息吹き返すかコンパクトカメラ――今年に入り好調維持【道越一郎のカットエッジ】
一方、今伸びているのはコンパクトカメラ。昨年11月以降、販売台数前年比の2桁増が続いている。2月現在で、コンパクトカメラの販売構成比は、販売台数が71.0%、販売金額が37.8%。依然として台数では主流のカメラだ。高価で大きく重いレンズ交換型より、安価で小さく軽く、そこそこの画質で写真が撮れるカメラを求める声は根強い。ところが、メーカー各社は、カメラ機能の進化が著しいスマートフォン(スマホ)にコンパクトでは戦えないと判断。白旗を掲げ、コンパクトの製品ラインアップを極端に絞り込んだ。市場に残ったのは、ほとんど高級機ばかり。低価格コンパクトのラインアップは消えかかっていた。
そのキヤノンは、7月にトップシェアを奪還。12月まで維持した。最も貢献したのは2016年発売のロングセラー「IXY 650」。これもオーソドックスなコンパクトカメラだ。2月に2位に浮上したのが富士フイルム。チェキフィルムが使える「instax mini Evo」が強い。4位のケンコートキナーは、1万円未満の「KC-03TY」を筆頭に低価格モデルでシェアを伸ばしている。2月に久々の新製品「LUMIX TZ99」を発売したパナソニックは、8位から5位に浮上。GRのリコーをわずかながら上回った。
2月27日から3月2日、パシフィコ横浜で開催されたカメラの展示会、CP+2025でも、個性派コンパクトが人気だった。例えばキヤノンが4月に発売する「PowerShot V1」の試用コーナーには長蛇の列。オーソドックスなスタイルながらVlogを意識した製品。同社久々のコンパクトカメラの新製品ということもあり、期待が高まっているようだ。マイク部にモフモフを備えたその姿は、ソニーの「VLOGCAM ZV-1」を想起させる風貌。果たして2匹目のドジョウを捕まえられるかに注目したい。ニコンも2月に発売したばかりの「COOLPIX P1100」が人気を集めていた。コンパクトとは名ばかりの大ぶりなレンズ一体型カメラ。最大の特徴は35mmカメラ相当で24mm〜3000mmのズームレンズ。なんと光学125倍ズームを実現する超ド級のカメラだ。こうした特徴が明確な製品は、スマホとの差別化も容易。コンパクトカメラのさらなる市場活性化にも寄与しそうだ。(BCN・道越一郎)
