パナソニックホールディングスが開発したiPS細胞の自動作製装置(大阪市北区で)

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 パナソニックホールディングスは20日、iPS細胞を患者の血液から自動で作製できる装置を開発したと発表した。

 今月から公益財団法人・京都大iPS細胞研究財団と実証実験を始め、2028年度の製品化を目指す。実用化されれば、作製費用を大幅に下げられるという。

 iPS細胞は、様々な臓器や組織の細胞に変化させることが可能で、失った臓器や体の機能を回復させる「再生医療」への応用が期待されている。患者の血液などの細胞に複数の遺伝子を組み入れて作る。

 開発した装置は、高さ75センチ、幅70センチ、奥行き45センチ。患者の血液の成分や試薬などを入れると、遺伝子の組み入れを含む工程が自動で行われ、約2〜3週間でiPS細胞ができることを確認したとしている。

 1人分のiPS細胞を手作業で作製する場合、施設の維持費や人件費などで約5000万円かかるとされる。財団は、将来的に100万円程度に下げることを目標にしており、それには自動化が欠かせないという。

 財団では、すでにドイツ製の自動作製装置も導入している。今回の装置では、細胞培養の状態などをデータで詳しく監視することができる。実証実験は、最先端医療の国際拠点「中之島クロス」(大阪市北区)で実施し、こうした機能や細胞の品質を検証する。

 開発に関わった財団の塚原正義・研究開発センター長は「自動化することで大幅なコストダウンが見込める。実験で得られたデータを生かし、少しでも安く高品質な細胞の作製を目指したい」と話している。