16年ぶりにフルモデルチェンジ!

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日産「新たなエルグランド」まもなく発売!

 2026年は、トヨタ「ランドクルーザーFJ」、マツダ「CX-5」など、話題の新型車が数多く登場します。この中でも特に注目される車種が、ラージサイズの高級ミニバンである日産「エルグランド」でしょう。

 初代エルグランドは1997年に発売されてヒット作になりました。2002年には2代目に刷新されましたが、何とその翌日に、ライバル車のトヨタは「アルファード」(初代)を発表。エルグランドはアルファードとの販売合戦に負けて、2010年に3代目が登場しましたが、売れ行きは伸び悩みました。

【画像】超カッコいい! これが16年ぶりの「新たなエルグランド」です!(30枚以上)

 クルマのフルモデルチェンジは、長くても10年周期で行うのが業界の常識です。これ以上遅れると、ユーザーが他社の新しいモデルへ流れてしまうからです。

 発売から16年が経過したエルグランドは、普通ならこのまま姿を消すと思われていましたが、2026年に16年ぶりのフルモデルチェンジを行うことになりました。

 新型エルグランドについて、直近の状況を販売店に問い合わせると、以下のように返答されました。

「現行エルグランドは、2025年(昨年)の冬に受注を止めています。3.5リッターV型6気筒エンジン車はもっと早い時期に止まり、2.5リッター直列4気筒も昨年中に生産を終えました。今では在庫も、ほとんど残っていないため、販売されていません」

 では、新型はいつ頃に発売するのでしょうか。

「新型の発売は2026年の夏以降です。おそらく6月から7月頃に予約受注を開始して、登録や納車をともなう発売は8月から9月頃でしょう」

 新型エルグランドの全長は4995mm、ホイールベースは3000mmですから、「アルファード/ヴェルファイア」と等しいです。全幅は1895mmとワイドで、現行エルグランドやアルファード/ヴェルファイアよりも45mm幅広いです。

 最も注目されるのは全高で1975mmに達します。現行エルグランドよりも160mm高く、ヴェルファイアと比べても30mm、アルファードを40mm上まわります。

 新型エルグランドが全幅と全高を大きく拡大した背景には、現行モデルの販売不振があります。現行モデルは全高を1815mmに抑えたので、外観がスポーティになり、重心も下がって走行安定性も優れていました。

 その代わり宿敵のアルファード/ヴェルファイアに比べると、外観の存在感が乏しく、床も低いために周囲の見晴らしも特に良くないです。これも販売合戦に敗れた原因ですから、新型エルグランドはワイドで背の高いボディにしたというわけです。

 外観が目立ち、車内に入ると周囲の見晴らしも良いです。つまり新型エルグランドは、アルファード/ヴェルファイアが好調に売れている理由を分析し、その要素を取り込んで開発されたといえるでしょう。

 開発者によると床面地上高は460mm前後になる模様で、見晴らしを良くするために、昨今のミニバンとしては床が高めの設定です。サイドステップ(小さな階段)を使って乗り降りするため、幼い子供や高齢者のいる世帯では注意が必要です。

 また視線の位置が高い場合、遠方が良く見える反面、ボディ側面の死角も広がります。特に新型エルグランドは全幅を1895mmまで広げるため、左側面の死角は一層大きくなり、モニター画面に頼った運転をすることになります。

パワフルかつ低燃費な最新パワートレイン搭載!

 新型エルグランドは、前述の通り、2026年6月から7月頃に予約受注を開始すると予想されますが、できれば販売店に試乗車が導入されてから契約した方が安心でしょう。試乗車を使って乗降性、前後左右の視界、縦列駐車のしやすさなどを確かめられるからです。

 パワーユニットは、現行エルグランドにはない「ハイブリッド」のみとなり、第3世代の「e-POWER」で、1.5リッター直列3気筒ターボエンジンが発電を行ってモーターを駆動します。駆動方式は前後輪を別々のモーターで駆動する「e-4ORCE」(4WD)です。

 駆動用モーターの動力性能は、日産のフラッグシップEV「アリアB9・e-4ORCE」に相当するほど高く、前後のモーターの相乗効果によるシステム最高出力は340馬力前後、最大トルクは54kg-m前後を発揮。自然吸気のガソリンエンジンに当てはめると、5リッター並みの性能です。

新型エルグランドの豪華なインテリア

 そして1.5リッターターボは、効率の優れた一定の回転域だけで回すことで、燃料消費量を抑えます。ただし一定の回転域だけで回すと、その時の走行に必要な電気を上まわる余剰な発電をすることもあります。

 そこで新型エルグランドの駆動用リチウムイオン電池は、従来のハイブリッドに比べて容量に余裕があり、余った電気を積極的に充電。この電気を使うことで、エンジンを停止させたモーター駆動のみの走行距離を伸ばすのです。

 新型エルグランドのWLTCモード燃費は17km/L前後でしょう。アルファード/ヴェルファイアのE-Four(後輪をモーターで駆動する4WD)が16.5km/Lから17.5km/Lなので、新型エルグランドもこれに近い燃費性能を発揮すると予想されます。

 このほか2027年には、高速道路での同一車線ハンズオフ機能「プロパイロット2.0」をさらに進化させ、市街地で作動する次世代プロパイロットも追加搭載される予定です。

 新型エルグランドの予想価格は、最も安価なグレードが540万円で、高い仕様は900万円に達するのではないかと予測。

 ライバル車のアルファードも、ハイブリッドとE-Fourを搭載する最も安価な「X」が532万円、アルファードハイブリッドエグゼクティブラウンジE-Fourは882万円です。そうなると新型エルグランドの価格帯も540万円から900万円になるでしょう。

 ちなみに現行エルグランドで最も安価な直列4気筒2.5Lノーマルガソリンエンジンを搭載する「250ハイウェイスターS・2WD」は408万2100円ですから、新型は大幅に値上げされることになります。

 それにしても新型エルグランドのデザインが公開されたのは2025年4月です。発売は前述の通り2026年8月から9月ですから、デザインを最初に披露してから発売まで、1年半近くを要します。なぜ長々と待たせるのでしょうか。

 関係者に取材すると、いろいろな返答がありました。まず「今後の日産が元気になることを見せるため、早めに新型を披露しました」という話が聞かれたほか、「エルグランドの売れ行きが下がり、現行モデルの買い控えが生じにくいからです」という返答もありました。

 現行モデルの販売が好調なのに新型を公開すると「新型を待とう」と判断するユーザーも生じて売れ行きが下がります。しかしエルグランドは、現行モデルの販売が既に低迷しているので、待つユーザーも少ないです。むしろアルファード/ヴェルファイアの買い控えに繋がって有利です。

 さらに「メーカーがプロトタイプの評判を見て、販売規模を想定したり、宣伝方法を考える」という話もあります。

 ユーザーとしては待たされる一方で新型モデルと現行モデルを比べて買うことができます。長々と待たされるのは困りますが、逆手に取って活用する買い方もあるわけです。