ「今だったらうれしいけど、いい迷惑なんでしょ?(笑)」サマー「その頃は(笑)」テツヤ「おいしいものを食べて育ったんだねぇ」サマー「お肉を食べる機会はあんまりなくて、魚が多かったですね」ひいな「ご実家にいつかお邪魔したい!」サマー「ぜひぜひ」

次回は8月30日(日)更新

【ひいなのつぶやき】暑さを吹き飛ばすのにもってこいの「きのえねアップル」はキンキンでどうぞ!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中