タイガーが示した2つの「初」
とはいえ、無理もない。不倫騒動から復帰した4月のマスターズ以降、今季は1度も優勝できず、完全なる優勝争いにさえ絡んだことはなかった。米ツアーが「タイガー未勝利を防ぐための対策」として実施したと思われるWGC-HSBC選手権の公式大会への格上げも、やっぱりタイガーの勝利には結びつかなかった。シェブロン・ワールド・チャンレジはそんな経緯の末にやっと掴んだ優勝のチャンス。敗れたとはいえ、本当の意味で優勝できることを実感したわけだから、成績不振に喘いでいたタイガーにとっては、惜敗してもうれしいものだったに違いない。
タイガーに競り勝ったマクダウエルは今年の全米オープンチャンプ。接戦に滅法強いと言われてきた男だが、その強さを実証した形だ。タイガーに代わって世界一の座についたリー・ウエストウッドは、タイガーが優勝すれば早くも王座交代となっていたのだが、欧州ツアーのネッドバンク選手権で優勝し、自力で世界一の座を守った。
今年、フェデックスカップ総合優勝を果たしたジム・フューリックは、米ツアー選手たちの投票で選ばれるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーにも輝き、新人賞にはリッキー・ファウラーが選ばれた。
米ツアーにも世界にも、素晴らしい役者が揃っている。タイガーのスイング改造が定着し、強さを取り戻せば、その戦いは熾烈をきわめるはず。そう思うと、2011年のシーズン開幕が待ち遠しくてたまらない。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)