月額基本料および通話料にテコを入れたソフトバンクの「ホワイトプラン」は、本当に安いのだろうか?

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はじめまして、memn0ckといいます。今回から、日本のケータイ市場について、あれやこれと探っていくことになりました。よろしくお願いします。さて、今週は月曜日にNTTドコモが同社のフラッグシップモデルとなる「FOMA 904i」シリーズを発表しました。904iシリーズでは、着うたや着うたフルをダウンロードし放題となる"うた・ホーダイ"や、1台の端末で電話番号やメールアドレスなどを2つ持てる"2in1"などのサービスに対応しました。ドコモは、携帯電話番号持ち運び制度(MNP)で苦戦している中、ドコモが変わるということで"DoCoMo 2.0"と銘打って反撃にでるそうです。発表の詳細ついては、既報に譲りますが、回を重ねるうちに発表直後の旬な話題も取り入れていきたいと思っています。

■月額基本料および通話料にテコを入れた「ホワイトプラン」

今回は、NTTドコモと同じく、MNPではやや苦戦が続いているソフトバンクの「ホワイトプラン」および「新スーパーボーナス」について見ていきます。ホワイトプランは、月額基本料が980円という低価格を実現した料金プランで、2007年1月16日にサービスが開始された後、2月5日には100万、3月5日には200万、3月31日には300万契約を突破しています。なんといっても加入月から基本料が980円で、ソフトバンク同士なら1〜21時の間の通話とメール(3Gのみ)が無料となるのは魅力でしょう。1〜21時以外のソフトバンク同士および他社ケータイや固定・IP電話への通話料は21円/30秒、国際電話は通常の他のソフトバンクのコースと同じ国際料金がかかります。

まったく発信をしないのならば、対応機種をうまく入手できれば、プリペイドケータイのほうが安く済みますが、ホワイトプランは2Gでも3Gでも利用でき、ソフトバンク同士の通話などの無料サービスを活用する分には、これまでの日本のケータイサービスとしては、破格の価格設定と言えるでしょう。
図:ソフトバンク「ホワイトプラン」の契約者数推移

また、サービス発表後に"他社通話料"が高いなどといった欠点をカバーするために、オプション「Wホワイト」を1月25日に発表し、3月1日(既存ユーザーは2月21日)から開始しています。Wホワイトは月額980円のオプションで、ホワイトプランにおいて21円/30秒がかかるものが半額の10.5円/30秒となります。

Wホワイトをつければ、必ずしも他社の通話料金の安くなる高額プランと比べて安くなるわけではないですが、1プラン+1オプションで多くの利用用途をカバーし、無料通話分長期割引などがなく、通話料が一定であるなど、わかりやすい料金プランになったと言えます。
図:低額ゾーンにおける「ホワイトプラン」と他社料金プランの比較
図:通話定額プランとなる「ウィルコム定額プラン」との比較

ただし、後述する「新スーパーボーナス」と組み合わせると、オプション契約や端末の分割支払いおよびその特別割引などにおいてわかりにくくなってしまいます。また、ホワイトプランそのものはわかりやすくとも、他にブルーやオレンジなどの各料金プランがあるため、実際には、どの料金プランが自分に適しているのかは、かえってわかりにくくなってしまう印象も受けます。

■「新スーパーボーナス」の利用は必須ではない

ホワイトプランと切っても切れないのは、特典サービスである「新スーパーボーナス」です。新スーパーボーナスは、ホワイトプランだけでなく、ゴールドやブルー、オレンジの各プランに対応しており、携帯電話本体の購入価格を分割支払いにします。また、「パケットし放題」最大2ヶ月無料、「スーパー安心パック」最大3ヶ月無料、「スーパー便利パック」最大4ヶ月無料という3つの特典が受けられるというものです。

この分割支払いに加えて、新スーパーボーナス用の販売価格で携帯電話本体を購入した場合に、特別割引として3ヶ月目以降の月額基本料が割り引かれます。例えば、ホワイトプランと新スーパーボーナスの24ヶ月分割で、ローエンドである"705SH"などを購入した場合には、月額基本料が毎月980円差し引かれ、実際に毎月支払うのは、端末の分割支払いとなる980円となり、見かけ上がホワイトプランの基本料と同じとなるというわけです。つまり、2年契約で分割支払いが980円の機種では、お持ち帰り価格0円で月額支払いも980円で済むということになります。逆に、機種や分割回数によっては月額980円では済まないので注意しなければなりません。

また、ホワイトプランであっても、新スーパーボーナスを利用しないで、従来のように端末価格を支払うという方法も選択できます。例えば、ソフトバンクの直営オンラインショップでは、スマートフォン"X01HT"を新スーパーボーナスに加入しないで購入すると27,090円で購入できます。ただし、直営のソフトバンクショップや多くの家電量販店では、新スーパーボーナスを利用しないでも購入できますが、ソフトバンクのケータイを扱っている店舗でも、店によっては販売を拒否されるケースもあります。
写真:ソフトバンクのスマートフォン"X01HT"

次のページでは「新スーパーボーナス」を掘り下げてみていこう。