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AIやITの高度な技術を身につけると収入アップにつながる可能性が高いとして、神奈川県横須賀市は今年度、国指定の講座を受けた市民に市独自の補助金を出す制度をスタート。18日、説明会が開かれ、IT業界に転職した女性が「在宅勤務が可能で子育てと両立できる。迷っているなら是非飛び込んでみて」など語りました。

横須賀市で行われた説明会には、市民約30人が参加しました。高度なIT技術を学ぶ特定の講座を受講・修了した人には、経産省や厚労省が補助金を出す制度がありますが、横須賀市はこれら国が指定する講座を受ける市民(学生以外)で事前に申請した人に対して、講座修了後に受講料の30%、最大25万円を補助する制度を今年度始めるということです。

横須賀市の担当者は「性別、年齢に関係なく補助する。女性やいわゆる就職氷河期世代の人が高度なIT技術を習得すれば、就職、転職で収入増がはかれる」として、国の補助金と組み合わせれば受講料(税別)の86%から100%の補助を受けることも可能だと説明しました。

国が認定する講座は複数ありますが、そのうちの一つ、女性向けのAI・IT高度技術者育成講座をオンラインで提供している民間企業Ms.Engineerが横須賀市に協力するとして、やまざきひとみCEOが説明会で、この分野に挑戦する意義などについて語りました。

やまざき氏は「AI・IT分野は伸び続けていて、とにかく人材が必要で、年代や経験の有無も関係ない。講座を受ける人は文系の人、IT未経験の人も多い。AI・IT分野に転職すると、在宅勤務も可能になり、私生活と両立でき、事務職で働く場合に比べ年収が上がり続ける可能性が高い。5年後、自分はどうありたいかイメージしてみてください。講座を終えて、IT技術者として働いている人は、特別な人ではなく本当に普通の女性ばかり。ただ、一歩踏み出したんです」と未経験者にも挑戦してほしいと強調しました。

さらにMs.Engineerの講座を修了し、転職した女性2人が自らの体験を語りました。元教員で今はIT技術者として在宅で働く女性は「教員時代は子育てをしながら、朝、家族の中で一番早く家を出ていて、今後もっと忙しくなる生活に私は耐えられるだろうかと悩んでいた。不安はあったが、このままの生活じゃダメだ、何もしない自分では5年後に後悔する、自分で変えていくしかないと考えて39歳の時、講座を受けた。教員時代は夕食時も忙しくて家族とゆっくり会話する余裕がなかったが、今は子どもとの会話が増えた。そして今後の仕事の選択の幅が広がったと感じる。迷っているなら是非飛び込んでみてほしい」と話しました。

以前メーカーの事務職をしていて、31歳の時に講座を受け、IT業界に転職した女性は「私は子育ても仕事も両方満足したいのに、前は子育ても満足できない、仕事も思い切って出来ないと悩んでいた。パソコンが得意でもないし、仕事を辞める不安もあったが、やってみようと決めた。転職後は仕事にやりがいを感じるようになった。システムのサポートも開発も、といろいろなことができるし、自信を感じる。まずは一歩、なんでもいいからやってみるとか調べてみるのがいいのではないか」と呼びかけました。

横須賀市は今年度1000万円の予算を用意していて、性別問わず1人最大25万円を40人に補助する計画で、6月には40代50代向けの説明会も行うということです。

やまざきひとみCEOによると、Ms.Engineerは新潟県三条市や横須賀市含む5つの自治体と協力しているほか、個人で講座に申し込むこともでき、常時100人以上の女性がオンライン講座で学んでいるということです。

受講者の平均年齢は30代半ばで40代50代の女性もいて、受講期間は平均8か月、一斉のオンライン授業のほか、各自が毎日2時間ほど勉強する必要があるといいます。

やまざきCEOは「講座の卒業生は、企業のシステムやアプリの開発や管理の仕事に就く場合もあるほか、うちはAIを開発する事業も展開していて、そこに所属し、地方にいながら自宅で働くこともできます」と述べました。

そして、AIの発達でプログラミングなどの人材は不要になるのでは、という記者の質問に対しては「コードを書くこと自体はAIが自動で行うようになるので、私たちは、AIで実装できるスキル、AIを実装できる人材を育てるように講座内容を変えています。AIを活用できるだけでは賃金が上がるところまではいきにくい。必要なのは、ソフトウエア開発の基礎スキルがある上に、そのソフトウエアをAIを使ってどう作るのかというスキルをしっかり身につけることだと考えています。日本の女性は基礎学力が高いので、平均8か月、長い人でも1年ほどでそのレベルに達します。さらに今は、講座にAIの学習支援を組み込んでいて、受講者が勉強する中で、わからないことがあれば、その場でAIに聞くことができます。その際、答えが返ってくるのではなくて、『どうやってやりますか?』『こういうポイントで見てください』などと学習を支援するんです。それが24時間できるので明日の授業で聞こうとか、どうしたらいいのかわからなくて学習が止まるということがなくなりました」「AI・IT業界への転職で収入2倍も狙えますし、人生100年時代で、今後何10年も働くとすると、その何10年のうちの数か月間、頑張って学ぶことで、生涯年収が大きく変わってくる。これは最高の自己投資だと思います」と述べました。