最高年俸は29億円! 中国初の人型ロボットメーカーが首席科学者を世界から公募(中西文行)
【経済ニュースの核心】
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世界知的所有権機関(WIPO)によると、2025年に中国が提出した国際特許出願件数は7万3718件と前年比5.3%増で世界最多だった。次いで米国5万2617件、日本4万7922件、韓国2万5016件、ドイツ1万6441件と続いた。
人口14億人を抱える中国の科学者層は重層的だ。自前の宇宙ステーションやGPSを構築して久しいが、アリババグループは3月24日、エージェント型人工知能(AI)と推論コンピューティング向けの新たな中央演算処理装置(CPU)「玄鉄C950」を発表。このCPUはクラウド向けに最適化されている。
中国の長征8号運搬ロケットは、4月7日、低軌道衛星インターネットコンステレーション「千帆星座」の第7陣衛星群(通信衛星18基)を所定軌道に投入した。「千帆星座」は、中国が独自に開発・管理する低軌道衛星インターネットシステムで、高速、リアルタイム、安全、空・宇宙・陸・海を統合した総合ソリューションを提供する。
12年に創業した中国初のヒューマノイド(人型ロボット)メーカー、UBテック・ロボティクス(優必選科技)は、エンボディドインテリジェンス分野の首席科学者を世界から公募。年俸1500万元(約3.5億円)以上、最高1億2400万元(約29億円)という破格の待遇を提示した。
募集ポストは国籍や年齢、性別を問わず、同社の技術戦略を統括する中核人材として位置付け、同時に、強化学習アルゴリズムやハードウエア開発など数十の関連職種も募集、技術人材の層を厚くする方針だ。「横並び社会」の日本では、まず不可能な求人だろう。上場企業の経営者でも、年俸29億円以上は数人に限られている。
政府はAIなど先端技術で経済を底上げするとしているが、平均的な賃金では卓越した人材は集まらない。世界の大谷翔平選手のように「100年に1度」の逸材の科学者を獲得しなければならない。
経済協力開発機構(OECD)の加盟国全38カ国の平均年収調査(平均賃金、25年版)によると、平均は6万1146ドル。米国は8万2932ドルで4位、日本は4万9445ドルと韓国にも抜かれ25位だった。
■日本でも国産AIを開発する新会社設立
このような状況下、ソフトバンク、NEC、ホンダ、ソニーグループが中核となり、国産AIを開発する新会社「日本AI基盤モデル開発」が設立された。100人規模のAI開発者が所属する見通しで、最終的にはロボットを動かせる次世代AIの開発を目指すようだが、そのAI開発者の年俸は数億円以上なのだろうか。
ドジャースをしのぐような年俸100億円の科学者求人が日本に出るだろうか。
(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)
